日弁連 菊地会長のご挨拶 地域から絶大な支援を受けるとして公設事務所を紹介するなら不祥事にも言及すべきでしょう

日弁連の菊池裕太郎会長の「ご挨拶」が以下のとおり日弁連ウェブサイトで7月1日に掲載している。

 

木々の緑が一層輝く7月を迎えました。少し振り返ることとなりますが、5月の10連休はいかがお過ごしでしたか。何をしようかと考えていたことが嘘のように、あっという間に終わってしまったというのが多くの方の思いのようです。

 こうして幕を明けた「令和」ですが、国内では参議院選挙を控え、世界では米中貿易戦争が熾烈さを増し、イラン情勢も緊張して、落ち着かない雰囲気になってきました。豊かで安心して暮らせる社会の実現こそが令和への祈りであり、国民一人一人がこの祈りを実現できるようしっかりと社会や政治に向き合っていく必要があると思います。

さらに少し振り返ってみたいと思います。3月30日、北海道枝幸(えさし)町に行ってまいりました。オホーツク枝幸ひまわり基金法律事務所の開所式に参加するためです。

枝幸町は北海道の宗谷地方の南部に位置する人口約8500人の町で、オホーツク紋別空港から車で2時間ほどかかります。漁獲量日本一を誇る毛ガニのほか、絶品といわれるホタテなども獲れ、流氷が接岸する美しい町です。ひまわり基金法律事務所は、無医村をなくそうというのと同様、弁護士過疎・偏在の解消のために、日弁連・弁護士会・弁護士会連合会の支援を受けて開設・運営する公設事務所です。2000年から累計で全国120か所(稼働中は42か所)設置されました。事務所の開設・運営にあたっては、全国の弁護士からの会費を主な財源とする日弁連のひまわり基金から開設費や運営費の援助等を行っています。厳しい事務所経営にチャレンジする若い弁護士の心意気の中に弁護士・日弁連の将来を見る思いでした。地元枝幸町の絶大なる支援も受けて、町長をはじめ多くの方々にお集まりいただき、盛大な開所式となりました。ありがとうございました。

 4月21日には、札幌弁護士会に行ってまいりました。ロシア各地から弁護士会の会長をはじめ30人の弁護士が来札され、ハーグ条約(離婚・別居などで国境を越えて引き離された子どもの引渡しに関する国際的な取り決め)の実務について日露家族法セミナーが開かれました。北海道弁護士会連合会は、サハリン州弁護士会と友好協定を締結し、毎年交互に訪問しており、ここにも弁護士会の民間外交が展開されています。懇親会も含め、大いに盛り上がりました。

4月12日、民事司法改革を推進する目的で内閣官房の下で省庁横断的な会議体として「民事司法制度改革推進に関する関係府省庁連絡会議」の第1回が開催されました。国際競争力がないといわれて久しい司法の国際化、IT化、知的財産訴訟の活性化その他の課題について具体的な取組がスタートしています。日弁連もオブザーバーとして参加していますので、使い勝手のよい頼りがいのある司法を目指して、結果を出したいと存じます。

2019年は日弁連創立70周年の年であり、裁判員制度施行10周年の年でもあります。2020年4月には国連犯罪防止刑事司法会議(コングレス)が京都で開かれる予定であり、京都コングレスを機に死刑制度廃止の実現に向けて大きなうねりが起こりつつあります。また、再審開始決定が相次ぎ、再審法の改正の気運が高まっています。さらには、被疑者を長期勾留して取調べを行う日本の捜査手法に世界の批判と関心が高まりました。この後進性も改められなければなりません。

その他様々な点で、日本は人権水準を向上させるべきであると国連から長年指摘されています。

今年度もやるべき課題が沢山待っています。市民の皆さんの応援を得て、世界水準に追いついたといわれる司法や人権擁護システムにしていきたいと存じます。一層のご支援・ご協力をお願いします。

 

2019年(令和元年)7月1日              

    日本弁護士連合会会長

引用元 https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/organization/message.html

 

 菊地会長は「豊か」で安心して暮らせる社会が令和の祈りと思っているようだが、この「豊か」という表現が金銭的な豊かさを指すのであれば、そんなものは祈りなどではないだろうと筆者は考える。豊かさとは、金銭的なものだけでなく、生活全体の余裕とか、ゆとりでありカネのために馬車馬のように働いたり、カネを搾取するために過酷な労働をさせたうえで成り立つ「豊かさ」など「カネの亡者」ならではの思考回路だと考えている。

また公設事務所の開設の事などにも触れているが、公設事務所が地域の役に立っているのかも、きちんと検証するする必要があるだろう。公設事務所の弁護士や事務員が不祥事を起こしている事も事実であり、そのあたりに触れなければ片手落ちの一方的な所信表明にすぎないと筆者は考えている。

我が国の人権水準の向上などよりも、弁護士不祥事の撲滅こそが弁護士自治の役割であると筆者は考えるが、菊地会長の考えは異なるらしい。

世界水準に追いついたと思われる司法よりも、我が国の風土・精神性・文化に根差した司法を目指すべきであり、何でも「グローバルスタンダード」に準ずれば良いというものでもないのである。世界が死刑廃止に舵を切っているから我が国も右に倣えと言いたいのだろうが、筆者は薬物犯罪者や特殊詐欺に関与した人間などは生かしておく価値など皆無であると考えているし、そう考える国民も多いであろうと思われる。日弁連が「前衛」として無知蒙昧な市民に人権感覚を説くとでも言いたいのであろうが、そんな思い上がった態度など国民は望んでいないはずだ。「人権感覚」を説くよりも、弁護士自治の信託者である国民の財産を守るために「カルパ制度」の導入をして欲しいものだ。

高邁な理想も結構だが、自分たちの足元を固めてから理想論は述べるべきであり、犯罪者の人権よりも、犯罪などの関与しない大多数の一般市民の人権が手厚く保護されるべきなのである。

筆者は、菊地会長の次の「ご挨拶」が弁護士不祥事対策に言及することを期待している。

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