関西テレビは3日付で「依頼人から預かった遺産”約4200万円”を横領 弁護士に懲役5年の判決」として以下の記事を配信した。
依頼人から預かっていた遺産の相続金を横領した罪に問われた弁護士の男の裁判で、大阪地方裁判所は懲役5年の実刑判決を言い渡しました。
判決によると、弁護士の川窪仁帥被告(75)は3年前、依頼人から預かっていた遺産の相続金、約4200万円を自分の銀行口座に振り込んで横領したとされます。
これまでの裁判で川窪被告は起訴内容を認め、検察は懲役6年を求刑していました。
3日の判決で、大阪地裁の森島聡裁判長は、川窪被告が借金の支払いや私的な浪費で資金繰りに困っていたことや、(遺産の相続人である)依頼人が亡くなった今も弁償していないことなどを指摘。
「『身寄りがなく、高齢である依頼人なら、多額の現金がすぐに必要になることはないはずだ』などと考えて犯行に及んでいて、身勝手かつ短絡的な経緯に酌量の余地はない」と非難しました。
その上で、「横領した金額も高額で、弁護士に対する社会的信用を損なった」などとして、川窪被告に懲役5年を言い渡しました。
引用以上
毎度毎度の預り金からのカッパライである。川窪弁護士は75歳だから、満期出所すれば80歳だ。しかしながら服役中は生活の心配もないわけであり、依頼人に未だに被害弁償もしていない訳であり、4200万カッパライした代償としては決して高いものではないと思われる。
裁判所は身勝手かつ短絡的な経緯に酌量の余地はないと断罪し、弁護士に対する社会的信用も損なったと指摘しているが、もう一歩踏み込んで「横領」が頻発する「預り金」という、弁護士個人の裁量でいつでも引き出し可能なシステムについて何らかの警鐘を鳴らすようなことも述べて欲しかった。
何度も何度も何度も繰り返すが、「預り金」は、弁護士の財産ではないわけであるが、管理している弁護士が引き出そうと思えばいつでも引き出しが可能なわけである。これではどんなに厳しい規定を作っても預り金のカッパライが撲滅できるわけが無いのである。
破産した東京ミネルヴァ法律事務所においても依頼者の預り金から、リーガルビジョングループに多額の広告費などの経費の支払いがなされたわけであり、この「預り金」という制度について、見直しをしなければならない時期に来ているとの認識は日弁連や各単位弁護士会のお偉方には無いのであろうか?
いい加減にカルパ制度の導入の議論を行うよう、日弁連は検討を行うべきなのである。