ネタとしか思えない年収200万円台の弁護士の実態という記事 しかしながら、「食えない弁護士」を増加させたことにより非弁屋の弁護士探しは容易になったはずです

bizSPAフレッシュというサイトで「稼げない“年収200万円台”弁護士の実態。31歳で食器洗いのバイトに」という記事が紹介されている。

【参考リンク】

稼げない“年収200万円台”弁護士の実態。31歳で食器洗いのバイトに

 上記の記事内容の真実性が高いとは思えない。

事務所に出入りしていた飲食系コンサルティング会社の社長のサポートを得て、独立。

 だが、廻される案件は、個人間の暴力事件や風俗店のトラブル解決など、手間のわりに儲からないものばかりだった。

 この内容を真に受ければ、風俗や飲食店のコンサルを自称する半グレに飼われることで事務所を設立し、チンピラたちの暴力事件や風俗のトラブル解決などをさせられ大した銭も放ってくれないという事だろう。

 個人間の暴力事件といっても刑事事件への発展を防いだのあれば、それなりの金額を請求できるはずであり、風俗店のトラブル解決というのは、どんなトラブルにどのように弁護士が介入するのか理解できないが、「儲からないものばかり」という表現には大いに違和感がある。

「顧問先の飲食店の人材不足を補うために食器洗いのスタッフとして働くこともあります。洗い場に月に50時間入り、トラブった客を脅す内容証明を送ってもらえる金額は月3万円の顧問料だけ。どうにか月収20万円はキープしていますが生活はギリギリですね」

 この件もよく理解できないが、通常飲食店が客の属性や住所地などを聞くことも無いだろうし、飲食店が何のために内容証明を客に送るかと考えると、飲食代金の支払いの催告ぐらいしか考えられないし、顧問料は3万円であるとの記載だが、内容証明の作成代金もこの顧問料の中に含まれているという事なのであろうかは、この記事からは分からない。

 この記事の真実性はともかくとして、司法制度改革による弁護士大増員政策は「2割司法」を改善することも無く、新たな弁護士の需要を開拓することも無く「過払い金返還請求」という大きな銭が、先人たちの苦心と努力で目の前に存在したことから、「即独」であろうと、ボンクラであろうと、スキルを磨かなくとも生きていける状況にあり、何とか決定的な需要と供給の破綻の発覚を糊塗してきたわけである。

 その結果として弁護士を多く抱える新興事務所が設立されたが、顧客の開拓という面では大金をかけたTVCMやリスティング広告などで新たな手法が取られたが、本質的に弁護士業務自体を変革することなどできるわけもなく、自分たちに都合の良いメディアや集客ツールを開発しただけであろうと思われる。

 上記の参考記事は良い案件は著名な法律事務所や腕に自信のある有力弁護士に集中。勝ち組のレールに乗れず、営業力もない弁護士との収入格差は開くばかりだ。と結ばれているが、そもそも債務整理などは「クズ仕事」と思われていたわけであり、そんな「クズ仕事」を消費者被害救済のために宇都宮健児弁護士らの奮闘努力で、グレーゾーン金利の撤廃や過払い金についての判決などの取得により、「ドル箱」の仕事になったわけであり、どんな案件であるかも明示せずに「良い案件」が著名事務所に流れるという表現には同意できないのと、あまりにも短絡的な思考でしかないと呆れてしまう。

 弁護士は公務員ではないし、商売であることも事実であり営業力だけでなく依頼者・相手方とのコミュニケーション能力も必要であり、いかに法律知識に優れていても決して「優秀」とは言えないわけだ。

 弁護士とは人様の争いをメシの種にする因果な職業であるからこそ、結構なゼニを貰っていたはずであった訳であるが、今では「他より安くやる」事を売りにして集客を図るものもいる。それに「カネに追われた弁護士」らは、非弁屋や悪徳広告屋に簡単に取り込まれるわけであり、目の前のカネに簡単に転ぶものも多くなったことも事実だ。上記記事では若手弁護士のなかには弁護士の信用度と知識を活かして講演講師やYouTuberとなったり、弁護士資格の必要のないITや教材作成・販売、資産運用などの仕事をしたりして収入を得ている人もいるようですとの記載もあるが、弁護士自らが組織的な非弁提携に励んで、客集めを行うところも存在する。最近は過払い金ではなく「交通事故」については柔整師や整骨院などに「営業」を組織的に行う弁護士事務所も存在していることが確認されているし、「離婚」「不貞行為の慰謝料請求」においては、探偵業者との提携(費用や報酬を「バック」することを前提とする非弁提携)も増加している。

 今までは、「名義貸し」を行う弁護士は食えないロートルと相場が決まっていたが、ここ最近は若手が広告屋・非弁屋に取り込まれることが多い。HIROKEN非弁事件においても、東京ミネルヴァの破産問題にしても取り込まれた弁護士は若手ばかりである。そんな事実からも、「食えない」「稼げない」弁護士の増加は非弁屋・悪徳弁護士広告屋には喜ばしい事態のはずである。こんな状況になることを、司法制度改革に取り組んできた大先生や立派な学者の方に政治家の先生たちは思いもしなかっただろうが、困窮する弁護士が増加することは社会的もよろしく無いのではないだろうか?

 弁護士の大増員により、やたらに「競争」による効果を述べたり、質の悪い弁護士は淘汰されるといった主張も未だに存在する。実際にはグレシャムの法則のとおりであり、悪貨は良貨を駆逐することを理解するべきであろう。

 日弁連や各単位弁護士会は弁護士に対する緊急貸付制度や、経営支援制度を整えるべきではないだろうか?依頼者のカネに手を付けないようにするために必要であろうし、非弁屋との決別を決意した弁護士の支援のためにも有益であると思われるからだ。

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