弁護士広告の変遷の経緯3 平成18年1月13日最高裁判所第二小法廷判決と新興事務所の設立 同時に欠陥弁護士たちを利用する整理屋の増加

債務整理を主な業務とする弁護士事務所の多くは、多重債務者という自己管理能力の低い者らを顧客とした商売であり、面倒な割には儲からず、顧客管理も大変面倒であったことから所謂「まっとうな」弁護士の仕事でないと考えられており、「一流」の弁護士たちからは安く見られていた事は事実である。

そんな、弁護士業界の中にあって、「クレサラ被害」という枠組みで多重債務問題を捉えて、「弱者食い」のような消費者金融ビジネスと毅然と対峙してきたのが宇都宮健児弁護士である。宇都宮弁護士自ら当初は多くの弁護士が「金にならない」として多重債務問題を取り扱わなかったことや、平成18年(2006年)1月13日最高裁判所第二小法廷判決までの努力の経緯を述べ、また定型化されたことにより誰にでもできる「過払い金返還訴訟」への危惧を述べている以下の記事をぜひご参照いただきたい。

 

【参考リンク】

「確実に勝利できる」過払い金訴訟で弁護士・司法書士の競争激化 CM過熱もいずれゼロに 産経新聞 2015年8月21日

 

上記記事のとおり、貸金業者から取引履歴を取り寄せて再計算して請求を行えば、大手業者からはほぼ確実に「過払い金」を回収可能になったことにより、この「過払い」に特化した新興事務所が上記の最高裁判決の前後に設立されることになった。

アディーレ法律事務所の設立は2004年であり、「ライバル」であるベリーベスト法律事務所の設立は2010年(元祖ベリーベストの創業弁護士らが所属していたオーセンスは2005年設立である。このほかホームロイヤーズ(現ミライオ)やITJ法律事務所や認定司法書士の事務所らがTV・ラジオに大量に流れ、法律事務所以外にも「ボランティア団体」や消費者保護を業務とすると吹聴する「NPO」の広告も流されだしたのである。

そんな流れが加速していた2007年には、今回の東京ミネルヴァの事件と同様に、弁護士事務所に入り込みカネから仕事までを壟断していた「整理屋」の津田勝が逮捕されている。

以下に、2007年5月30日付で毎日新聞が「<債務整理>弁護士法違反で11人逮捕 市民団体隠れみのに」として配信した記事を引用する。

 

 市民団体などを隠れみのに多重債務者を集め、弁護士の名義を借りて債務整理を行ったとして、警視庁保安課は30日、東京都内などに事務所を置く整理屋グループの幹部、 津田勝容疑者(62)=千葉県松戸市松戸新田=ら11人を弁護士法違反(非弁行為)容 疑で逮捕した。同課は少なくとも05年11月からの半年で約500人の顧客を集めていたとみている。

 調べでは、グループは第二東京弁護士会に所属していた男性弁護士(昨年12月に78 歳で死亡)と提携、06年4~5月、この弁護士の新宿区の事務所で、多重債務者ら5人 の代理人として貸金業者との和解交渉などの弁護士業務を行った疑い。

 津田容疑者らは「民間ボランティア団体シニアネット協会」などの名称で都内や千葉、 神奈川県に市民団体やNPO法人を設立。「明るくて健康な生活を取り戻すため設立されました」などと宣伝して多重債務者を集めていた。弁護士を紹介すると説明しながら、実際には自分たちで債務整理をしていたという。

 債務者から報酬を受け取る一方で、毎月約100万円の名義料を弁護士に支払っていた。 グループのトップは04年に死亡している。

 昨夏までの3年間に、同弁護士会に「連絡が取れない」「弁護士の顔を見たことがない」との苦情が約20件寄せられて不正が発覚。調査に対して弁護士は「適正に処理している」と弁明していた。同会は98年ごろから弁護士が整理屋グループと提携し、約700人の 顧客がいたとみている。

 日本弁護士連合会によると、過去3年間にNPO法人や市民団体と弁護士の違法提携が 発覚したのはこの件以外に1件だけだが、「実態が分からず把握しきれていないケースもあるかもしれない」と話している。

 

引用以上

 

この時代から、非弁護士による「整理屋」「過払い屋」の運営手法は変わらないわけであり、名義になる弁護士にそれなりの金額を払いお飾りになってもらい、あとは非弁屋が職務を壟断するわけであり、まともな整理屋もいることも確かであるが、預り金と自分のカネの区別も付けずに営業する、個人的に「情熱大陸」風自画自賛映像を作成する兒嶋勝のような手合いのほうが多いことも確かである。(SFCGの大嶋も自画自賛漫画を作成させていたが、こういうことが恥ずかしくない人間だからこそ「カネの亡者」と言われても平然としていられるのでしょうね)

宇都宮弁護士らの地道な努力で確立された最高裁判決により、「サルでもできる」債務整理・過払い金返金請求に、金融屋から名簿を持ち出した連中や、そんな連中とつるむ暴力団・半グレたちや、ヤミ金や特殊詐欺上がりが大量に流入し、ネット媒体や「アポ電」で過払いの集客を行い、暴利を貪ったのである。

この過払い金の争奪戦の中で、様々メディアに「過払い」の広告が溢れていったのである。

 

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