陳述書の作成のために甘言を用いるのは良い事じゃないですよね。だいたい陳述書だけで事実関係の立証など無理ですよね。

デイリー新潮は7日付で以下のリンクの記事を配信し、現在進行中の「農業アイドル」についての訴訟で、有名弁護士が不適切な利益誘導で陳述書を企図した旨の報道を行った。

【参考リンク】

「農業アイドル自殺訴訟」で場外乱闘 タレント弁護士がちらつかせた“月9出演”

詳細は上記リンク記事をご参照頂きたいが、不幸にも自ら命を絶った農業アイドルの自殺の原因は所属事務所のパワハラや苛酷な労働環境が原因であるとして、所属事務所社長らに対し約9200万円の支払いを求める訴訟を提起し、その請求に対して所属事務所側は事実無根として請求の棄却を求めている事案のようだ。

 この訴訟については原告側が訴訟提起時に、記者会見などを行い原告側の主張をマスコミに報道させていたことと、訴訟費用をクラウドファンディングで賄ったことなどが話題になっていたわけだが、ここにきて原告側のタレント弁護士が、亡くなった農業アイドルの所属グループのメンバーに訴訟に提出する陳述書を作成させるために、「利益供与」を持ち掛けたという報道がなされたわけだ。

 上記の記事や、タレント弁護士である佐藤大和弁護士(東京)が陳述書を作成させるべく弄した文言を聞く限りでは、佐藤弁護士の対応は不適切と断じる以外ないだろう。陳述書の作成は、佐藤弁護士が行い署名押印を求めていたようであるが、佐藤弁護士は陳述書の内容の説明よりも対象者への利益誘導の説明が主になっているとしか思えないし、9年の経歴が「ベテラン」であると述べるのも、ある意味大したものだと思われる。

 このような陳述書の作成経緯について被告側代理人の渥美陽子弁護士(第二東京)「利益供与をちらつかせてサインを迫るような手法も含めて、弁護士倫理上問題ある行為と考えます」とコメントしているようであるが、こういうことを言うよりも「判決が出た後で会見をします」と応え、相手方の請求が棄却されたのちに、このような手法を批判するほうがカッコいいのではないかと思うし、訴訟の途中でなんやかんやとマスコミに話すのは、あまり感心するものではないが、内容を知って黙っていられなかったのであろうと推測する。

 そもそも、陳述書だけで事実関係の疎明をすることなど困難であるし、事実認定がされる可能性も低いことは佐藤弁護士も理解していたはずである。陳述書への署名捺印を拒絶されたことより、ほぼ同内容の「聴取報告書」を提出することは、真実を疎明する態度とは思えないというのが率直な筆者の感想である。物的な証拠が乏しい内容の訴訟では陳述書で、事実関係を疎明し、人証申請を行う流れが通常だと思うが、原告側同行の証人になり得ない人物からの聴取報告書など何の役に立つのかは皆目見当がつかない。

 佐藤弁護士は多くの弁護士が絡むドラマの監修などをしているようだが、弁護士の監修というのが、どこまで行われているかは全く分からないが、面白おかしい弁護士ドラマなどはフィクション中のフィクションであり、民事であれ刑事であれ地道な作業こそが「腕利き」の弁護士の仕事であり、証拠の整理や刑事であれば丹念な供述調書の読み込みなどがドラマとして取り上げられるべきだと考える。

 まぁ、弁護士なんですから場外乱闘よりも法廷で決着をつけるのが正しい所作であろう。安易なマスコミ利用などはしないほうが良いことぐらいタレント弁護士さんは自覚するべきなのである。結局は自分にブーメランが戻ってきたとしか筆者には思えない。

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