養育費保証サービスを謳う、株式会社小さな一歩は4月7日付で「これまでの経緯のご説明」として以下のリンクの記事を公表した。
【参考リンク】
このような経緯の説明を行ったことは内容はともあれ評価すべきであると思われると言いたいところであるが、週刊新潮の4月15日号において『「ZOZO前澤」が早くも手を引いた「養育費取り立て」ビジネス』という記事を掲載した事により、上記の経緯の説明を行った可能性もあるので、なんとも言えないというのが筆者の正直な感想である。
この「経緯の説明」は概ね正直な内容であると思われ、民事執行法などの改正を受けて養育費保証(回収)ビジネスが銭になると思ったところ、会社としての体制が整わないうちに申し込みが殺到し処理が滞ったこと、養育費の支払い義務者からの回収が想定を大幅に下回ったという事は、事実であろうと思われる。
要するにビジネスにならない分野がビジネスになると考えて、前澤氏は小さな一歩を立ち上げたが、思うようにはならず、当初このスキームを前澤氏に提案した伊澤文平弁護士(東京)は、小さな一歩から退き、前澤氏も取締役から退いたという事だろう。
結局のところは、小さな一歩への申込者らが割を食ったわけであり、満足なサービスを多くの人が受けられずに、期待した「保証」についても受けられていない人たちが多く、養育費についての債務名義などを持たない人たちには弁護士を周旋していたというように判断されても仕方のない内容のように思える。
何度も繰り返すが養育費は子供のために使われるべきであり「ピンハネ」目的のビジネスは「不徳」の極みでしかなく、結局のところ一人親にも養育費の支払い義務者にも利益にならないばかりであり、非弁護士が求償権に基づき養育費の支払い義務者に支払いを催告する事はトラブルの原因にしかならないと思われる。
小さな一歩のビジネススキームを考えたと思われる、同社の当初の代表であった伊澤文平弁護士(東京)は、上記のような小さな一歩のこれまでの経緯を確認して思うところはないのであろうか?自身が考え設立した養育費ビジネスについての見解を、しっかりと情報発信して、なぜこのビジネスが円滑に稼働しなかったのか、弁護士法などに抵触していないのかなど、是非とも詳しく説明して欲しい。
大本総合法律事務所の問題については、稿を改めて詳述する予定だ。