日刊スポーツは11月27日付で『AV制作会社社長に「鬼畜」投稿の弁護士に賠償命令』として以下の記事を配信した。
女性を勧誘してアダルトビデオ(AV)への出演を強要した疑いで逮捕され、不起訴になったAV制作会社社長の男性が、ツイッターで「鬼畜」と投稿されて名誉を傷つけられたとして、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウの事務局長を務める伊藤和子弁護士に500万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、5万円の支払いを命じた。
市原義孝裁判長は、伊藤弁護士がAV出演強要被害の実態調査などに取り組んでいることを踏まえ「投稿は、男性がAV出演強要を生業として利益を得ているとの印象を与える。不起訴になっており、侮辱行為にも当たる」と指摘した。
判決によると、男性は2018年1月に淫行勧誘容疑で警視庁に逮捕された。伊藤弁護士は逮捕の3日後、「逮捕されて制作会社社長が顔を必死に隠しているシーンを見て思ったこと」として「嫌がる女性たちに出演強要」「巨額の利益を得る。そんな鬼畜のような人たちはみんな顔をさらして責任を取ってほしい」などと投稿した。男性は同年3月に不起訴となった。伊藤弁護士は「到底納得できない判断で、控訴する」としている。
引用以上
伊藤弁護士は、積極的に人権活動に取り組み引用記事中にあるとおり国際人権NGOの事務局長も務める「人権派」である。そんな伊藤弁護士がAV制作会社の社長が淫行勧誘容疑で逮捕された際に「鬼畜」と投稿したそうで、それらの投稿が名誉棄損と事実認定され5万円の賠償命令が下されたのである。
まぁ「バカ1回10万円」と言われる名誉棄損の民事的な賠償においては、この判決は妥当であろう。AV屋の社長が逮捕された淫行勧誘容疑において、なんで不起訴になったのかは分からないが、実際にAV制作という仕事が「堅気」の仕事ではないことは事実であり、逮捕された被疑容疑が当時の報道によれば『女性は出演を拒否していたが、「プロフィールの写真にいくらお金がかかったと思っているのか」』としてAV撮影に応じさせたものとされている事から、この内容を見て伊藤弁護士は「鬼畜」と投稿したと思われるからだ。伊藤弁護士を訴えたAV屋の社長さんは、本当に逮捕容疑に全く心当たりがなかったのであれば、伊藤弁護士を訴えるより国家賠償を求める訴訟を提起すべきだったのである。
職業に貴賤はないことも確かであるが、人から尊敬されない商売というのは昔から変わらない。金貸しに、エロ商売などは、社会に必要とされる職業である事は確かであるが、場合によっては世間から忌み嫌われる存在になることも事実である。そんな商売を自分で選び、生計を立てていたのであるから、ある程度の誹謗中傷を受け入れる度量はなかったのかとも思われる。「裏町人生」を生きる者らは、「誰に踏まれて咲こうと散ろと要らぬお世話さほっときな」という気概を以前は持っていたと筆者は思うが時代は変わったという事だろう。
それにしても「鬼畜」という投稿は弁護士さんとしては穏やかな表現ではなく適切ない事は確かであろう。もう少し別の表現をすれば良かったのである。しかしながら、伊藤弁護士の信念が「鬼畜」と投稿させたのであろう。AV屋が、例えどんなクズ野郎であったとしても弁護士としてこのような発言をすれば、賠償請求や懲戒請求のリスクがある事を分かったうえで、こんな投稿をする伊藤弁護士の揺るがぬ信念には感動するしかないが、面の皮の厚いAV屋といい勝負ではないかと筆者は考える。