そらぞらしい朝日新聞の社説 司法制度改革が本当に国民の利益になっているのかを再検証すべきでしょう 弁護士が増えたって弁護士に委任する人が増えるわけじゃないんですよ!

14日付の朝日新聞の社説は「(社説)司法改革20年 未完の歩み つなぐ使命」という内容であり大変そらぞらしい印象を受けた。

【参考リンク】

 朝日新聞 社説6月14日

 上記社説では20年前に公表された司法制度改革審議会の意見書に沿って「改革」は断行され、法テラスの設立や弁護士の増員や裁判員裁判などが実現されたことなどから司法の使い勝手が良くなったというオハナシのうえで、司法制度改革審議会の意見書は「法の支配」が隅々にまでゆきわたり、「個人の尊重と国民主権が真の意味において実現される」社会の実現にあったのだと、高尚な理念があったんだよなどと解説する。

 しかしながらこの理念は決して現在も実現されておらず、現在も「人治」がはびこる事や法科大学院の問題や、裁判員の辞退が相次いでいることなどを指摘したうえで、試験対策に偏らず、日々の学びを通じてたくましい法曹を育てるという設立の意義に立ち返り、優秀な人材を司法界に送り出してもらいたいというような結論なのである。

 この社説では本当に司法の使い勝手が良くなったかなどの検証はなされていない事や、弁護士の激増の副作用などついても検証がなされていないものであり、社説を書いた爺さんの「所感」みたいなものでしかない内容だ。天下の朝日新聞の社説なんだから、しっかりと紙面で司法制度改革の成果や問題点を検証し論じたうえで社説を書いて欲しかったと筆者は考える。

 上記社説では、司法の使い勝手が良くなったとか地方の弁護士過疎が幾らかは解消されたような事を述べているが、本当にそう考えている国民はいるのだろうか?一般人が何かのトラブルのたびに「弁護士に委任しよう」と考えるような社会を司法制度改革はめざし、そんな社会になれば弁護士の需要も増加するから増員を行って司法アクセスが容易になるようにと考えたのであろうが、弁護士の収入は低下し、通常であれば弁護士が介入しないような案件を受任したり、相当な「筋悪」の案件も積極的に受任する弁護士が増加した事も事実である。

 また弁護士の増加により「カネに追われた」弁護士らの不祥事も増加し、食えない弁護士や意欲の無い弁護士が非弁屋に取り込まれることも多くなり、組織的で大掛かりな非弁事件も増加しているのも真実なのであり、それはHIROKEN非弁事件や、東京ミネルヴァ法律事務所の破産問題はその証左であろう。

 弁護士も商売である以上「理念」や「正義」だけでは喰えないわけであり、弁護士増員後の弁護士の食い扶持について真剣な検証がなされないままに「司法制度改革」が実行されていった結果の帰結が不祥事の増加となって表れているのではないだろうかと思われる。いくら日弁連・各単位弁護士会が「弁護士の敷居は低いですよ」とアピールしても、敷居の問題だけを述べても実際に弁護士に委任するについてかかる費用などについて説明し、その費用対効果などについて説明をしなければ何の意味も無いわけである。

 新司法試験制度には日々の学びを通じてたくましい法曹を育てるという意義があったそうだが、「たくましい法曹」とはどんなイメージであるのか全く理解できない。試験だけ優秀なお利口さんでは法曹は務まらないと考えているのであれば、各地の更生施設において半年ぐらい働かせるとか、法テラスの電話番でもさせたほうが有益だと思われるが、そんな事など絶対に行わない事は筆者も理解はしている。

 司法制度改革が本当に「個人の尊重と国民主権が真の意味において実現される」事を目標にしていたのであれば、まずは教育の充実を行うべきであったと思われる。簡単な公民教育などではなく、「人権」という概念や歴史についての学びと、法の後ろ盾には「聖性」が存在し、かつて我が国も裁判所は天皇の法廷であったことなども教えるべきであろう。

 そして、法律万能社会は「民免而無恥」という社会を招来する可能性があることから、発生した問題については法律だけで解決することが最善とは限らない事を教育するべきであろうと考える。

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