全くやる気がございません!でも大した処分はしません! 加藤善大弁護士(埼玉)の懲戒処分の要旨

自由と正義9月号は加藤善大弁護士(埼玉)の懲戒処分の要旨を公表しているが、あまりにも酷いとしか言いようがない内容だ。以下に要旨を引用する。

 

1 処分を受けた弁護士氏名 加藤善大

登録番号 45584

事務所 埼玉県所沢市東所沢和田1-1-18栄ビル2階C 

東所沢法律事務所

2 処分の内容 業務停止2

3 処分の理由の要旨

(1)ア、被懲戒者は、懲戒請求者Aから、2015年4月30日に亡父Bの遺産に係る遺留分割事件を、同年5月27日にBに対する自殺幇助の被疑事件、同年7月28日に詐欺に係る損害賠償請求被告事件をそれぞれ受任したが、いずれも委任契約を作成しなかった。また被懲戒者は同年6月頃に懲戒請求者Aの父である懲戒請求者Cから懲戒請求者Aを被疑者とする弁護活動を受任したが、捜査段階に関する委任契約書は作成したものの、公判弁護活動に関する委任契約書を作成しなかった。

 

イ、被懲戒者は、上記詐欺事件、上記損害賠償請求被告事件等の各相手方との示談等に必要な金員を得る目的で懲戒請求者AからBの勤務先に対する死亡共済給付金等の至急手続を受任したが、速やかに着手せず、遅滞なく処理しなかった。

 

ウ、被懲戒者は上記詐欺事件について懲戒請求者Aが情状弁護を希望していたにもかかわらず、被害弁償に関する諸事情の立証その他情状に関する懲戒請求者Aとの打ち合わせ等の弁護活動に十分に取り組まなかった。

 

エ、被懲戒者は上記詐欺事件について一定の回数は懲戒請求者Aと接見したものの、2 016年2月24日に開かれた第6回公判期日以降は、弁護人として接見が求められる時機に必要な接見を行わなかった。被懲戒者は上記期日の前日の接見時やその後の懲戒請求者Aの強い保釈希望を認識しており、また、同年3月17日に懲戒請求者Cから身柄引受書を取得していたにもかかわらず、同年5月2日までの保釈請求手続を採らなかった。

 

オ、被懲戒者は、懲戒請求者Cに対し、上記損害賠償請求被告事件について2016年3月17日付け請求書をもって着手金等324万円を請求したが、金額の具体的根拠、算定方法を示さなかった。

 

カ、被懲戒者は懲戒請求者A及びCから2016年6月4日付け文書をもって書類の返還等を求められ、その頃までに上記各委任契約が終了したにもかかわらず、起訴状等の預かり書類4点を返還しなかった。

 

(2)被懲戒者は懲戒請求者Dから2015年11月18日に懲戒請求者Dを相手方とする遺産分割調停事件を受任し着手金28万円のうち20万円を受領したが、上記調停事件が2016年2月頃に取り下げられてから間もなく、懲戒請求者Dから上記調停事件と被相続人及び遺産を同じくする遺産分割調停事件の申立てについて依頼を受けて了承したことについて、上記委任に基づく委任関係が継続していたにもかかわらず、同年6月頃から何度となく電話による問い合わせを受けたがこれに対応せず、調停申立ても行わなかった。

 

(3)被懲戒者は2015年12月頃、懲戒請求者Eから離婚した元夫に対する養育費請求事件を受任し、被懲戒者において日本司法支援センターへの代理援助申込みの手続をすること等も契約内容とする委任契約を締結したにもかかわらず、日本司法支援センター所定の手続及び養育費の支払実現に必要な法的手続をおよそ半年間行わず、懲戒請求者Eからの問い合わせ等にも対応しなかった。また、被懲戒者は懲戒請求者Eから内容証明郵便により書類の返還を求められたにもかかわらず、2016年11月に懲戒請求されるまで返還しなかった。

 

引用以上

 

この処分が最初に報道された当時には加藤弁護士は「心身ともに疲れ果てていた」とのコメントを出していたが、それなら懲戒事由となった各事件を放置せずに辞任し事後処理を埼玉県弁護士会などに相談すればよかったのである。それに疲れているからといって刑事事件を放置し、保釈などに要望に応じなかったことは刑事弁護を行う弁護士として失格であろう。

加藤弁護士が何に疲れていたのかは分からないが、弁護士という仕事は「人権を擁護」するとかいう綺麗ごとでは済まない面がある。トラブルに介入するのが仕事であり、闘い交渉するのは相手方だけではなく、時には依頼者とも対立することもあり、強い精神力と確固たる信念が必要なのである。

こんな面倒な仕事で場合によっては依頼者や相手方の人生を左右してしまうような事もあるのであるから、それなりの報酬をもらわなければやってられない筈なのであるが、法テラスの基準はバカみたいに安いし、司法制度改革の成果で弁護士は増員され、弁護士報酬のダンピングはとどまる事がないのであるから、労力に見合わない仕事となった事は確かであろう。

そうであっても「士」である限りは、現実に向き合い自分のできる事を淡々とこなしていくばかりであり、加藤弁護士のように職務を懈怠し「疲れていた」といって済ませるのは「士道不覚悟」なのである。埼玉県弁護士会は、加藤弁護士を介錯すべく「退会命令」を下すべきであったと思われるが、これだけ仕事を放置しても、わずか2月のお休みで済んでしまうのが「弁護士の弁護士による弁護士のための弁護士自治」なのである。

加藤弁護士もいろいろ言いたいことがあるだろう、なぜ心身ともに疲れ果てたのか、そんなときに所属会である埼玉県弁護士会のサポートがあったのか?などを情報発信して、多くの若手弁護士に自身の体験を伝えるべきであろう。割に合わない仕事になった弁護士という職業の現実を国民にも知ってもらう事も必要であるとも思われるし、司法制度改革の成果も多くの国民に知っていただく必要もあるからだ。

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