伊関正孝弁護士(東京) 除名処分の要旨 犯罪弁護士を放置した東京弁護士会の責任について

本日の記事で予告したとおり、4月7日付で東京弁護士会は懲戒処分の公表として以下の内容を同会のウェブサイトで公表した。

 

引用元 http://www.toben.or.jp/message/seimei/post-435.html

 

 2016年04月07

東京弁護士会 会長 小林 元治

伊関正孝会員については、2014年5月7日に懲戒の手続に付された事案として事前公表を行いましたが、この度懲戒処分をしたので公表します。

 

懲戒処分の公表

 

被懲戒者 伊関 正孝(登録番号20214)

登録上の事務所 東京都千代田区神田多町2-4 第2滝ビル6階 潮総合法律事務所 

懲戒の種類 除名

効力の生じた日 2016年4月6日

 

懲戒理由の要旨

1 被懲戒者は、懲戒請求者Aから証券取引に対する損害賠償請求事件を受任し、代理人として証券会社Xから株式の売却代金約587万円の支払いを受けたが、2009年4月16日に懲戒請求者に対して、そのうち300万円を自らに預けるように求め、懲戒請求者はやむなくこれに応じた。被懲戒者は、これとは別途に、2010年10月15日に懲戒請求者Aから150万円を借り入れた。

上記について、被懲戒者はその一部を返済したものの、その余については再三にわたる返還要求においても清算を怠り、返済をしなかった。

また、被懲戒者は本受任事件において、2009年4月1日に証券会社Xに対して口座解約を求めるとともに、不法行為に基づく損害賠償を行う予定である旨を通知し、同5月29日には取引履歴の開示を求めたものの、その後事件処理を進めずに放置し、2012年6月7日になってようやく証券会社Xに対する損害賠償額確定調停の申し立てを行ったが、前記の通知から3年以上が経過していたため、不法行為に基づく損害賠償請求権が消滅時効にかかっているとして、時効の援用を受けた。

 

2 2011年7月頃、被懲戒者は、除名処分を受けた元弁護士から、受任していた多数の債務整理事件を、その雇用していた事務職員とともに引き受けたが、弁護士自身がなすべき事務処理を専ら事務職員に行わせその監督を怠ったため、預り金の保管や弁済処理などを全く把握しておらず、依頼者からの預り金や消費者金融業者から受領した過払金等を流用するままに任せ、預り金に多額の欠損を生じさせ、依頼者に対する預り金の返還や弁済代行を滞らせた。被懲戒者が外部に流出させ、欠損を生じさせた預り金は、正確には算出できないものの、少なくとも4,000万円を超えると推認できる。

 

3 被懲戒者は、懲戒請求者Bから2012年5月15日に消費者金融業者Yに対する過払金の返還請求事件の依頼を受けた。その後、消費者金融業者Yとの間に和解を成立させ、2013年5月27日に代理人として101万円の和解金を受領したものの、懲戒請求者Bからの問い合わせに対しては、交渉中であるなど虚偽の報告をし、預り金の返還をしなかった。

その後、懲戒請求者Bが預り金の返還を求めて紛議調停を申し立て、2014年11月5日には分割で支払う旨の調停が成立したにもかかわらずこれを履行せず、また2015年3月10日には東京簡易裁判所において、支払いを命じる判決を受けたにもかかわらず、全額を支払わなかった。

 

これら被懲戒者の一連の行為は、弁護士職務基本規程第25条、同第35条、同第45条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士の品位を失うべき非行にあたる。

 

2016年4月6日

東京弁護士会 会長 小 林 元 治

 

引用以上

 

 以下に、懲戒理由の内容を検討していく。

まず、懲戒事由の1の部分だが、株式の売却代金587万円を代理人として受領し、その中から300万円を預けるように求め、その後の懲戒請求者の預り金の返還請求について一部のみの返済しかせずに清算を怠ったという事と、この件とは別に懲戒請求者から金150万円を借り入れたが、返済をしていない。この依頼者から依頼された損害賠償請求事件も職務を懈怠したために、この損害賠償請求権については時効の援用を受けたという内容である。

伊関弁護士が如何なる理由で300万円もの大金を懲戒請求者に預けるよう申し向けたのかが、この懲戒事由では明らかにされていないが、きちんと東京弁護士会は伊関弁護士がどのような虚言を弄したのかを公表すべきなのである。また、職務懈怠については呆れるしかない、伊関弁護士の利益にもなるであるだろう事件を放置したという事は、すでに訴訟手続きの遂行能力の無い「欠陥」弁護士であったという事だろう。そのような観点から考えれば、伊関弁護士は到底訴訟行為の遂行ができない事を分かっていながら、着手金を受領したと考えられる、詐欺行為と呼ばれても仕方の無いような業務を行っていたという事だ。

懲戒事由の2については、単なる「泥棒」行為である。東京弁護士会は懲戒処分の事前公表においては、約9500万円の預り金が消失している事が明らかにされていたが、懲戒事由では「少なくとも4000万円」の預り金が欠損していると判断している。この当たりの判断の理由をきちんと東京弁護士会は公開すべきであろう。

懲戒事由の3については、過払い金の返還を金融業者から受けながら依頼者に交渉中と偽り、過払い金の返還を拒み、紛議調停を提起され和解を締結したものの支払いをせずに訴訟も提起され判決が確定したにも関わらず、支払いをしなかったという内容だ。これも単なる横領行為であり「泥棒」と呼ぶしか無いような行為であることは間違いないだろう。

 

この懲戒事由を見ていくと、少なくとも伊関弁護士に対して複数の懲戒請求が提起され、紛議調停も提起されていた事実が確認できる。しかも、その内容は全て金銭トラブルであり職務懈怠的な行為も含まれている事から、伊関弁護士がまともに弁護士業務を行っていない事を東京弁護士会は理解していた筈である。また懲戒処分の事前公表から、約2年もかかったことは、この懲戒処分の内容から考えれば遅すぎると断じざるを得ないだろう。この約2年の間に伊関弁護士の被害者が増加したと思われるからである。

また、この懲戒処分の内容からすれば弁護士会として刑事告発を行うべきであるはずなのだが、そのような事には触れていない。東京弁護士会は昨年債権者破産を申立てられ弁護士資格を喪失した「泥棒」駒場豊の、懲戒処分の際にも多額の預り金が横領されていた事実を知っていたにも関わらず、刑事告発を行わなかった、また現在も刑事告発を行っていない。

駒場や伊関のような「泥棒」弁護士を放置するのが弁護士自治なのであれば、国民は誰一人として弁護士自治など信託しないはずである。

現在も潮総合法律事務所のHPはそのまま存在し、「お客さまのご都合」で止まっていた電話は鳴るようになったが、誰も応答する者はいないようだ。東京弁護士会は適切に指導監督連絡権を行使し、潮総合法律事務所について徹底的に調査を早急に行うべきである。

伊関正孝弁護士(東京) ついに除名処分

6日付で時事通信は、「弁護士を除名処分=過払い金流用―東京」として、以下の記事を配信した。

 

消費者金融業者から受け取った依頼者らの過払い金を流用したなどとして、東京弁護士会は6日、伊関正孝弁護士(60)を除名の懲戒処分にしたと発表した。

 除名は最も重い処分で、3年間は弁護士資格を失う。同弁護士会の調査に対し、伊関弁護士は「争いません」と話しているという。

 

引用以上

 

 この件について東京弁護士会は、本日(4月7日)中に懲戒処分の事後報告の公表を同会のウェブサイトにて行うとの事である。

昨日もお伝えしたように、伊関弁護士所属の潮総合法律事務所は「お客様の都合」で電話が不通の状態であり、当ブログに寄せられたコメントでは4月5日付で、伊関弁護士からの受任通知が発送されているらしい。

東京弁護士会は、伊関弁護士の預り金の横領事案について刑事告訴を行うのかも含めて、現在の潮総合法律事務所の状況を調査し、国民に報告すべきである。

この件は、続報があり次第随時公表していきます。

速報 予定通り潮総合法律事務所は崩壊しました

筆者は懲戒処分の事前公表を東京弁護士会が行っている伊関正孝弁護士が所属する「潮総合法律事務所」が、現状のままでは追い出されるとして金策を行っている事を3月28日付でお伝えした。

 

年度末を迎え問題弁護士の金策が本格化しています

 

 そうしたところ、本日筆者に、既に潮総合法律事務所は電話が「お客様の都合」で通話ができなくなっているとの情報が寄せられた。約9500万円の預り金を消失させた(実際は横領だろう)伊関正孝弁護士と連絡が取れなくなれば、被害者の救済もままならないはずである。東京弁護士会は早急に指導監督連絡権を行使して、潮総合法律事務所の実態を調査すべきであろう。

電話が止まっている理由が「お客様のご都合」なので、そのうち電話が通じる事もあるかもしれないが、弁護士事務所の電話が「お客様のご都合」で不通になるという事が異常な事態であることは間違いないだろう。

新年度の日弁連会長挨拶 不祥事対策には言及なし

日弁連のウェブサイトに、4月1日付で中本和洋新会長の挨拶が掲載されている。

 

会長からのご挨拶

 

 2月5日に実施された日弁連会長選挙において、1万2303票という、過去最多となる票を得て、当選することができました。会員の皆さまの大きなご支持に心より感謝申し上げます。

これまで日弁連は、ロースクールの創設、法テラスの開設、刑事裁判における裁判員制度の導入等、司法改革の諸課題に取り組んでまいりました。これらの制度は、社会の中で定着しつつあり、一定の役割を果たしてきています。

しかし、民事司法の分野では、十分な改革が進んでいません。消費者問題や労働問題を含め民事紛争が依然として多く発生しているにもかかわらず、民事裁判件数をはじめ、司法の容量が増えていません。このことが、弁護士人口増に比して弁護士の活動領域が拡大しておらず、また業務量も増えていないことを端的に示しています。

私は、日弁連会長選挙において、民事司法の改革こそが急務であり、この実現によって、司法を真に市民にとって利用しやすく頼りがいのあるものとするとともに、弁護士の活動基盤を強固なものにして法の支配を社会の隅々に広げるための取り組みが、これまで以上に必要であると主張してまいりました。このような民事司法の改革課題を実現するためには、運用の改善とともに法律の改正や、司法予算の確保が必要であり、法曹三者との協議・連携は勿論、政府や国会議員・政党の方々のご理解とご協力が必須です。日弁連は各方面の皆さまと協力して、これらの課題の実現に向けて活動していかなければなりません。

いかにして平和を守るかについては、国民の間で安保法制をめぐり、大きな議論となっています。集団的自衛権を含む安保法制は、立憲主義および憲法第9条に反するものであり、従来の日弁連執行部の取り組みを継承してまいります。

憲法改正問題については、日弁連は、人権擁護を使命とする法律家集団としての発言と活動をすべきです。戦争は最大の人権侵害であり、日弁連は戦争に向かう動きに対しては強く反対しなければなりません。人権や平和にかかわる憲法が改正されるとはどういうことか等、法律家として検討し、分かりやすく説明・情報提供をしていくことが重要です。

この他、刑事司法改革、法曹養成制度改革等の諸課題にもこれまでの日弁連執行部の基本方針を継承しつつ、皆さまの声をしっかり聴いて、積極的に取り組み、希望と活力にあふれ、信頼される司法を築いていきたいと考えています。

皆さまのご支援ご協力を心よりお願い申し上げます。

2016年(平成28年)4月1日

 日本弁護士連合会会長 中本 和洋(なかもと かずひろ)

引用以上

 

 まぁ通り一遍の内容を述べているが、弁護士自治の信託者である国民への目線が欠けている事は明らかだ。

まず、ロースクールの創設・法テラスの開設・刑事裁判の裁判員制度の導入を司法制度改革の一定の成果としているが、ロースクールの創設は決して成功であるとは言えないような状況で、すでに統廃合が進んでいる状態であり、法テラスは無理筋の事件を受ける受け皿となり司法を混乱させ、裁判員制度はせっかく裁判員裁判で重罪を言い渡しても、高裁では受け入れられないことが多い。これが一定の成果なのであろうか筆者には疑問である。

民事司法の改革というが、この挨拶文の内容では民事紛争が増えているにも関わらず、民事事件の裁判件数は増えず、弁護士増に対して弁護士の活動領域が拡大していないとしている。簡単に言えば、このような現象は民事裁判に対して国民が何も期待していないという事である。判決は取っても、執行が困難である状況や、民事裁判における事実認定が一般社会の慣習や常識からの乖離していること、一審における事実的な和解の強要など、国民の多くは一度民事裁判を経験すると「二度と裁判などしない」と思う事が多いらしい。弁護士費用を払い、成功報酬を取られたら、貸金返還請求であれば貸した金より大きく目減りしての回収になる事がほとんどである。これでは民事訴訟など誰もやりたくないだろう。懲罰的な損害賠償制度を採り入れ、民事裁判にこそ市民感覚が必要なので裁判員制度を導入すべきなのである。

日弁連のいうところの民事司法改革には国民の多くは全く期待などしていないので、ぜひとも筆者の期待を裏切るような斬新な制度改革を期待したい。

また何度も述べているが安保法制は政治問題である。弁護士自治を司る日弁連が意見を言う必要が有るとは思えない。意見のある弁護士は国会議員に立候補して自らの意見を述べればいいのである。

さて、このご挨拶は弁護士不祥事の防止には、タッタの一言も触れられていない。国民の財産を理由なく奪う弁護士が増加している中で、弁護士不祥事に触れないことは不適切であると思うのは筆者だけであるとは思えない。こんなところに筆者は「弁護士の弁護士による弁護士の為の弁護士自治」を垣間見るのである。

横領弁護士と特殊詐欺関係者の共通点 背後の犯罪収益共同体の小集団

特殊詐欺関係者は「仲間」とか「絆」とかが大好きである。猜疑心ばかり強くカネのためなら殺し合いも厭わないにも関わらずである。

 

【参考リンク】

【生きたままノコギリで斬首】横浜バラバラ強盗殺人事件【池田容之】

振り込め詐欺団仲間割れ4人殺害事件

板橋死体遺棄 犯行グループ、“奇妙な面々”

新宿・社長殺害:被告の男、差し戻し審判決は懲役18年

 

 このような事を行う「カネの亡者」たちは、犯罪収益で最新ファッションを身に着け、キャバクラで浪費し、その死臭のようなカネの臭いに敏感な女たちを引き寄せ、お互いにカネの有るうちは惹かれあうのである。

そして、浪費のために更なる犯罪行為を繰り返し、犯罪収益でバカ共が思うところの「正業」を始めたりするわけである。しかし上述のように、猜疑心が人一番強いのが特殊詐欺師の特性なので、すぐに「仲間割れ」を起こして事業などまともにできないことが多いのである。

この手のバカが逮捕されると、お仲間のキャバ嬢は「○○くん心配だよ」などとハトの弁護士に伝言を頼んだりするのであるが、起訴と決まればカネが入る予定もなくなるので、さっさと姿を消してしまう事が多い。ブランド物を買ってもらったりSNSに有名飲食店に行っている写真を撮ってアップしたいがために、特殊詐欺師と付き合うのだから当然と言えば当然の行動である。特殊詐欺師も、このような女に引っかかっては形無しなのである。

女の中には犯罪収益による贅沢生活が忘れられずに、夫(愛人)を無罪にしろと弁護士に難癖をつけてくる者も多い。カネの亡者に憑りつかれた人間には正常な判断力が喪失することがよくわかる事例である。

一方、横領・着服弁護士の多くは、生活レベルを落とせずにそのような犯罪に走ることが多い。生活レベルを落とせないのは、この手の問題弁護士たちの家族に対する見栄であろう。ベテラン弁護士で横領着服を行う者の多くは既婚者であり、妻は専業主婦であることが多い。トラブルが発生すると、「付け馬」が弁護士の自宅に行ったりすることも多いが、この手の横領弁護士の妻の多くはどこ吹く風で、夫がカネさえ持って来ればどんな性質のカネでも構わないのである。自らの経済状況など気にせず、「弁護士の妻」としてふるまうための装飾品やブランド物を身に着け、子供を私立の名門校に行かせるためであれば、よく裁判所がいうように「カネに色は付いていない」ので、預り金からカッパライをしたカネでも構わないのである。

また誠実であった弁護士も、愛人などができると、その色香に迷い仕事が急に粗くなったり、今までは受任しないような筋の悪い事件を受けるようになるのである。

上記のような犯罪集団関係者と交際する女や、横領弁護士の妻などは、犯罪者を中心とした犯罪収益共同体の小集団を作り、さらなる犯罪を助長するのである。

このような犯罪収益共同体の構成員に共通している事は

  1. 見栄っ張り 2.飲食店などで尊大な態度を取る 3.節操がない 4.自らの死など考えない という事であろう。

 人間は考える葦であるはずだが、カネの亡者たちは考えることなどしない。目の前のカネのためなら犯罪は厭わないし、犯罪被害者の心情など忖度しないのである。本稿で指摘した犯罪収益共同体の小集団は社会の害悪である。

ルカによる福音書12章の13~21を以下に引用するのでカネの亡者どもは括目して読んでほしい。

 

13 群衆の一人が言った。「先生、わたしにも遺産を分けてくれるように兄弟に言ってください。」

14 イエスはその人に言われた。「だれがわたしを、あなたがたの裁判官や調停人に任命したのか。」

15 そして、一同に言われた。「どんな貪欲にも注意を払い、用心しなさい。有り余るほど物を持っていても、人の命は財産によってどうすることもできないからである。」

16 それから、イエスはたとえを話された。「ある金持ちの畑が豊作だった。

17 金持ちは、『どうしよう。作物をしまっておく場所がない』と思い巡らしたが、

18 やがて言った。『こうしよう。倉を壊して、もっと大きいのを建て、そこに穀物や財産をみなしまい、

19 こう自分に言ってやるのだ。「さあ、これから先何年も生きて行くだけの蓄えができたぞ。ひと休みして、食べたり飲んだりして楽しめ」と。』

20 しかし神は、『愚かな者よ、今夜、お前の命は取り上げられる。お前が用意した物は、いったいだれのものになるのか』と言われた。

21 自分のために富を積んでも、神の前に豊かにならない者はこのとおりだ。」

 

 本当に味わい深い話である。人の命は財産によってどうすることもできないのは真実である。カネの亡者には分からないでしょうがね、だからカネに憑りつかれた者は「亡者」なのである。

神奈川県弁護士会(旧称横浜弁護士会)が不祥事防止のための「適正化対策室」を設置

読売新聞は3月30日付で「弁護士会、不祥事で対策室」として以下の記事を配信した。

 

依頼人から預かった現金を着服した業務上横領罪で今月、横浜弁護士会所属の弁護士楠元和貴被告(44)が横浜地裁で懲役4年6月の実刑判決を受けた(控訴中)。同会は会員の不祥事を未然に防ぐ「適正化対策室」を設置し、再発防止に取り組む。(鬼頭朋子)

 「被害を受けた方や市民に、深くおわび申し上げる」。10日の判決後、記者会見した横浜弁護士会の竹森裕子会長は頭を下げた。

 判決によると、楠元被告は2012~15年、成年後見人や遺産分割の交渉代理人などとして預かった現金を126回にわたり口座から引き出すなどし、計約5600万円を横領。公判で楠元被告は「東日本大震災で業務が滞り、事務所経費などが払えなくなった」と述べ、着服について「甘えがあった。返済できる自信もあった」と振り返った。

 事件を重く見た同会は適正化対策室を開設した。弁護士6人がメンバーで、2人ほどのチームを編成。市民の苦情などから会員の非行が疑われる場合、会員に詳細に事情を聞くなどして調査を進める。必要に応じて助言や指導を行うほか、会則違反が判明した際は、懲戒の必要性を検討する綱紀委員会に報告するという。

 弁護士個人には本来、権力の監督下に置かれることがない「弁護士自治」が認められている。同会の執行幹部は「不正の被害拡大を防ぐための苦渋の決断だった」と語る。

 同時に、経営難の弁護士へのサポート窓口も設け、経験豊富なベテラン弁護士が助言したり、日弁連の講習を紹介したりする。

 弁護士の横領・詐欺事件は全国で後を絶たない。読売新聞の調査では、13年~15年11月の約3年間に起訴された弁護士は23人。被害総額は20億円を超えた。背景に、弁護士の厳しい業務環境が指摘されている。

 日弁連の吉岡毅事務次長によると、近年は裁判件数が減少傾向にある中、司法制度改革による弁護士増で競争が激化し、収入を減らす弁護士が増えている。また弁護士法は、破産すると弁護士資格を失うと規定しており、収入を大きく減らした際の心理的負担も大きい。

 同会の会員もこの10年で、2倍近い1540人(3月28日現在)に増加し、所属弁護士の一人は「楠元被告の事件も人ごととは思えない」と話した。

 

引用以上

 

 神奈川県弁護士会が適正化対策室を設置した事は、弁護士不祥事防止に何らの対策も行わない単位弁護士会が多い中で、画期的なことであるとは考える。しかし引用記事中にあるような内容では不祥事防止の効果は極めて少ないと判断せざるを得ない。

まず、市民の苦情を元に非行が疑われる場合の詳細な調査などとは言っても「弁護士の職務の独立」を盾に拒否されたら、何もできる事はないだろう。また問題弁護士が素直に調査に応じるとも思えない。当然のように他の弁護士の助言なども聞きはしないだろう。

また、経営難の弁護士の相談にベテラン弁護士が乗るとの事であるが、相談に乗るベテラン弁護士は仕事もしっかりと確保できて、弁護士としての力量もあるからこそ、このような会務に時間を割くこともできるのである。相談に乗ってほしい弁護士の多くは「カネに追われる」状態であり、アドバイスよりも運転資金が欲しいのである。そこを理解しなければ何の意味もなさない相談になる事は明らかであろう。

弁護士が預り金の使い込みを頻発する事を防止するためには、入出金が弁護士個人の裁量に任せられる「預り金」制度を廃止して「カルパ制度」の導入を図るべきなのである。

カルパ制度については以下の第二東京弁護士会の「マルセイユ弁護士会訪問記」の記事中に分かりやすく紹介されているので、該当部分を引用する。

http://niben.jp/niben/books/frontier/frontier201510/2015_NO10_38.pdf

 

カルパ

 

(1)預り金の管理

 弁護士会の運営にはお金が必要です。弁護士会にはカルパという仕組みがあり、弁護士会のお金の管理をしています。弁護士会会長がカルパの長を兼務し、権限を持っています。

カルパには、23人の職員がいます。昔は、弁護士が第三者から受けとったお金をコントロールする機関がありませんでした。そのために、横領などいろいろな問題が生じました。そこで、こういうお金を1つの弁護士会口座にまとめたらどうだろうかという発想から、カルパが生まれました。現在、カルパは法的に認められた機関であり、預かった資金を管理しています。今や、横領のような問題は全くありません。

 カルパには、ただ1つの口座があり、そこで資金を管理します。2930人分の預り金を、この口座で預かります。さらに、その口座の下にぶら下がっているサブ口座のようなものも使います。

 弁護士は、100ユーロ以上のお金は、自分では管理してはならず、カルパに預けなければなりません。例えば、弁護士が損害賠償金の支払を受けたら、カルパに預けなくてはなりません。従わなければ、除名処分を含む処分を受けることがあります。

 カルパは、どこからお金がきて、どこへいくかという、お金の入口と出口を明らかにします。

 フランスにもマネーロンダリング(マネロン)を規制する法律はありますが、カルパは、これまで一度も当局に報告したことはありません。カルパは、預り金を十分コントロールしているので、当局の信頼があるからです。

 カルパは、怪しげな弁護士がいる場合は、小切手帳を取り上げることもできます。フランスの161の弁護士会に、134のカルパがあります。全国にカルパ評議会のようなものもあります。小さな弁護士会では、いくつかの弁護士会と一緒になってカルパを運営しています。

 一方で、それぞれの弁護士が資金について責任を持つというのも原則です。企業秘密も絡んできます。

 例えば、弁護士が会長に、あるプロジェクトがあって、この予算が必要だと提案するとします。会長が認めれば、プロジェクトにお金が回されます。しかし、例えば、フェラーリを買うために300万ユーロが必要と提案しても、会長は認めないでしょう。2か月後に東京の弁護士会に出張するなどといった弁護士会に必要な仕事であれば、認められるでしょう。

 マルセイユ港は、船の売買が盛んです。港湾関係のスペシャリストの弁護士も、マルセイユにたくさんいます。石油の輸送船売買もあります。船の売買で動く大きなお金を、カルパが管理します。

 クライアントのために船を買いたいということもあるでしょうが、例えばコロンビアから資金がきたときはどうでしょうか。さすがに、この場合は問題となり得ます。カルパは、お金の流れをコントロールし、その結果、マネロンができないようにしています。

 会員が、お金に不正があると疑ったら、弁護士会会長に直接言います。マネロン規制の

中で、会長には特別の権限があるのです。弁護士会が、弁護士のお金について不正だといって声明を出すことはできません。弁護士会は、税務署の職員ではないので、税務署に報告したりはしません。弁護士の守秘義務は絶対だからです。

(2)預り金の運用

 カルパは、お金を預り金として共通の場所に集中させ、運用し、収益を上げています。弁護士会の建物も、その収益で手に入れているのです。選ばれた9人の代表が、専門家と相談しながらどのように資金を運用するかを決定し、長期、短期など、いろいろな視点で行っています。実に、年400万ユーロというお金を運用しているのです。

 預り金を運用するにあたって、個々のクライアントの同意は不要です。この点は、立法で解決済みです。カルパは、公共サービスに貢献するという点に主眼がありますから、クライアントがこの点で何か文句を言うことはできません。カルパは、公的な役割を果たしているのです。

 カルパは、国選弁護人のお金も、一旦預かっています。さらに、カルパは、会員に問題がおきた時に貸付もしますし、年金などにより財政援助もします。

 弁護士会費は、収入比例で、年間平均額は弁護士1人あたり2000ユーロです。また、預り金の総額は、3億ユーロ(445億円)です。運用益のおかげで、例えば、女性会員が出産したら会費を免除するなどの施策を取ることができます。

 資金の一部は、ウクライナ国債でも運用しています。これはIMFも絡むものですが、利益をあげています。カルパの今年の運用収益は、54万7000ユーロです。

 マルセイユ弁護士会のカルパの運用は、非常にうまくいっています。それぞれのカルパは独立していますが、フランス全土の統括カルパにより、監督されています。

 リスクの高いものでは運用せず、元金保証で運用します。

 カルパの課題ですか。そうですね、問題といったものは、今のところはないですね。全てうまくいっています。しかし、問題が生じている地方もあります。問題が生じたら、全国のカルパが連帯して助ける仕組みです。

 過去には、会長が預り金とともに蒸発したケースもありました。今では、そんなことのないように厳しくコントロールしています。例えば、3万8000ユーロの小切手を切るときは、会長のサインが必要です。そのおかげで、ここ数年、問題は生じていません。

 また、会長自身も保険に入っています。保険は、各弁護士会も入っています。この保険料は、カルパから出します。

(3)他国の動き

 フランスと似たような文化を持つ国では、カルパを採用しようという動きがあります。

例えば、アフリカ圏やアルメニア弁護士会が、検討中です。

 また、イスラエルの弁護士会も、来年中の導入を検討しています。

 北米では、ケベック弁護士会(会員数約1万5000人)も、カルパのシステムの導入を検討中です。

 

引用以上

 

 分かりやすい説明である。上記の文章にもあるとおり、マルセイユ弁護士会ではカルパ制度を運用開始してから横領行為は起きていないそうだ。なぜ日弁連はこの制度を導入しようとしないのか筆者には全く理解できない。弁護士個人の裁量で入出金可能な「預り金」の制度では、横領・着服は思うようにできるのである。預り金制度を漫然と続けている結果が、昨年12月20日付で読売新聞の1面で報道された「弁護士の着服、被害20億円超…後見人悪用も」という記事である。

 

【参考リンク】

12月20日付 読売新聞1面「弁護士の着服、被害20億円超…後見人悪用も」

 

 筆者はカルパ制度の導入を推進しない、日弁連・各単位弁護士会には本気で預り金の着服・横領対策を行う意思はないと判断している。

筆者は、問題弁護士のカウンセリングなどを過去に刑事事件の有罪判決や懲戒処分で弁護士資格を失った弁護士たちにさせると良いのではないかと考えている。なぜなら、弁護士資格を失った後の悲惨な人生や、資格を喪失するまでの金策の苦労などが身に染みて分かっており、問題弁護士の心情も充分に察することができると思うからである。道を誤り人生を棒に振った弁護士資格喪失者の話を聞けば、現状問題を抱えている弁護士も自らの今後の人生に思いをはせ、一瞬ではあるかもしれないが悔い改める事があるかもしれないと考えている。弁護士資格を喪失後もご活躍中の、佐竹修三や小林霊光などは適切でない人選だが、現在身柄を拘束されている本田洋司や楠元和貴や渡部直樹に接見に行かせて、お話を伺ってくるのは不祥事防止に極めて有益ではないだろうか。

社会問題となっている弁護士不祥事について日弁連・各単位弁護士会が何らかの対策を取っている事は理解するが、空虚な「声明」や新たな会規を定めても適正に指導監督連絡権の行使をしないのであれば、何らの対策も行っていない事と一緒なのである。

弁護士自治の信託者である国民にこれ以上の被害を与えないために、日弁連・各単位弁護士会には効果のある弁護士不祥事対策を望みたい。

依頼者と弁護士の距離について 弁護士が依頼者に不適切行為 200万円賠償命令の報道

30日付で産経新聞は「日大元准教授の44歳弁護士、シングルマザーの依頼者に不適切行為 200万円賠償命令」として以下の記事を配信した。

 

日本大学法学部准教授(当時)だった男性弁護士(44)にトラブルの解決を依頼したところ、強制的に性行為され苦痛を受けたなどとして、東京都江戸川区の女性が男性弁護士に慰謝料600万円を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。今井和桂子裁判官は「性行為は強制ではなく、2人は大人の男女関係にあったが、依頼者と性的関係を持ったのは弁護士として極めて不適切だった」と認定、男性に200万円の支払いを命じた。ただ、女性側の主張も多くが「信用できない」として退けられた。男性は既に弁護士事務所を退職、日大も辞職している。

  判決によると、シングルマザーの女性は平成24年6月~9月、子供が通っていた小学校の別の保護者とトラブルになり提訴されたため、解決を男性弁護士に依頼。その一方、女性は10月8日から出勤を開始した会社の上司に同月14日にホテルに連れ込まれ、「強姦された」と男性弁護士に相談した。上司に対する損害賠償請求について打ち合わせする中で、2人は同月18日に性的関係を持った。

  その後、女性は男性弁護士に対し、「強制的に性的関係を結ばれた上、依頼した仕事も怠慢している。支払ったお金を返済してほしい。返済しなければ懲戒請求する」と伝えた。

  また、女性は男性弁護士の妻に「性的関係を持った」と電話で告げたり、深夜に男性弁護士宅を訪問したりした。結果的に女性と男性弁護士は「男性弁護士が慰謝料など計600万円を女性に支払う」とする合意書を作成。しかし男性弁護士がその後、慰謝料の支払いなどを拒否したため、女性が提訴していた。

  女性は「合意書があるのに男性弁護士が600万円を支払わないのは不当だ」などと主張。一方、男性弁護士は「合意書は女性から脅迫されて作成されたため無効だ。性的関係も強制ではなく、女性側から求めたものだ」と反論していた。

  今井裁判官は「合意書は女性側の脅迫的言動で作成されたため無効だ」と判断。また、性的関係を持った後も女性が男性弁護士に親しいメールを送っていることなどから、「強制的な性行為ではなく、大人の男女関係にあった」と女性側の主張を退けた。

  しかしその上で、「上司からの強姦被害を訴えたり、子供のトラブルを抱えたりしていた女性が他者への依存度を高めていたことは容易に理解できるのに、そのような女性と男女関係を結んだことは弁護士として極めて不適切だった。依頼者である女性への配慮がなかった」などとして、200万円の支払いを命じた。

 

引用以上

この報道の内容からすると、性被害の相談をこの男性弁護士に行っていた被害者女性がいつの間にか、この男性弁護士と性的な関係を結び、その後この被害者女性が男性弁護士の自宅を訪れたり、男性弁護士の妻に関係を持ったことを告げたりするなどして結果的に両者の間で、男性弁護士が慰謝料として金600万円を支払う合意書を作成し、その支払いを懈怠したために被害女性が訴訟に及んだというものだ。

裁判所が、この合意書を「脅迫により無効」として判断している事から、この被害女性にも問題があったことは明らかだろう。

しかし、この男性弁護士は「脇が甘い」と言わざるを得ない。依頼者の誘いに簡単に乗ってしまうのでは弁護士として不適切な行動であることは間違いないし、業務を離れ依頼者と会う事の危険さを認識していないのである。

基本的に弁護士として相談を受けるときは、弁護士事務所もしくは弁護士会の相談室以外などでは行うべきでないだろうし、依頼者との連絡は事務所の固定電話や、事務所としてのメールアドレスで行えば大きな問題は起きないのである。

携帯電話でのやりとりや、LINEなどのやり取りは極力しないことが一番の依頼者とのトラブル防止なのである。

最近は欲望を自制できない弁護士が依頼者に手を出してトラブルになる事も多発している。そんな弁護士たちは以下の高中正彦弁護士の述べるところの弁護過誤防止の7か条をじっくりと熟読してほしい。

 

1.むやみに人を信用するな

2.こまめな報告はあらゆる過誤を根絶すると知れ

3.カッカするな・常に冷静であれ

4.説明の腕を磨け

5.すべての事件について手を抜くな

6.カネに魂を売るな

7.謙虚であれ

 

むやみに人を信用せず、常に冷静であれば簡単に依頼者と関係を持つことないはずだ。この男性弁護士も自らの軽率な行為を悔やんでいる事だろうが、後悔先に立たず、失ったものはあまりにも大きかったはずだ。