一般の不動産売買で弁護士が入る案件は「安心」でなく「危険」案件です 逮捕された伊関正孝元弁護士はそんな事情を十分にご存知の上で地面師に加担したのでしょう

テレビ朝ニュースは7日付で『「弁護士入り安全な取引」と持ちかけ 地面師事件』として以下の記事を配信した。

 

土地の所有権を不正に移転させたとして地面師グループの5人が逮捕された事件で、グループが弁護士事務所で「安全な取引」などと不動産会社に売却を持ち掛けていたことが分かりました。

元弁護士の伊関正孝容疑者(63)ら5人は2014年8月、東京・町田市の80代女性が所有していた250坪の土地の所有権を不正に移転させた疑いが持たれています。伊関容疑者らは土地の所有者になりすますなどして東京・港区の不動産会社に売却を持ち掛けていました。その後の捜査関係者への取材で、グループは当時、弁護士だった伊関容疑者の事務所で不動産会社側に「弁護士が入っている安全な良い取引」などと売却を持ち掛けていたことが分かりました。警視庁は不動産会社を信用させるため、弁護士事務所を使ったとみて詐欺の疑いも視野に捜査しています。

 

引用以上

 

伊関元弁護士は、犯行当時は腐っても弁護士であったわけで、通常の不動産売買で伊関弁護士が登場する必要が無いことは良くお分かりだったはずである。以前にも書いたが、一般の不動産売買で弁護士が登場するのは競売の任意売却とか、債務整理に伴う不動産売買ぐらいで、普通は不動産業者(宅建業者)の立会いで事が済むわけである。

しかしながら、伊関弁護士は「安全」な取引を装うために地面師に協力し、自らの事務所を犯罪行為の舞台にしたわけなのである。その上で、詐取した売買代金を地面師らと「山分け」したのであろう。

伊関弁護士は犯行当時まで4度もの懲戒処分を受けており、非弁屋との結託や職務懈怠という内容から、まともに弁護士業務をやる気などある時期から無かった事が窺えるのである。伊関弁護士が最終的に所属していた「潮総合法律事務所」は、特殊詐欺関係者で現在服役中の藤本祐樹や、悪質出会い系サイトの関係者である青木美男が出入りし、資金を拠出しており、同事務所に所属していた懲戒弁護士らの知己や債権者の事件屋が机を並べていたのであるから、様々な犯罪行為の「拠点」となっており、多くの取り込み詐欺師や投資詐欺集団が犯罪行為の発覚を先延ばしにするために、この事務所名で「債務整理」の受任通知などを発送し時間稼ぎだけして、後の職務の多くは放置したのである。伊関弁護士は自らが多くの犯罪行為に加担していた自覚はあったはずであり、そのような事を行ったのは「カネに追われて」いたからに他ならないはずだ。

潮総合法律事務所の、そのような内情などはある程度は伊関弁護士の所属していた東京弁護士会も理解していたはずであり、だからこそ東京弁護士会は伊関弁護士の懲戒処分の事前告知を行ったと思われる。しかしながら、伊関弁護士をはじめとした欠陥弁護士たちを事実上「野放し」にしていたからこそ、伊関弁護士は懲戒処分の事前告知を受けながらも、バッジを失う前の「一仕事」を行ったのであろうと思われる。

現在も、潮総合法律事務所と同様に、実質的には犯罪手段が経営する弁護士事務所もそれなりに存在するだろうし、HIROKEN非弁事件を見ても分かる通り、「広告屋」もしくは「非弁屋」が弁護士事務所を「直営」している事も多いと思われる。そんな弁護士事務所を放置しておけば第二、第三の「潮総合法律事務所」が現れる可能性も高いはずだ。

犯罪集団が弁護士を抱える事には、犯罪集団には大きなメリットだろう。しかしながらそんな事をされたら国民はたまったものではない。弁護士法に定められた弁護士の使命である「社会正義の実現」をないがしろにして犯罪集団の利益を図るような弁護士らに対しては弁護士懲戒制度では生ぬるく、また処分までの時間もかかりすぎる事から、伊関弁護士のような犯罪幇助弁護士の発生を防ぐためにも弁護懲戒制度の見直しと「同僚裁判」というべき審議のあり方を変える事は喫緊の課題であると思われる。いい加減に日弁連・各単位弁護士会自らが弁護士自治の信託者である国民のために懲戒制度の見直しに動きを行うべきなのである。

“一般の不動産売買で弁護士が入る案件は「安心」でなく「危険」案件です 逮捕された伊関正孝元弁護士はそんな事情を十分にご存知の上で地面師に加担したのでしょう” への 1 件のフィードバック

  1. 私は、弁護士に大衆が権威を置き過ぎていることも問題だと思います。
    弁護士は信用がならない奴が実に多い、それは人間的にも倫理的にも。
    後者の倫理的な観点から言えば、伊関弁護士はすでに4回も懲戒処分も
    遭っていることから事前に調べれば伊関案件は危険だと察知できたと
    思います。
    また、本ブログ記事でもありますが、不動産売買で弁護士が登場というのは
    疑問の余地が残る取引のはずです、なぜ弁護士が率直な感想では?
    弁護士は不動産登記法などを専門的に勉強訓練をしていないので、本来は
    畑が違う訳ですよ、それなのに、弁護士が登場するのは何か裏があると思って
    いいと思います。
    あまりに庶民が弁護士に信頼を置き過ぎていることも問題ですし、このブログや
    弁護士自治ブログのような情報をマスコミが問題提起していないことも大いに
    問題だと思います。

    話は少し変わりますが、私は法曹一元化には反対です、今のようなモラルなき
    弁護士達や身内に激甘の弁護士自治で弁護士がいい仕事をするとは、私にはどうにも
    思えないからです。

    本ブログ記事で登場した弁護士はだいぶ非行が進んだ弁護士でしたが、身内に甘い
    弁護士自治制度が生んだ妖怪だと思います。

    別の視点からコメントしてみました。 

    いいね

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