日弁連新聞2016年1月号「最終コーナーを迎えて 村越執行部ラストスパート」という記事について

日弁連発行の、会員向けの新聞である「日弁連新聞」に表題の記事が掲載されているが余りにもひどい内容なので、ぜひ皆様に確認いただきたい。

日弁連新聞201601

 

村越弁護士は立派で有能な弁護士である事に疑いはないが、弁護士自治の信託者である国民への配慮に欠けているとしか思えない。以下に呆れた面を列記していく。

 

1 会務にあたり大切にしてきたことは

この中の二つ目に「社会の支持」を大切にしてきたとおっしゃるが、弁護士の着服が20億円を超えている現在の状況の中で社会の支持を得るためには、預り金制度を廃止しカルパ制度に移管する事や、弁護士への懲戒請求の手続きを第三者機関に移行する事ではないだろうか。

2 もっとも力を入れてきた課題は

司法試験合格者を毎年1500人に抑制することを述べているが、それよりも不祥事対策が優先されるべきであろう。確かに司法制度改革による弁護士増員政策が失敗である事は確かであるが、国民に直接被害を与える欠陥弁護士・犯罪弁護士への対策が優先されるべきである。

3 身近で使いやすい司法の実現

司法が身近でない事が、一般国民の理想であります。法的トラブルなど無いほうが良いに決まっています。アメリカ型の訴訟社会を目指しているのでしょうか。身近な司法より、トラブル防止の教育に力を入れるべきでしょう。(そうすると事件が減るからやらないでしょうね)

4 司法基盤の整備

裁判所支部の充実について述べているが、具体的内容が分からないので支部のどの部分を充実させるのかわからない。

5 司法アクセスの改善に向けた取り組み

何度も述べるように、一般国民にとっては法的トラブルなど無い事が理想である。莫大な予算をつぎ込み公設事務所を開設し、破産の決定書の偽造が行われているのだから笑うしかない。

6 法律や制度の改革・整備

ここで述べられている、法律扶助の拡充というのは弁護士のためではないかと思われる。カネの無い人でも費用を出すところがあるから弁護士事務所にいらっしゃいという事だろう。

7 広報活動

美人女優に予算を使うよりも、不祥事対策を国民に周知するために予算を使ってください。

8 弁護士の活動の拡大

弁護士の活動の拡大は、弁護士の生活のために行っているのではないでしょうか。法曹有資格者を自治体で雇ってもらう事が国民の利益になるのか検証がひつようでしょう。

9 国際的な分野

日弁連と弁護士の国際化を進ませると言っても、それが国民の利益になるのであろうか。その分野に特化した弁護士に任せたほうが良いだろう、得意でない弁護士を国際化する必要はないはずだ。

10 安保法案反対について

政治的な意見をいう事が弁護士自治の役割とは思えない。一方的な価値観を押し付けようとすることは思想信条の自由を侵すものではないのであろうか。

11 若手の意見

弁護士自治に若手もベテランもないでしょう。同じ会員であり、意見は平等に尊重されるべきであろう。

12 力をいれたこと

会員と単位会への支援の強化と言っていますが、研修無料化など弁護士自治の観点からすれば当然でしょう。また弁護士へのメンタルへルスカウンセリングと言いますが、問題弁護士はそんなところに相談せずにカネが出そうなところに相談しますよ(ヤクザとかね)。弁護士への緊急融資制度でも作ったほうが会員も国民も喜ぶはずです。

 

あとは思い出とか、会員へのメッセージなのでどうでもよいので論評しない。

どうでしょう「弁護士の弁護士による弁護士の為の弁護士自治」の実態が良く分かる内容ですよね。村越会長様、ラストスパートとして国民の為の弁護士自治のあり方を再検討してください。20億円もの国民の財産が、社会正義の実現を使命とする弁護士により、かっぱらいされている現状を再度認識してください。(次期会長候補の高山弁護士は弁護士不祥事報道がフレームアップではないかと述べていますが、現会長の見解も知りたいものです)

私としては、弁護士の指導監督・管理は法務省が行い、日弁連は社団法人でいいような気がするのですが、会長様のご意見を拝聴したく存じます。

橋下徹の政界引退を2万パーセント歓迎します

22日の北海道新聞の社説は「橋下氏の「引退」 政界との距離に違和感」として以下の内容を掲載した。

 

「政界引退」という言葉の重みをどう捉えているのだろうか。

 大阪市長を退任した橋下徹氏が引退会見の翌日に安倍晋三首相と会談し、憲法改定について議論を交わした。菅義偉官房長官も同席し、3時間半に及んだという。

 首相としては、国政政党「おおさか維新の会」に加え、一部野党にも影響力を持つ橋下氏との協力関係を確認する狙いなのだろう。

 橋下氏は会見で「私人になる」と述べたが、おおさか維新の法律顧問に就く。引退を明言しながら政界への影響力維持を狙うかのような言動には違和感が拭えない。

 橋下氏の人気はなお根強い。安倍政権がその発信力を取り込み、改憲論議を安易に加速させる意図があるならば看過できない。

 橋下氏は会見で「持てる力はすべて出し切った」と述べる一方、今後の去就については「自由にさせてもらう」と明言を避けた。

 これまでも「2万パーセントない」はずの府知事選に出馬するなど、たびたび前言を翻してきた。与野党問わず、いずれ政界復帰するとの観測が広がるのも当然だ。

 先の大阪府知事、大阪市長ダブル選挙では、橋下氏率いる地域政党「大阪維新の会」が圧勝した。

 その票の中には、橋下氏が大阪都構想を問うた5月の住民投票で敗北直後に引退を表明した政治姿勢への評価も含まれるはずだ。

 橋下氏が近く政界に復帰する意思があるなら、有権者に対して釈明する必要がある。引退表明が潔さの一時的な演出にとどまる結果となれば、誠実さを欠く。

 橋下氏は従来、中央集権制度の改革の必要性を主張し、憲法改定に積極姿勢を示してきた。

 菅氏は記者会見で橋下氏を「ありがたい存在」と表現した。与党が参院で、改憲の発議に必要な3分の2の議席を持たない現状から後押しを期待しているのだろう。

 社会の閉塞(へいそく)感や既得権益に対する不満を「改革」の看板で集約し、自らの支持につなげてきた橋下氏の手法を政権が取り込み、憲法改定に応用しようとするならば、議論のすり替えも懸念される。

 橋下氏に対する期待は、野党内にもくすぶっている。民主党の岡田克也代表は「あれだけ府民、市民の期待を集めたのは立派」と評価。維新の党の松野頼久代表は「別れても好きな人」と述べた。

 両党は先の政策合意で政府・与党と対峙(たいじ)する方針を確認したばかりだ。政権に近い立場の橋下氏に対して期待を表明するのが得策かあらためて考えるべきだ。

引用以上

 

この北海道新聞の社説は正鵠を得ているだろう、橋下の抜きがたい権力志向と場当たり的な発言や、誠実さと長期的展望を欠く政治姿勢は充分に批判するに値するものだからである。

今年は戦後70年の年であったが、中公文庫プレミアムの戦後70年の企画として復刊された以下の文庫は非常に面白く、また今の時代を知るために有益なものであった。

 

外交官の一生 石射猪太郎

 

上海時代(上)ジャーナリストの回想 松本重治

上海時代(下)ジャーナリストの回想 松本重治

 

沖縄決戦 高級参謀の手記 八原博通

 

最後の御前会議/戦後欧米見聞録 近衛文麿手記集成

 

それぞれ先の大戦に至る経緯や戦中の事実について当事者が語る真実には重みがあり、無謀な戦争に突入する流れの中で橋下流の根拠のない景気の良い改革(革新)主義とそれを真に受けた国民が戦争を支持したことから、我が国は多大な犠牲を払う事になったのである。

上記の「外交官の一生」の中で石射はこう述べる

「一時、国民外交が叫ばれた。国民の世論が支柱になり、推進力とならなければ、力強い外交は行われないというのだ。それは概念的に肯定される。が外務省から見れば、わが国民の世論ほど、危険なものはなかった。政党は外交問題を政争の具にした。言論の自由が、暴力で押し潰されるところに、正論は育成しない。国民大衆は、国際情勢に盲目であり、しかも思い上がっており、常に暴論に迎合する。正しい世論の湧きようはずがないのだ。」

この石射の言は現代にも通じることは言うまでもないだろう。司馬遼太郎の小説的なイメージで歴史を捉え「維新」「船中八策」などと言う言葉を使い、選挙の結果のみを国民の世論として、法的検討を怠り景気の良い暴論をツイッターで発信する橋下に迎合する者に国際関係など見えようはずがない。橋下が、在特会などと対立したのは近親憎悪的な感情であろう。

橋下を見ていると蓑田胸喜を想起する。蓑田については立花隆の「天皇と東大」をぜひ読んで頂きたい。

 

大日本帝国の生と死 天皇と東大(上)

大日本帝国の生と死 天皇と東大(下)

 国民が喜びそうな批判しにくい正論もどきの景気の良い言動は、まさに橋下と同様である。

明治維新はもちろん、薩摩・長州などを主とした新政府を構成した西国雄藩の功績も大であろうが、幕府内においても先見の明のある者たちが幕府政治を改革していったことや旧幕臣たちが、無用な争いを避け国益を図ったことも大きいのである。単なる「体制破壊」の「革命」とは異なるのが明治維新なのである。

知性が低下すると、石射のいうように「正しい世論のわきようなはずなどない」ことになる。タレント弁護士の、景気の良い暴言に踊られているようであれば、再びこの国は破滅に進むことは間違いないだろう。

今後は「私人」になるので橋下は「これまで橋下に対する批判的表現は公人に対する表現として最大限容認してきました。しかしこれから橋下は私人になりますし、当事務所の信用問題にかかわりますので、今後は橋下の社会的評価を低下させる表現に対しては厳しく法的対処をしていきます」と述べている。ならば、今後一切私人に徹して頂き、公の場での政治的な発言は行わないで欲しいものである。

司法試験漏えい問題 呆れた青柳被告の言い訳

時事通信は10日付で「青柳被告「娘に泣かれているよう、何とかしたかった」=司法試験問題漏えい・東京地裁」として以下の記事を配信した。

 

司法試験の出題内容を教え子に漏らしたとして、国家公務員法(守秘義務)違反罪に問われた明治大法科大学院元教授、青柳幸一被告(67)=懲戒免職=の初公判が10日、東京地裁(野沢晃一裁判官)であり、青柳被告は起訴内容を認めた。論告も行われ、検察側は懲役1年を求刑、弁護側は情状酌量を求めて即日結審した。判決は24日。

◇白髪やや多く

 午前10時、青柳被告は東京地裁の法廷に姿を見せた。黒系のスーツ上下に、ネクタイ姿。メガネを掛け、頭髪はパンフレットなどの写真と比べると白髪がやや多いようにも見えた。

  「間違いありません」。起訴状が読み上げられ、認否を問われると、被告は淡々とした口調で答えた。その後、検察側は冒頭陳述で、被告と教え子の女子学生は2013年ごろから交際していたと明らかにした。

  「(最初は)1コマだけ受講していた。よく知らなかった。何となくよく勉強しているイメージがあるだけだったが、3年生の前期に、自分のゼミに入ってきた。毎回、質問をしてくる、一生懸命な子だった。元気で明るい子という印象を受け、こんな子が自分の娘だったらいいなあと思った」

  被告は、検察側の質問でこう語った。弁護側、検察側、裁判官のいずれの被告人質問にも、被告はやや目線を下に向け、ぼそぼそとした口調で答えた。声が聞きとりづらい部分もあった。

  冒頭陳述によると、女子学生が14年3月に大学院の課程を修了した後も2人は関係を続けていた。

◇「確実に合格してほしかった」

  女子学生は14年の司法試験で不合格となった。

  「不合格となり、(女子学生は)その時には泣かなかった。来年まだ頑張ろう、という話をしたが、その後食事をしている時に泣かれてしまって、自分の娘みたいで、何とかしてやろうという気持ちになった」。被告は、検察側の質問でこう答えた。

  漏えいと交際は関係あるのか、との裁判官の質問には「(不合格になった)14年の前から交際していた。そこでは教えていない。なので、交際が原因でなく、私の主観的な気持ちだった。泣かれたときに気持ちが乱れた。自分の娘に泣かれているみたいで、何とかしたいと思った」

  起訴状によると、青柳被告は今年2~5月、自分の研究室などで数回にわたり、女性に司法試験の出題内容を漏らした。検察側の冒頭陳述で、被告は短答式については正誤を伝え、論文式では女子学生に答案を作成さえて添削したと指摘。入念な「指導」ぶりが明らかになった。

  「確実に合格してほしかった、中途半端だと難しいと思った」。青柳被告は裁判官の質問で話した。

 

◇考査委員「やめたかった」

  女子学生からの働き掛けはなかったか、との裁判官からの質問に、被告は「ありませんでした。自分から教えました。自分の娘のような気持ちが強かった」と答えた。

  被告は、裁判官から動機を問われ、「この子が自分の娘ならいいと思った」。さらに、娘として付き合っていたのかとの問いにも、「そうです」と短く答えた。

  検察側の、不正な方法で女性に問題を教えて、何かをしたかったのではないかとの問いには、「どうしたいということは何もなかった。ただ、その人の力を信じてあげなかったことが申し訳ない。何かを得たいということはない」と答えた。

  裁判官は、試験委員と受験生の交際は公正さを疑われる、考査委員を辞めようと思わなかったかと質問。被告は、「やめたいと思っていた。(自分の代わりに)この人いいなあと思った人に声を掛けたが、無理と言われた。繰り返してお願いしたけど、だめだった」と答えた。

  さらに、なぜ考査委員を辞めなかったのかとの問われると、長い沈黙の後、何かをつぶやいたが、聞き取れなかった。

 

引用以上

 

外の司法試験の考査委員は、自分の娘に頼まれても試験問題を漏洩しないはずである。大体、青柳被告が試験問題を漏洩した女性は決して青柳被告の「娘」のような関係では無かったことは間違いないだろう。

唯一青柳被告を評価できる点があるとすれば、女子学生から漏洩の持ちかけが無かったと言い切った事だけであろう。一応は「娘」を守ったという事である。

この記事のような青柳被告の言い訳を見ると、今回発覚した件以外にも「泣かれて」「かわいそうになった」青柳被告が「娘」だったらよかった、という人物が相当数いる気がしてならないのは筆者だけではないだろう。

司法試験の考査委員のあまりにも情けない行動により、司法試験の公正さが歪められたことを考えれば、青柳被告には実刑判決を与えるべきなのである。

しかし、弁護士も大学の先生も裁判官も裁判所書記官も検察官もみなさん欲望を自制できない人が増えましたね。こんなことでは、国民が司法制度をさらに信頼しなくなることは明白だろう。