霊感商法の問題については戦後史をおさらいすることをお勧めします 岸信介という政治家を知ることは我が国の政治の問題点が良く理解できるはずです

安倍元首相の銃撃事件について、旧統一教会の霊感商法に改めて注目され、今現在も同様の霊感商法が行われている事を長年霊感商法問題に取り組んできた紀藤正樹弁護士は今回の銃撃事件の「遠因」である旨も述べている。

【参考リンク】

続く霊感商法、紀藤弁護士「銃撃事件の遠因を作り出した」 読売新聞

 山上容疑者は、統一教会との関係は岸信介からあり、そんな事からも安倍元首相を恨んでいた旨の供述をしているとの報道もあり、今回の件は宗教と政治の問題や、戦後史を確認するいい機会であろうと思う。

 岸信介に限らず、同世代の政治家たちは結構自伝(ゴーストライターが書いてる場合が多い)を残しているので、そんな書籍を読むと戦後の政治状況や、戦後初の選挙による社会党政権から、吉田支配を経ての、いわゆる「吉田学校」の面子たちの動向などが良く理解できるわけだ。

岸信介の回想 (文春学藝ライブラリー)

誠心誠意、嘘をつく 自民党を生んだ男・三木武吉

大野伴睦回想録

河野一郎自伝

 このほか、吉田学校や60年安保の関連及び、児玉誉志夫関連の書籍などを読むといいだろう(東京アンダーワールドもお勧めです)。保守合同がなされた55年体制は、野党側の離合集散があったにしても続いていると看做すこともできるわけであり、この保守合同の立役者である三木武吉・大野伴睦については、もっと良く知られるべきだろう。何よりこの2人の生粋の党人たちの生きざまは面白く、懲役上等で戦前の院外団で暴れていた大野伴睦の自伝はナベツネが一部を書いたようだが、解説の御厨貴の述べるとおり、まさに「抱腹絶倒」の面白さだ。この生粋の党人である大野に政権禅譲の密約まで交わして内閣への協力を依頼したにも関わらず、この密約を反故にしたのは岸であり、安保闘争の際にも暴力団に協力を呼びかけデモ潰しを依頼し、デモにおびえ自衛隊の治安出動を打診したのも岸なのである。

 安倍晋三は、この件について文芸春秋でヴェーバーの「職業としての政治」にある「心情倫理」と「責任倫理」をあげて、この2つの倫理のギリギリの葛藤の産物が、密約の返上であるかのような主張をしているが、約束を破るというか全く信義に欠ける行動をしても、大局のためなら構わないという極めて傲慢な姿勢にしか見えないのである。

【参考リンク】

「現憲法は独立を回復するまでの憲法」安倍晋三が祖父・岸信介という“政治家”を語る

 話は逸れたが、青年日本の歌ではないが、「治乱興亡夢に似て世は一局の碁なりけり」という感慨を、上記のどの書籍を読んでも強く感じることと、このあたりの政治家は良くも悪くも岸以外は「侠」であり、清濁併せ吞む度量と、戦乱の中で生死をかいくぐってきた度胸があることが特徴であろう。河野一郎の日ソ交渉(漁業交渉も共同宣言に関する交渉も)などは、お孫さんの太郎君には到底無理な無茶苦茶な交渉であり、外交の不可思議さ面白さを感じるだろう。三木武吉の「妾問答」「借金問答」も出色の面白さであり、パパ活自慰の吉川君などには到底できない回答であろう。時代が移ろいゆくのは当然であるが、「政治に血と涙が通っている事」が大切であると説いた、大野伴睦の言葉は多くの政治家によく考えて欲しいと思う。 宗教と政治の問題や、過去の我が国における権力者がどのような行動をしたのかを多くの人は知るべきであり、宗教と政治とカネと票の問題についても、よくよく考えるべきであろうと思う。温故知新という言葉は忘れてはならないのである。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中