東京オリンピックは競技者と国民の対立を確実に醸成します 死ぬほど残業しているからと言って中止できないという思考回路は、先の大戦の際の「英霊に申し訳が立たない」という理由で戦線の縮小・撤兵に反対した論理そのままですね 

 緊急事態宣言が延長される中、東京オリンピックの中止を多くの国民が望んでいる中でも菅首相は我が国の宰相としての決断を行わず、五輪貴族たちの利権を図るために東京オリンピックの開催にこだわり続けている。小池都知事にしても同様であり、国民には「移動の自粛」を要請し、飲食店などには時短や酒類提供を自粛させているにもかかわらず、オリンピックの選手村では酒は自由に飲めるようだし、コンドームも大量に配布されることには変わりがないらしい。オルギアこそが平和の祭典であると断言するのであれば、そうかと思う人もいるかもしれないが(いないか?)、オリンピックという興行に関わる人だけ特別扱いされるような状況は、国民と競技者の間の対立を醸成するだけではないかと思われる。

 政府もIOCもJOCもオリンピックが開催されれば「コロナ禍の中での選手の活躍に勇気をもらった」との報道をマスコミが粗製濫造することから、オリンピック開催についての世論が急転換すると思っているようだが、確かにそういう面はあるかもしれないが、今回のオリンピック開催に対する国民の拒否反応には、オリンピックという巨大な興行で莫大な利益を得る広告代理店などへの不満もあり、広告代理店が世論誘導するような提灯記事をたくさん出せば出すほど、国民はオリンピックに関心も持たなくなることもあると思われる事も政府や東京都に大手広告代理店様方は理解しておくべきだろう。

 そんな中でオリンピックの組織委員会での業務に携わった弁護士が、組織委員会における過酷な残業についての実態を告発し、「準備は最終段階にきているから、これを無駄にするのは辛すぎる」というツイートを行い、国民の健康よりも自分たちの組織の努力を無駄にしたくないという趣旨の発言をしたことが話題になっているそうだ。

【参考リンク】

「五輪組織委」で「サービス残業」が横行? 弁護士の“内部告発”ツイートが大炎上

 こんな情報発信を行ったのは弁護士先生だそうで、労働問題に対しての理解が全くないような内容もそうだが、「ここまで準備したのだから」という事だけで、オリンピックの開催を強行することを望むような発言内容では、弁護士としての適切な判断が出来ていないと誰もが思ってしまうだろう。

 開催が出来る状態まで準備ができても、参加者・国民への健康などへのリスクが高いと判断した際には、迷わず「中止」という判断をできることが弁護士にとって必要な事ではないだろうか?一般企業の相談者が「イベントを開催したいが、現在の緊急事態宣言下では、クラスター発生の危険もあり、中止すべきか考えている。このイベントは世界各国からの参加者が予定されており、ワクチンの接種は要請しているが、変異種が発生している事もあり防疫体制は万全とはいえず、どうすればいいか悩んでいる?ここまで自分たちは用意を進めてしまったので中止するには惜しいと思っているのですが?」と相談をしてきたら「そこまで準備をしたのだから、開催しなさい」と回答するのであろうか?

 理性的な判断を求められるべき弁護士までもが、「ここまで準備したのだから」「みんなブラック労働も厭わず働いているから」という感情・情緒によりパンデミック下にオリンピック開催を呼びかけることに批判が起きることは仕方のない事だろう。

 この物議を醸した弁護士の発言を見たときに、先の大戦の際のアメリカとの開戦のまえの和平交渉や、戦線の縮小を検討した際に軍部が「英霊に申し訳が立たない」として撤兵や戦線の縮小について頑強に拒絶を行った事を想起してしまう。科学的な知見を無視して精神論を振りかざし、無謀な作戦を強行し国民に塗炭の苦しみを結果的に与えた事を、JOCや組織委員会は想起するべきであろう。この人たちは歴史に学ぶことをしないのだろうか?

一時的に「感動をありがとう」という世論が湧いてきたとしても、結果新たな変異種が流入したり、発生したりすることも考えられることや、クラスターの発生や、誰の都合か知らないが酷暑下に行われるオリンピックにより、競技者や運営に参画する人やボランティアスタッフなどにも健康被害が発生することが予測される中でのオリンピック開催はまさに狂気の沙汰でしかないと筆者は考える。競技者と国民が対立することも望ましい事ではないし、競技者も軍隊ではないのであるから「上がやれといえば、やります」という態度ではなく「私はコロナ感染が心配だから出場しません」とか「国民的な批判が高まっており私は出場したくありません」という意見から、「自分はどうしてもオリンピックを開催して欲しい」とか「無観客でよいし、東京でなくとも比較的安全な国や地域で競技を開催して欲しい」とかの自由な意見を出してもらいたいと思う。完璧な防疫体制などできるはずもない中で酒も自由で大量にコンドームが配られる選手村に放り込まれる選手らが一番本当はオリンピック開催についての懸念を抱いているような気がするからだ。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中