朝日新聞デジタルは3月31日付で「伊藤詩織さんをブログで侮辱か 男性弁護士を戒告処分」として以下の記事を配信した。
ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBS記者の山口敬之氏に損害賠償を求めた訴訟をめぐり、ブログで伊藤さんを侮辱したとして、山口氏の代理人だった北口雅章弁護士が、愛知県弁護士会から30日付で戒告の懲戒処分を受けたことがわかった。
伊藤さんは2015年に就職相談のため飲食をともにした山口氏から、望まない性行為をされ精神的苦痛を受けたと訴えていた。北口弁護士は18年10月、伊藤さんの訴えについて、自身のブログに「妄想」「虚構」「虚偽」などと記載したとされる。
北口弁護士は「真摯(しんし)に受け止めている」とした上で「内容については承服しかねる部分もある。慎重に検討の上、適切に対応したい」とコメントした。
山口氏は嫌疑不十分で不起訴処分になったが、損害賠償訴訟は東京地裁が19年12月、「合意がない性行為だった」と認定し、山口氏に330万円の賠償を命じた。山口氏は控訴し、東京高裁で係争中。
戒告は最も軽い懲戒処分で、県弁護士会は31日、弁護士名を伏せて概要を発表。「SNSで弁護士が発信する場合、特に慎重さが求められる。侮蔑的表現を用いたのは極めて遺憾」としている。
引用以上
この問題については、以前に北口弁護士が「懲戒相当」の議決を受けた際に筆者の考えを述べている。
【参考リンク】
北口雅章弁護士(愛知)に「懲戒審査相当」の議決 自分が担当している事件についての激しい思い込みをブログに書く愚かさに気付かないのですかね?それとも依頼者からの希望でもあったのですかね?
SNSやTwitterにブログと弁護士が集客や自説を述べるための情報発信手段は20年前からは考えられないぐらい簡単になったことから、安易に顧客の情報や自分の受け持っている事件の情報を発信する弁護士が増えたことは確かだ。その情報発信をこころよく思ない依頼者もいるだろうし、相手方を罵倒するような言動はトラブルの種になるだけであることぐらいは自覚して欲しいものである。
最近はクラウドファンディングによる、弁護士費用集めも行われているが、どう考えても「カネ集め」のための訴訟としか思えないものもあり、確たる証拠がなくとも記者会見を開いてマスコミを煽り、世論を形成しながら訴訟を一種の「コンテンツ」にしている連中もいるわけであり、弁護士による情報発信の内容も鵜吞みにもできないわけなのである。
この北口弁護士のように伊藤詩織氏を目の敵のように叩いている人達も多いが、何がそんなに伊藤氏への憎悪を駆り立てるのであろうか?筆者には全く理解できないが、何かの憂さ晴らしなのであろう。
弁護士の情報発信においては最近も「タヒね」と投稿した事による戒告処分や、福永活也弁護士のように、Twitterにおける弁護士の情報発信をセンシティブに捉えて、訴訟を連発している弁護士もいらっしゃる。
弁護士による情報発信は今後も議論百出であろうと思われるが、依頼者らの不利益になるような発信や、相手方(代理人を含む)を挑発するような情報発信はあってはならないと思われる。