1億8千万円以上を預り金からカッパライした洪性模弁護士(大阪)に懲役5年の実刑判決 いい加減にカルパ制度の導入を図らなければ、こんな事案の防止は不可能なはず

ABCテレビは9日付で「多額の預かり金を着服 弁護士に実刑判決」として以下の記事を配信した。

 

依頼者から預かった多額の預かり金を着服していた大阪弁護士会の弁護士・洪性模被告(66)に懲役5年の実刑判決が言い渡されました。

判決によりますと洪被告は、2013年から2014年にかけて19回にわたり土地建物の管理会社から預かっていたビルの「賃料相当損害金」を、自身の口座に振り込むなどの手口であわせて1億8200万円以上を着服していました。判決で大阪地裁は「(洪被告は)自宅の購入や事務所運営のための借入金の返済など資金繰りに窮していたが、依頼者からの預かり金を着服するという手段を選択したのはあまりにも短絡であった」などと指摘し、洪被告に懲役5年の実刑判決を言い渡しました。

 

引用以上

 

約1億8千万円をカッパライして5年の刑期で済むのであるから、1年あたり3600万円の刑と考えると、判決が安いような気がするのは筆者でだけではないだろう。

洪弁護士は「小原滝男」という通名で仕事をしていたようで、もしかしたら預り口口座も小原名義かもしれないので、報道は洪性模(小原滝男)として報道するべきであろう。そうでなければ、被害に気が付かない方がいるかもしれないからである。

洪弁護士は、自宅の購入や事務所運営のための借入金の返済など資金口に窮していたと裁判所は判断している。洪弁護士はまさに「カネに追われた」弁護士であることを裁判所は認定し、そのうえで預り金を着服するという手段を選択したのはあまりに短絡的であったと、指摘している事を洪弁護士はしっかりと胸に刻むべきだろう。

しかしカネに追われる中で自宅を購入する洪弁護士の気持ちは全く理解できないし、人様のカネに手を付けるぐらいなら自宅を売ればいいのではないかと思うのであるが、洪弁護士は自分の資産や体面を守るために依頼者のカネをカッパライする決断を行ったのである。

毎回同じことを繰り返すが「預り金」口座というのは、弁護士一人の裁量で引き下ろしも自由に行えるばかりでなく、依頼者には金銭が相手方から入金された事すらも分からないのである。だからこそ、預り金のカッパライが頻発するのである。日弁連や各単位弁護士会は預り金についての会規を改正し、依頼者見舞金制度を完備したというが、今回の洪弁護士のような1億8千万もの被害に対しては「焼け石に水」でしかなく、そんな見舞金制度よりも「カルパ制度」を導入して、弁護士個人の裁量で「預り金」をいじれないようにするべきなのである。

洪弁護士は、裁判所の指摘のとおり「あまりにも短絡的な」行動を行った結果、有罪判決を受けることになったのである。服役中に自身の体験や、カッパライに至るまでの心理状態などを取りまとめて、ノンフィクションとして世間に公表すべきであろう。そのような事で弁護士不祥事防止を行うことが洪弁護士の最も有効な「余命」の使い方であると筆者は確認している。

有名事件師の黒木正博が詐欺容疑で逮捕 ラポールの民事再生申立についての疑問

毎日新聞は9日付で「売り上げ粉飾、融資1億円詐取、容疑の会社代表ら逮捕 2年間で20億円以上か」として、以下の記事を配信した。

 

フラワーインテリア販売会社「ラポール」(本社・東京都港区、破産手続き中)の決算を粉飾し、銀行から約1億円の融資を不正に引き出したとして、警視庁組織犯罪対策4課は8日、投資会社代表の黒木正博容疑者(53)ら5人を詐欺容疑で逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。黒木容疑者らは2016年ごろまでの約2年間に10以上の金融機関から計20億円以上の融資を受けており、同課は資金の流れの解明を進める。

他に逮捕されたのはラポールの元社長、鈴木忍容疑者(44)ら。逮捕容疑は、16年9月ごろ、ラポールの売り上げを過剰に計上するなど粉飾した決算書を銀行に提出し、融資金約1億円をだまし取ったとしている。

関係者によると、黒木容疑者が代表を務めていた投資会社が13年に売却先を探していたラポールと株式譲渡についての合意書を締結。14年7月、株式を取得して黒木容疑者の知人の鈴木容疑者が社長に就任した。

情報調査会社などによると、ラポールは1993年、大阪府和泉市でフラワーインテリアや雑貨販売などを目的に設立され、大手百貨店などに出店。16年10月期の売り上げは約18億円だった。

だが、投資会社に経営が移った後に従業員への賃金支払いが滞り始め、17年10月に民事再生手続きを申請。同11月に開始決定を受けたが、再生計画案を出せず、18年2月に破産手続きが開始された。鈴木容疑者は17年9月に社長を退任している。

 

引用以上

 

 黒木容疑者の逮捕容疑は、「詐欺」であり、粉飾決算を元に銀行から1億円の融資金を不正に引き出したというものである。余罪もあるようで、2年間で約20億円以上の融資を金融機関から受けていた事実からも、日常的に粉飾決算による融資を受けていたという事であろう。

黒木容疑者は、様々な反社会勢力からカネを引っ張り追い込まれたり、時には取立て行為を行ったりしていた事で有名であり、この件を警視庁捜査4課が担当している事も当然であろう。それだけ、黒木容疑者はその世界では有名な人物なのである。

この事件で考えなければならないのは、おそらく粉飾された決算書には税理士若しくは会計士の印鑑がついてあるだろうという事と、当初ラポール社は民事再生の申立を行ったわけだから、その申立代理人弁護士はラポール社の内情も分かっていたと思われる事と、同社の実質経営者が黒木容疑者と報道されているのだから、この民事再生の申立代理人は黒木容疑者と打ち合わせをしていたと思われる事だ。

結論からいえば、ラポール社の民事再生の申立代理人は伊藤恒一郎弁護士(東京)である。ラポール社の民事再生手続きの申立を伝えている2017年10月23日付のTEIKOKU NEWS ONLINEの記事を以下に引用する。

 

業 種 フラワーインテリア販売

商 号 ラポール株式会社

  <ラポール>

企業コード 581858656

所在地 東京都

倒産態様 民事再生法の適用を申請

負債額 負債23億3000万円

「東京」 ラポール(株)(資本金1億7137万5000円、港区虎ノ門1-16-16、代表五十嵐孝夫氏)は、10月20日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、監督命令を受けた。

  申請代理人は伊藤恒一郎弁護士(中央区京橋2-11-6、八重洲国際法律事務所、電話03-5579-9679)ほか2名。

  監督委員は本山正人弁護士(千代田区永田町2-11-1、LM法律事務所、電話03-6206-1310)。

  当社は、1993年(平成5年)2月に設立。主にプリザーブドフラワーや造花を利用したフラワーアレンジメントのインテリア商品を販売し、全国各地の百貨店内に約25店舗を有していた。海外家具ブランドの輸入販売、ブライダル事業も展開し、2016年10月期は年売上高約18億8300万円を計上。売り場が百貨店中心だったこともあり、一定の知名度を有していた。

  しかし、開示している業績が好調であった一方、2017年初旬より取引先に対する支払い遅延が散発するなど、動向が注目されていた。従前より不正取引や前代表による粉飾決算などが疑われていたなか、同年7月ごろには債権者より破産を申し立てられていた。

  負債は債権者約243名に対し約23億3000万円。

 

引用以上

 

上記の記事を確認すると

1 すでにラポールは、2017年7月に債権者破産の申し立てがなされていた。取引先への支払の遅延は2017年初旬より存在した。

 

2 しかし開示している業績は好調であった。

 

3 従前より、不正取引や粉飾決算などが疑われていた。

 

ということが分かる。このような事を理解したうえで、伊藤恒一郎弁護士は黒木容疑者の意向を受けて、民事再生の申立を行ったのである。筆者からすれば、この民事再生の申立は民事再生法25条4の「不当な目的で再生手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき」という条文そのものではないのかと考えてしまうが、伊藤恒一郎弁護士はそうは思わなかったのであろう、だからこそ民事再生の申立をしたのであろう。しかしながら、債権者破産まで申立られ、実質経営者が別に存在し、その実質経営者が主導して、決算書を複数作成し多数の金融機関から借入を行っていたのであるから、普通の弁護士であれば破産申立を選択すると筆者は思うのである。

結果として、この民事再生において再生計画案を提出できなかったことから(そりゃできないでしょう、カネ借りる事が主な業務なんですから)18年2月には破産手続が開始されたのである。そして今回の黒木容疑者らの逮捕という事態に至ったのである。

ちなみに伊藤恒一郎弁護士は、地面師の土井淑雄被告の弁護人を健康を害するまで務めていた弁護士であり、事件屋らが頼りにする弁護士であったことは間違いないだろう。

今回、黒木容疑者の弁護を誰が引き受けるのか興味があるところだが、リキッドオーディオ・ジャパンからトランスデジタルと、黒木容疑者の行く所には必ず事件が発生するのである。そして巨額のカネが消失し裏社会に流れるのである。反社からしたら、そんな黒木容疑者は「使い出」がある人物であることは間違いないだろう。

警視庁捜査4課には、この事件にとどまらず黒木容疑者の関与した経済犯罪の徹底追及を期待したい。

不動産業界の低下するモラル フラット35の悪用問題にスルガ銀行ではクビになった元執行役員が銀行を提訴

時事通信は7日付で「フラット35、不正利用か=居住偽り投資、住宅機構が調査」として以下の記事を配信した。

 

住宅金融支援機構が提供する長期固定金利の住宅ローン「フラット35」が、自ら居住するためと偽り不動産投資目的で不正利用された疑いがあることが7日、分かった。機構は、件数や規模など事実関係を調査しており、不正が明らかになった場合、一括返還を求める方針。

 フラット35は、自ら居住するための住宅取得に対し、機構と提携した民間金融機関が融資する仕組み。当初から投資目的で融資を受けた場合には契約違反となる。機構は昨年秋に外部からの情報提供で不正の疑いに気付き、居住実態や投資目的の有無などを確認している。

 

引用以上

 

特殊詐欺上がりの不動産屋は、勤務先のアリバイ会社の手配から収入証明の偽造までしっかりと、カモに不良在庫物件を高額で購入させるようカタに嵌めるノウハウを持っている。カモに「オーバーローンを組んで、現金を手にしましょう」と囁いて、カネに追われた連中に一線を踏み越えさせる決心をさせるのである。そうして、「不良在庫」や「欠陥住宅」を高値で売りさばくのである。結果として、泣くのは債務者のカモと債権者の銀行などの金融機関であり、「中抜き」をして「仲介手数料」までしっかりとカッパぐ悪徳不動産屋は笑いが止まらないだろう。

こんな詐欺師上がりが経営する不動産屋の案件に積極的にローン付けをしていたのが、スルガ銀行である。スルガ銀行は詐欺としか思えないシェアハウス「かぼちゃの馬車」や所得税法違反で有罪判決を受けた松尾眞一を首魁とした「マンションデート商法」で売りさばいた物件に積極的な融資を行っていたのであるから、そんな債権が焦げ付くことは目に見えていた筈だ。それでも詐欺集団としか思えない不動産屋と結託して、積極融資に走っていたのであるから、社会問題化するのも当然の帰結だったのである。

そんなスルガ銀行の不正融資を主導したとしてクビになった麻生治雄元専務執行役員が解雇は無効としてスルガ銀行を訴えたというニュースを静岡新聞は8日付で「元執行役員「解雇は不当、無効」 スルガ銀を提訴 」として以下のとおり配信した。

 

スルガ銀行によるシェアハウスをはじめとする投資用不動産向け不正融資を巡り、不正を主導したとして懲戒解雇処分となった麻生治雄元専務執行役員が「解雇は不当で無効」として同行に地位確認や未払い給与など計約2400万円の支払いを求める訴えを東京地裁に起こしたことが7日、代理人弁護士への取材で分かった。

  提訴は3月7日付。訴状によると、営業部門を率いてきた麻生氏は2018年2月、岡野光喜会長(当時)に呼び出され、口頭で「執行役員を降りてもらう」と告げられた。3月に総合企画本部に異動になり、11月27日に懲戒解雇処分を受けた。

  原告側は、不正融資の主たる原因を「経営企画・審査部門による暴走」として、スルガ銀が責任の所在を営業部門に転嫁していると説明。個人向け収益不動産ローンが内在する危険性を麻生氏は再三指摘してきたとして、処分に理由がないと主張している。懲戒解雇に際して「十分な反論の機会を与えられず、再度の反論機会確保要請もほごにされた」などと手続き上の不相当も訴えている。

  一方、スルガ銀は不正融資に絡み、多額の損失を招いたとして麻生氏らを相手に損害賠償を求める訴訟を静岡地裁に起こしている。

 

引用以上

 

上記の引用記事から感じた事は麻生元執行役員は、創業家である岡野家に「人身御供」にされたという気持ちが強いのだろうということだ。この裁判において、スルガ銀行創業家の実態や、詐欺師上がりの不動産屋に積極的に融資が行われたのか、そのような中で麻生元執行役員がどのように個人向け不動産ローンが内在する危険性をスルガ銀行経営陣に指摘していたのかが判明すれば、スルガ銀行の当時の経営の実態が浮き彫りになる事は確かであろう。この「泥仕合」に筆者は大いに注目している。

冒頭のフラット35の悪用にしても、スルガ銀行の問題にしても、不動産業界のモラルの低下に起因する事は間違いない。以前は一般サラリーマンには「一生一度」の買い物であった不動産が、サラリーマンにとっても「投資」の対象にされたことで、多くの悪徳不動産屋が「ローンが通る」人間を探すことに躍起になった結果であろう。CICから全銀連まで行脚させて信用情報を取ってこさせて、無理やり不良物件を買わせて暴利を得るのであるから、まともなわけがない。こんな詐欺と表現するのが適切な不動産業者には必ず腐った弁護士がくっついているものだ。松尾眞一と結託したばかりに、その盛名も地に落ちた蓮見和也弁護士も今では後悔しているはずだ。

投資詐欺上がりの「カネの亡者」らが経営する不動産業者を野放しにしないためと、また無差別な「アポ電」による不動産販売を規制するためにも、いかなる業界においても不招請勧誘を禁止する法律を作るべきであり、投資用不動産によるトラブルは被害金額が大きいことも特徴なので、明らかに詐欺的な商売を行っている業者には多額の課徴金が下せる制度なども策定すべきなのである。日弁連は積極的に、そのような提言をしていくべきであると筆者は考えている。

HIROKEN非弁事件 高砂あゆみ弁護士に有罪判決 HIROKENは既に解散をしています

いささか旧聞に属するが、時事通信は4月25日付で「名義貸し弁護士に有罪=無資格者に債務整理-大阪地裁」として以下の記事を配信した。

 

弁護士資格がない業者に名義を貸し、債務整理を行わせたとして、弁護士法違反罪に問われた「あゆみ共同法律事務所」前代表弁護士の高砂あゆみ被告(33)の判決が25日、大阪地裁であった。西川篤志裁判長は「違法性の程度は高い」と述べ、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。高砂被告は起訴内容を認めていた。

  西川裁判長は「月100万円もの報酬を約束されて犯行に及んでおり、強く非難されなければならない」と指摘。一方で、「(業者側に)取り込まれた点は否定できない」などとして執行猶予が相当とした。

  判決によると、高砂被告は2017~18年、東京都内のインターネット関連企業の元役員=同罪で有罪判決=側に弁護士の名義を貸し、当時大阪市内にあった法律事務所で同社従業員らに顧客の債務整理などを行わせた。

 

引用以上

 

この判決が確定すれば、高砂弁護士は弁護士資格を失う事になるわけであるが、すでに高砂弁護士は、すでに弁護士業務を終了していると明言しているのだから、その運命を受け入れているようである。そして、高砂弁護士を「取り込んだ」HIROKENは今年1月31日に株式総会で解散決議を行い、法人は「解散」されており現在清算結了に向けての処理中のようである。しかしながら、HIROKENのウェブサイトにおいてはその事実は公表していないのである。

 

【参考リンク】

 HIROKEN ウェブサイト

 

大量の広告で多くの依頼者を集客した「街角法律相談所」であるが、裁判所が「強く非難されなければならない」というような判断を行わざるを得ないような、悪質な非弁提携行為と断じられ、HIROKENの元役員にも懲役2年、執行猶予4年の判決が下され、法人としてのHIROKENにも罰金300万円の有罪判決が下されたのである。

何より「街角法律相談所」は、基本的には「借金減額シュミレーター」に入力を行い、相談者自身が弁護士を選ぶわけではなく、このシュミレーターへの入力結果を元にHIROKENと契約をした弁護士事務所から相談者に連絡が行くというシステムが大きな問題であることは指摘してきたとおりだ。

また、「街角法律相談所」に登録していた事務所の一部には有名な非弁提携事務所も存在し、今回のような「丸抱え」ではない「非弁提携」の態様も多く存在したはずである。そのあたりまで、大阪地検特捜部は捜査を行ったのであろうが、立件までは至らなかったのであろう。何名か捜査を受けたセンセイ方の中にはうつ状態になっている方もおられるようだ。

非弁提携の事件は、ここ20年ぐらい繰り返され、「カネに追われた」弁護士や弁護士としての能力を喪失した「欠陥弁護士」や酒に溺れる「アル中」弁護士が非弁屋と結託し、依頼者の預り金をカッパライする事案が継続的に発生しているのであるが、日弁連や各単位弁護士会はまともに対策を行っているとは筆者には到底思えない。

弁護士個人の裁量で引出可能な「預り金」制度を続ける限り、「預り金」のカッパライを目的にする非弁屋や欠陥弁護士が今後も発生する事は間違いのない事である。日弁連は「預り金」制度を基本的に廃止し、「カルパ制度」導入すべきであり、そうすれば非弁提携の防止にも、預り金のカッパライの防止にも大きな効果が得られることは間違いのない事なのである。

HIROKENの非弁提携事件から話はそれたが、債務整理でも民事事件でも刑事事件でもインターネットだけで弁護士を選ぶことには大きなリスクがある事を国民には認識して欲しい。弁護士ポータルサイトも、各弁護士のウェブサイトも基本的には「広告」でしかないことを理解すれば自ずと理解できるはずだ。

令和の御代になろうと、人間の本質が変わる事はありません 「奉祝」よりも「天皇制」というものを深く理解することが必要なはずです

5月1日に改元がなされてから、世の中は奉祝ムードで、マスコミも今上陛下の過去のこぼれ話などを取り上げたりして、今上陛下を持ち上げることばかりを行っている。

しかしよく考えて欲しい、天皇制というのは皇族の人権を制限することで成り立っている制度であり、今上陛下を始めとした皇族方には様々な束縛が存在し、また日本国民の権利である、選挙権・被選挙権も有しないのである。「象徴」という立場から、ご自身の意見を述べる事にも慎重になられることも事実であり、同じ人間でありながら、多くの自由を制約されている中で、伝統を守るための儀式などをとり行っているのである。

今、馬鹿みたいに「奉祝」しているような連中は「天皇制」や「天皇の歴史」に思いを馳せたことがあるのであろうか?また、現在の日本国憲法下での「象徴」としての天皇制による、皇族らが基本的人権が付与されていないことについて何か考えた事があるのか聞いてみたいものである。

また、天皇制に反対すべき勢力もだらしがない奴らばかりである。即位の例が行われた5月1日にはメーデーである。天皇制反対の労組や極左暴力集団らは、何らの不穏な行動をしなかったようだが、自分たちに信念があるのであれば、今上陛下や皇族らに対して「汝の部署を放棄せよ!汝の価値に目醒むべし!」と赤旗を振りかざして二重橋に突撃すべきだったはずであると筆者は考えるが、そんな事を行った連中はいなかった模様だ。

天皇制が曲がりながらも古代から現代まで連綿と維持されてきたのは、キリスト教社会における「教皇」やイスラム世界における「カリフ」などと同様の宗教的な「権威」により、我が国の時の権力者らの正当性を担保するためであると思われる。また一時期には仏門に入る皇族らが多数存在したことや、神仏習合の中で天皇家と関係の深い八幡神の出家の伝承や、僧形八幡神像などが多数残されている事などからも、国家として天皇(神道)の宗教性よりも、仏教が重視されていた時代もあったことも理解できる。そういうことからも天皇の「権威」「宗教」というのはいかなるものかを再度全ての国民が考える必要があると思われる。

改元がなされようが何が起きようが人間の本質が変わるわけもなく、人間の生活など変わる事がない事ぐらい誰でも理解できることである。そのうえで、天皇制というものが如何なるものであるのか、またなぜ現在も必要とされるのかを国民一人一人が考え、「改元」の意味を考えるべきなのである。

日弁連は、大逆事件の刑死者らのための、市ヶ谷刑務所刑場跡慰霊塔を建立したりしているが、皇族らの人権についても考察を行うべき事も行うべきだろう。