日弁連はウェブ上に「はじめよう!!弁護士相談」という広告を結構出稿しているようだ。筆者は、弁護士不祥事などをよく検索しているので、リスティング広告として、最近よくこの広告を目にするわけだが、この広告の内容には強い違和感を抱いている。
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日弁連は両性の平等に関する委員会などを設けており、雇用・労働問題に関する第1部会も設置しているわけであるが、上記の広告では事務員風の女性キャラクターが、「相談」してみませんか?と勧誘する広告なのだが、女性の職務が事務職であるような固定観念と、若い女性が受付・事務職を行うという固定観念が背後にあるのではないかと思われる。
仮にも、「両性の平等」を大上段にご主張なさる日弁連なのだから、冴えないオッサンでもキャラクターにするとか、一般的な美しさに不自由であると思われるような女性キャラクターを使うべきであるべきではないだろうか。因縁のように聞こえるかもしれないが、日弁連自身が主張する理念を体現せず、固定観念に囚われている事が筆者には理解できないだけである。
また、「あなたの悩みに最善の解決方法を導きます!トラブルになる前にささいと思われるお悩みでもまずは法律の専門家である弁護士に相談ください」などとうコピーも掲載されているが、些細な事など相談されても解決できない事もあるし、弁護士が介入することでかえって些細な問題などはこじれる事もあることも告知しておくべきであろう。何でも弁護士に相談すれば問題が解決するかのような表現は断定的判断の提供でしかないのではないだろうか。
それに、この広告の予算はどのぐらいかかっているのであろうか?会員の会費を一部の会員への仕事の斡旋のために使うのは極めて不適切ではないかと思うのは筆者だけではないだろう。日弁連はこんな事にゼニを使うよりも、弁護士不祥事対策やカルパ制度の導入にゼニを使うべきなのである。
依頼者に「弁護士に頼めば何でも解決する」ような印象を持たれる事は何もいい事は無い訳であり、結果的にこのような広告は弁護士に対する誤解を拡大するものでしかない事を理解するべきであろう。