刑事弁護のやっかいさ 犯罪者と向き合う常識人には大きな負担がある事を理解すべき

産経新聞WESTは18日「「歯を食いしばれ!」弁護士が冤罪に加担しないために…スペシャリストが説く〝いばらの道〟」として、以下のリンクの記事を掲載した。

 

【参考リンク】

「歯を食いしばれ!」弁護士が冤罪に加担しないために…スペシャリストが説く〝いばらの道〟

 

 この記事は神山啓史弁護士が、刑事司法改革を受けて、刑事弁護活動の中での弁護士の負担の増大や、弁護過誤などを防ぐためには「根性」が必要であり、「法曹資格を持ってしまったらしようがない。労力を負担したくないなら、そもそも資格を与えるべきではない。歯を食いしばれ、としか言えない」と述べている事が記載されている。

記事によれば、神山弁護士は私生活を犠牲にしてまで、弁護活動を行っているそうだが、誰にでもできるものでは無いだろう。はっきり言えば、そのような弁護活動を行っている事は、神山弁護士の「趣味」なのであろうと思われる。

最近の刑事弁護活動は、被疑者・被告人の「わがまま」に苦しめられている弁護士が多いと聞く。インターネットで得た、自分に都合の良い情報だけを頭に入れている被疑者・被告人や、事件の依頼者が弁護士に無理難題をいう事や、猜疑心の強い連中からの被害妄想的な内容の相談(これは特殊詐欺師に多い)から、「カネを払うから検事に話を付けるルートが無いのか」「警察の上層部に賄賂を贈り不起訴処分を受けたい」という事を言ってくる連中や、「被害弁償をしたいが、カネがないから貸してほしい、それが弁護人の仕事だろう」とか、「まだ捕まっていない共犯者を脅して、被害弁償金を確保してほしい」とか、「自分が服役中の犯罪収益をしっかりと確保しておいてほしい」などという事を平気で申し述べるそうである。保釈申請などでも、自分の意に沿う結果が出ないと「懲戒請求をする」とか「弁護過誤だ」などと騒ぐ被疑者・被告人も多いのである。

冤罪事件は、あってはならない事であり、防止に努める事は当然であろう。但し、刑事弁護の実務上の負担が増加する中で、弁護士に多くの役割を望むのであれば「根性」だけではどうにもならない事も現実なのである。

弁護士は「社会正義の実現」を使命とする役割であることは理解するが、一人の国民であり、一人の家庭人である。みな生活のために働いているのである。私生活まで犠牲にして弁護活動を行うのが弁護士のあるべき姿という考え方には筆者も反対であるし、多くの弁護士も、そのような考え方にはついていけない事は間違いないだろう。

最善の刑事弁護を行う事は、刑事弁護人の役割であることには間違いないが、「全人格労働」を行う必要性は無いはずである。

多くの刑事事件は、示談活動や情状面の立証が主であり、起訴事実を本当に争うような内容は少数である。よく特殊詐欺師が無罪の弁論を行うが、こいつらは自分自身のやった事を分かっていながら無罪主張をするのである。また、最近は違法な捜査による証拠収集・自白の強要をさせられたと述べる刑事被告人も多いが、その多くは適正な手続きである。警察官に怒鳴られたとか、検事に強く言われたという事を「脅迫」としてくれとか、「自供に任意性が無い」と主張してほしいと言ってくる連中が多いのである。

このような話を聞くとまさに「民免而無恥」としか言いようが無いなと筆者は考える。

司法制度改革はアメリカ型の訴訟社会を目指したのかもしれないが、幼少期より「法による支配」を家庭から実践されている社会と、我が国の社会は大きく異なる事ぐらい政治家のセンセイも、弁護士会の役員のセンセイも、大学のセンセイも理解していただろう。我が国の治安は「法の支配」と別のところで維持されていた事ぐらい分かるだろう。

そのような「法の支配」と別の所にあるものを排除し「カネ」だけを追い求める風潮を作った結果が今の社会なのである。

「法の支配」を厳正に行うのであれば、信賞必罰を徹底する必要がある。そのためには残虐な犯罪を行う連中や、特殊詐欺師に対しては基本的に「死刑」を与える事しかないのである。人権擁護と法の支配が両立しづらいことなど、偉いセンセイ方は百も承知ではないのであろうか?

話は逸れたが、刑事弁護という活動が一筋縄ではいかない事や、「無罪請負人」の言葉だけでは分からない事を理解して頂きたい。

舛添都知事を辞職に追い込んだ、「第三者の厳しい目」 都民の批判を増幅させた佐々木善三弁護士と森本哲也弁護士の功績

15日、舛添都知事は辞職の意思を示し同日の都議会で了承され、舛添都知事の辞職が決定した。この舛添都知事の辞職には「公私混同疑惑」を「厳しい第三者の目」で調査を行い「違法ではない」との主張を繰り返した、佐々木善三弁護士と森本哲也弁護士の不遜な態度の記者会見が大きな役割を果たしたことは確かであろう。

 

【参考記事】

舛添都知事の記者会見 依頼者の利益を守るのは弁護士の当然の職務です。だが倫理観とは無縁の「違法ではない」という主張

 

「ヤメ検」佐々木・森本弁護士の法的には正しいのだろうが「違法ではない」の連発と取材記者への態度が、都民の怒りをあおり「違法ではない」のであれば何をしても良いのかというのかという疑問に発展させ、舛添都知事が辞任せざるを得ない事態を作り出したのである。

こうなった経緯を考えると、佐々木・森本弁護士は都民の怒りを煽るためにあえて不遜な態度を取ったのかもしれないとも思えてくる。ヤメ検として、依頼者である舛添都知事を守るふりをしながら「セコイ事はやめろ」という都民の声に応えるために敢えて悪役を演じきった2名の「ヤメ検」大先生たちには心からの喝采を送りたい。本当に素晴らしいお仕事であったというほかはありません。

今後も2名の大先生方には、舛添都知事のような「公私混同」や政治資金規正法で処罰されないような倫理観に欠ける行為を行った政治家らの調査を行って、有権者の怒りを煽るような姿勢での記者会見などを繰り返し行っていただきたい。

今回はヤメ検大先生方の深謀遠慮に、心から感服いたしました。大先生方のおかげで舛添都知事の政治生命に終止符が打たれたのですから、並大抵の弁護士では出来ないお仕事です。皆様も、佐々木善三先生と森本哲也先生の素晴らしい知性と正義感をよ~く理解していただきたい。

弁護士の局部切断事件 被告に懲役6年を求刑 民法の再婚禁止期間も短縮され乱倫社会は益々進化するでしょう

産経ニュースは3日付で「元大学院生に懲役6年求刑 7月5日に判決」として以下の記事を配信した。

 

弁護士の男性(42)の下腹部を傷つけたとして、傷害と銃刀法違反の罪に問われた元慶応大法科大学院生、小番一騎被告(25)の公判が3日、東京地裁(家令和典裁判官)で開かれ、検察側が懲役6年を求刑して結審した。判決は7月5日。

 検察側は論告で、妻が雇い主である弁護士と肉体関係を持ったと打ち明けた話を被告が曲解して事件に及んだと指摘。「安易かつ短絡的で、極めて残忍。非常に悪質だ」と述べた。

 弁護側は最終弁論で「妻が傷つけられたと思った。許されるものではないが、経緯や動機には酌むべき事情がある」と執行猶予付きの判決を求めた。

 最終意見陳述で被告は「被害者に耐え難い苦痛を与えてしまい、深く後悔し反省している」と陳謝。「二度とこのようなことを起こさず、真面目に生きていきたい」と述べた。

 

引用以上

 

 局部を切断された弁護士は、既婚の事務員に手を出して、その夫に「宮刑」に処されたのである。その原因は、被告の妻の虚言にあるらしいが、被害者と呼ばれる弁護士の思い上がりと、器量の無さにあることは間違いないだろう。つまらない火遊びなどしないで、被告の妻にでも妾宅を買ってやるとか、自らの妻を説得して「妻妾同衾」の生活をして妻と同じように扱うなどしていれば、被告の妻は被告から自然に離れていたのではないだろうか?大した覚悟もない、火遊びは何も生まないことぐらい職業柄被害者の弁護士さんは分かっているにも関わらず、欲望を自制できず、浮気相手のコントロールもできなかったのである。簡単に言えば「器量」がないということだ。

イケメン自慢の自ら有能であることを自負していた弁護士は、乱暴者の「私刑」により男性機能を奪われたのだが、同情する者は限りなく少ないだろう。自らの「器量」を見せたいのであれば、裁判所に被告への減刑の上申書でも提出すべきであろう。

 

また、女性の再婚禁止期間を短縮する民法が改正された。読売新聞は1日付で「女性の再婚禁止、100日に短縮…改正民法成立」として以下の記事を配信した。

 

女性の再婚禁止期間を6か月から100日に短縮する改正民法は1日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。

 

  100日を超える再婚禁止期間は憲法違反とする昨年12月の最高裁判決を受けた措置で、再婚禁止の期間が見直されるのは118年前となる1898年(明治31年)の民法施行以来、初めて。

 

  再婚禁止期間に関する民法733条1項の規定は、離婚した女性が産む子どもの父親が誰かという争いを防ぐために設けられた。

 

  しかし、最高裁は昨年12月、再婚までの期間が100日あれば、〈1〉離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子〈2〉婚姻後200日後の子は再婚相手の子――という「嫡出推定」が重ならないと指摘し、100日を超える再婚禁止期間は「過剰な制約」だと判断した。

 

引用以上

 

 この父親を特定するための法律が、科学の進化によって改正されると考えるべきなのだろうが、一般の人たちにはあまり関係のない話であろう。この法律の適用に頭を悩ませるものは極めて少数だからである。

この法改正は乱倫社会の発達と、子供の父親の特定がDNA鑑定などで分かりやすくなったことから、最高裁の違憲判決を受けての改正である。

婚姻の自由も、離婚の自由も結構だが、欲望を自制できず動物と大して変わらない人間たちが増加することは社会秩序の維持にはマイナス要因でしかないだろう。欲望を自制できない人間を益する法律を制定しても、出生率は上がらないことは確かである。この手の人間は自分の事しか考えておらず、自らの欲望のためには子供が邪魔になることが多いので、「中絶」をすることにためらいの無い者も多いからである。

「連れ子」の虐待などの痛ましい事件も、この手の欲望を自制できない人間たちが引き起こすことが多いのも事実である。

自由は大いに結構、しかし自分を律することをできない事と「自由」は異なる事を理解させる教育が必要ですね。

法科大学院 適性試験廃止へ

読売新聞は8日付で「法科大学院「適性」廃止へ…受験者減少で容認」として以下の記事を配信した。

 

法科大学院の志願者減少に歯止めをかけるため、文部科学省の中央教育審議会・作業部会は、受験者の第一関門になっている共通テスト「適性試験」を各校が任意で利用する方式に転換する方針を固めた。

  11日の中教審・特別委員会に報告書を提出し、2018年度の実施を目指す。これにより、適性試験は廃止に向かう見通しで、法曹としての資質を入り口でチェックしてきた法科大学院は当初の制度設計から一層乖離(かいり)が進むことになる。

  適性試験は法律家に必要な思考力や表現力を問う内容で、各法科大学院が個別入試の際、成績提出を義務付けている。毎年5~6月に2回実施されており、今年度は全国14地区で行う。

  法科大学院の受験者は、一斉開学した2004年度の約4万人から15年度は約9300人に激減。当初の74校のうち31校が廃止を決めた。文科省が昨年10月、学生募集を継続していた45校を対象に調査したところ、41校が「適性試験が志願者確保の障害」と回答。「実施場所や回数が限られており、受験しにくい」などを理由に挙げた。合否への影響が3割未満という大学院も半数以上に上った。

 

引用以上

 

 法曹資格への志望者が激減したことは、司法制度改革の成果である。弁護士を必要以上に増員し、その質を低下させただけではなく、過当競争を生み弁護士の収入を低下させ、弁護士の「徒弟制度」を崩壊させ「即独」という利用者にはありがたくない弁護士が増え「法テラス」という弁護士の労力にそぐわない費用で、無理筋の事件を受ける機関も創出し、法的問題の潜在需要の掘り起こしを行った結果が、裁判件数の低下である。

そんな中で、法曹志望者が減っている事から適性試験を廃止するそうだ。法曹資格に魅力があれば、どんなに面倒な検査や試験があっても人は必ず集まるものである。適性試験を廃止したからといって、果たして法曹志望者が増えることなどあるのであろうか?

法律家に思考力や表現力が必要な事は当然であり、適性試験を廃止する事が果たして適切なのであるか、文科省はしっかりと再検討すべきであろう。

日弁連新聞2016年1月号「最終コーナーを迎えて 村越執行部ラストスパート」という記事について

日弁連発行の、会員向けの新聞である「日弁連新聞」に表題の記事が掲載されているが余りにもひどい内容なので、ぜひ皆様に確認いただきたい。

日弁連新聞201601

 

村越弁護士は立派で有能な弁護士である事に疑いはないが、弁護士自治の信託者である国民への配慮に欠けているとしか思えない。以下に呆れた面を列記していく。

 

1 会務にあたり大切にしてきたことは

この中の二つ目に「社会の支持」を大切にしてきたとおっしゃるが、弁護士の着服が20億円を超えている現在の状況の中で社会の支持を得るためには、預り金制度を廃止しカルパ制度に移管する事や、弁護士への懲戒請求の手続きを第三者機関に移行する事ではないだろうか。

2 もっとも力を入れてきた課題は

司法試験合格者を毎年1500人に抑制することを述べているが、それよりも不祥事対策が優先されるべきであろう。確かに司法制度改革による弁護士増員政策が失敗である事は確かであるが、国民に直接被害を与える欠陥弁護士・犯罪弁護士への対策が優先されるべきである。

3 身近で使いやすい司法の実現

司法が身近でない事が、一般国民の理想であります。法的トラブルなど無いほうが良いに決まっています。アメリカ型の訴訟社会を目指しているのでしょうか。身近な司法より、トラブル防止の教育に力を入れるべきでしょう。(そうすると事件が減るからやらないでしょうね)

4 司法基盤の整備

裁判所支部の充実について述べているが、具体的内容が分からないので支部のどの部分を充実させるのかわからない。

5 司法アクセスの改善に向けた取り組み

何度も述べるように、一般国民にとっては法的トラブルなど無い事が理想である。莫大な予算をつぎ込み公設事務所を開設し、破産の決定書の偽造が行われているのだから笑うしかない。

6 法律や制度の改革・整備

ここで述べられている、法律扶助の拡充というのは弁護士のためではないかと思われる。カネの無い人でも費用を出すところがあるから弁護士事務所にいらっしゃいという事だろう。

7 広報活動

美人女優に予算を使うよりも、不祥事対策を国民に周知するために予算を使ってください。

8 弁護士の活動の拡大

弁護士の活動の拡大は、弁護士の生活のために行っているのではないでしょうか。法曹有資格者を自治体で雇ってもらう事が国民の利益になるのか検証がひつようでしょう。

9 国際的な分野

日弁連と弁護士の国際化を進ませると言っても、それが国民の利益になるのであろうか。その分野に特化した弁護士に任せたほうが良いだろう、得意でない弁護士を国際化する必要はないはずだ。

10 安保法案反対について

政治的な意見をいう事が弁護士自治の役割とは思えない。一方的な価値観を押し付けようとすることは思想信条の自由を侵すものではないのであろうか。

11 若手の意見

弁護士自治に若手もベテランもないでしょう。同じ会員であり、意見は平等に尊重されるべきであろう。

12 力をいれたこと

会員と単位会への支援の強化と言っていますが、研修無料化など弁護士自治の観点からすれば当然でしょう。また弁護士へのメンタルへルスカウンセリングと言いますが、問題弁護士はそんなところに相談せずにカネが出そうなところに相談しますよ(ヤクザとかね)。弁護士への緊急融資制度でも作ったほうが会員も国民も喜ぶはずです。

 

あとは思い出とか、会員へのメッセージなのでどうでもよいので論評しない。

どうでしょう「弁護士の弁護士による弁護士の為の弁護士自治」の実態が良く分かる内容ですよね。村越会長様、ラストスパートとして国民の為の弁護士自治のあり方を再検討してください。20億円もの国民の財産が、社会正義の実現を使命とする弁護士により、かっぱらいされている現状を再度認識してください。(次期会長候補の高山弁護士は弁護士不祥事報道がフレームアップではないかと述べていますが、現会長の見解も知りたいものです)

私としては、弁護士の指導監督・管理は法務省が行い、日弁連は社団法人でいいような気がするのですが、会長様のご意見を拝聴したく存じます。

橋下徹の政界引退を2万パーセント歓迎します

22日の北海道新聞の社説は「橋下氏の「引退」 政界との距離に違和感」として以下の内容を掲載した。

 

「政界引退」という言葉の重みをどう捉えているのだろうか。

 大阪市長を退任した橋下徹氏が引退会見の翌日に安倍晋三首相と会談し、憲法改定について議論を交わした。菅義偉官房長官も同席し、3時間半に及んだという。

 首相としては、国政政党「おおさか維新の会」に加え、一部野党にも影響力を持つ橋下氏との協力関係を確認する狙いなのだろう。

 橋下氏は会見で「私人になる」と述べたが、おおさか維新の法律顧問に就く。引退を明言しながら政界への影響力維持を狙うかのような言動には違和感が拭えない。

 橋下氏の人気はなお根強い。安倍政権がその発信力を取り込み、改憲論議を安易に加速させる意図があるならば看過できない。

 橋下氏は会見で「持てる力はすべて出し切った」と述べる一方、今後の去就については「自由にさせてもらう」と明言を避けた。

 これまでも「2万パーセントない」はずの府知事選に出馬するなど、たびたび前言を翻してきた。与野党問わず、いずれ政界復帰するとの観測が広がるのも当然だ。

 先の大阪府知事、大阪市長ダブル選挙では、橋下氏率いる地域政党「大阪維新の会」が圧勝した。

 その票の中には、橋下氏が大阪都構想を問うた5月の住民投票で敗北直後に引退を表明した政治姿勢への評価も含まれるはずだ。

 橋下氏が近く政界に復帰する意思があるなら、有権者に対して釈明する必要がある。引退表明が潔さの一時的な演出にとどまる結果となれば、誠実さを欠く。

 橋下氏は従来、中央集権制度の改革の必要性を主張し、憲法改定に積極姿勢を示してきた。

 菅氏は記者会見で橋下氏を「ありがたい存在」と表現した。与党が参院で、改憲の発議に必要な3分の2の議席を持たない現状から後押しを期待しているのだろう。

 社会の閉塞(へいそく)感や既得権益に対する不満を「改革」の看板で集約し、自らの支持につなげてきた橋下氏の手法を政権が取り込み、憲法改定に応用しようとするならば、議論のすり替えも懸念される。

 橋下氏に対する期待は、野党内にもくすぶっている。民主党の岡田克也代表は「あれだけ府民、市民の期待を集めたのは立派」と評価。維新の党の松野頼久代表は「別れても好きな人」と述べた。

 両党は先の政策合意で政府・与党と対峙(たいじ)する方針を確認したばかりだ。政権に近い立場の橋下氏に対して期待を表明するのが得策かあらためて考えるべきだ。

引用以上

 

この北海道新聞の社説は正鵠を得ているだろう、橋下の抜きがたい権力志向と場当たり的な発言や、誠実さと長期的展望を欠く政治姿勢は充分に批判するに値するものだからである。

今年は戦後70年の年であったが、中公文庫プレミアムの戦後70年の企画として復刊された以下の文庫は非常に面白く、また今の時代を知るために有益なものであった。

 

外交官の一生 石射猪太郎

 

上海時代(上)ジャーナリストの回想 松本重治

上海時代(下)ジャーナリストの回想 松本重治

 

沖縄決戦 高級参謀の手記 八原博通

 

最後の御前会議/戦後欧米見聞録 近衛文麿手記集成

 

それぞれ先の大戦に至る経緯や戦中の事実について当事者が語る真実には重みがあり、無謀な戦争に突入する流れの中で橋下流の根拠のない景気の良い改革(革新)主義とそれを真に受けた国民が戦争を支持したことから、我が国は多大な犠牲を払う事になったのである。

上記の「外交官の一生」の中で石射はこう述べる

「一時、国民外交が叫ばれた。国民の世論が支柱になり、推進力とならなければ、力強い外交は行われないというのだ。それは概念的に肯定される。が外務省から見れば、わが国民の世論ほど、危険なものはなかった。政党は外交問題を政争の具にした。言論の自由が、暴力で押し潰されるところに、正論は育成しない。国民大衆は、国際情勢に盲目であり、しかも思い上がっており、常に暴論に迎合する。正しい世論の湧きようはずがないのだ。」

この石射の言は現代にも通じることは言うまでもないだろう。司馬遼太郎の小説的なイメージで歴史を捉え「維新」「船中八策」などと言う言葉を使い、選挙の結果のみを国民の世論として、法的検討を怠り景気の良い暴論をツイッターで発信する橋下に迎合する者に国際関係など見えようはずがない。橋下が、在特会などと対立したのは近親憎悪的な感情であろう。

橋下を見ていると蓑田胸喜を想起する。蓑田については立花隆の「天皇と東大」をぜひ読んで頂きたい。

 

大日本帝国の生と死 天皇と東大(上)

大日本帝国の生と死 天皇と東大(下)

 国民が喜びそうな批判しにくい正論もどきの景気の良い言動は、まさに橋下と同様である。

明治維新はもちろん、薩摩・長州などを主とした新政府を構成した西国雄藩の功績も大であろうが、幕府内においても先見の明のある者たちが幕府政治を改革していったことや旧幕臣たちが、無用な争いを避け国益を図ったことも大きいのである。単なる「体制破壊」の「革命」とは異なるのが明治維新なのである。

知性が低下すると、石射のいうように「正しい世論のわきようなはずなどない」ことになる。タレント弁護士の、景気の良い暴言に踊られているようであれば、再びこの国は破滅に進むことは間違いないだろう。

今後は「私人」になるので橋下は「これまで橋下に対する批判的表現は公人に対する表現として最大限容認してきました。しかしこれから橋下は私人になりますし、当事務所の信用問題にかかわりますので、今後は橋下の社会的評価を低下させる表現に対しては厳しく法的対処をしていきます」と述べている。ならば、今後一切私人に徹して頂き、公の場での政治的な発言は行わないで欲しいものである。

司法試験漏えい問題 呆れた青柳被告の言い訳

時事通信は10日付で「青柳被告「娘に泣かれているよう、何とかしたかった」=司法試験問題漏えい・東京地裁」として以下の記事を配信した。

 

司法試験の出題内容を教え子に漏らしたとして、国家公務員法(守秘義務)違反罪に問われた明治大法科大学院元教授、青柳幸一被告(67)=懲戒免職=の初公判が10日、東京地裁(野沢晃一裁判官)であり、青柳被告は起訴内容を認めた。論告も行われ、検察側は懲役1年を求刑、弁護側は情状酌量を求めて即日結審した。判決は24日。

◇白髪やや多く

 午前10時、青柳被告は東京地裁の法廷に姿を見せた。黒系のスーツ上下に、ネクタイ姿。メガネを掛け、頭髪はパンフレットなどの写真と比べると白髪がやや多いようにも見えた。

  「間違いありません」。起訴状が読み上げられ、認否を問われると、被告は淡々とした口調で答えた。その後、検察側は冒頭陳述で、被告と教え子の女子学生は2013年ごろから交際していたと明らかにした。

  「(最初は)1コマだけ受講していた。よく知らなかった。何となくよく勉強しているイメージがあるだけだったが、3年生の前期に、自分のゼミに入ってきた。毎回、質問をしてくる、一生懸命な子だった。元気で明るい子という印象を受け、こんな子が自分の娘だったらいいなあと思った」

  被告は、検察側の質問でこう語った。弁護側、検察側、裁判官のいずれの被告人質問にも、被告はやや目線を下に向け、ぼそぼそとした口調で答えた。声が聞きとりづらい部分もあった。

  冒頭陳述によると、女子学生が14年3月に大学院の課程を修了した後も2人は関係を続けていた。

◇「確実に合格してほしかった」

  女子学生は14年の司法試験で不合格となった。

  「不合格となり、(女子学生は)その時には泣かなかった。来年まだ頑張ろう、という話をしたが、その後食事をしている時に泣かれてしまって、自分の娘みたいで、何とかしてやろうという気持ちになった」。被告は、検察側の質問でこう答えた。

  漏えいと交際は関係あるのか、との裁判官の質問には「(不合格になった)14年の前から交際していた。そこでは教えていない。なので、交際が原因でなく、私の主観的な気持ちだった。泣かれたときに気持ちが乱れた。自分の娘に泣かれているみたいで、何とかしたいと思った」

  起訴状によると、青柳被告は今年2~5月、自分の研究室などで数回にわたり、女性に司法試験の出題内容を漏らした。検察側の冒頭陳述で、被告は短答式については正誤を伝え、論文式では女子学生に答案を作成さえて添削したと指摘。入念な「指導」ぶりが明らかになった。

  「確実に合格してほしかった、中途半端だと難しいと思った」。青柳被告は裁判官の質問で話した。

 

◇考査委員「やめたかった」

  女子学生からの働き掛けはなかったか、との裁判官からの質問に、被告は「ありませんでした。自分から教えました。自分の娘のような気持ちが強かった」と答えた。

  被告は、裁判官から動機を問われ、「この子が自分の娘ならいいと思った」。さらに、娘として付き合っていたのかとの問いにも、「そうです」と短く答えた。

  検察側の、不正な方法で女性に問題を教えて、何かをしたかったのではないかとの問いには、「どうしたいということは何もなかった。ただ、その人の力を信じてあげなかったことが申し訳ない。何かを得たいということはない」と答えた。

  裁判官は、試験委員と受験生の交際は公正さを疑われる、考査委員を辞めようと思わなかったかと質問。被告は、「やめたいと思っていた。(自分の代わりに)この人いいなあと思った人に声を掛けたが、無理と言われた。繰り返してお願いしたけど、だめだった」と答えた。

  さらに、なぜ考査委員を辞めなかったのかとの問われると、長い沈黙の後、何かをつぶやいたが、聞き取れなかった。

 

引用以上

 

外の司法試験の考査委員は、自分の娘に頼まれても試験問題を漏洩しないはずである。大体、青柳被告が試験問題を漏洩した女性は決して青柳被告の「娘」のような関係では無かったことは間違いないだろう。

唯一青柳被告を評価できる点があるとすれば、女子学生から漏洩の持ちかけが無かったと言い切った事だけであろう。一応は「娘」を守ったという事である。

この記事のような青柳被告の言い訳を見ると、今回発覚した件以外にも「泣かれて」「かわいそうになった」青柳被告が「娘」だったらよかった、という人物が相当数いる気がしてならないのは筆者だけではないだろう。

司法試験の考査委員のあまりにも情けない行動により、司法試験の公正さが歪められたことを考えれば、青柳被告には実刑判決を与えるべきなのである。

しかし、弁護士も大学の先生も裁判官も裁判所書記官も検察官もみなさん欲望を自制できない人が増えましたね。こんなことでは、国民が司法制度をさらに信頼しなくなることは明白だろう。