ゴーン被告が保釈中に再逮捕 果たして暴挙なのか適切なのか 注目される勾留決定

TBSニュースは4日付で「ゴーン容疑者 4度目の逮捕、特別背任の疑い」として以下の記事を配信した。

 

日産自動車・前会長のカルロス・ゴーン容疑者が中東のオマーンにある販売代理店に支出させた日産の資金のうち、およそ5億6000万円を私的に流用していた疑いがあるとして、東京地検特捜部が再逮捕しました。

 特捜部によりますと、ゴーン容疑者は2015年12月から去年7月までの間に、アラブ首長国連邦にある日産の子会社「中東日産」から知人がオーナーを務めるオマーンの日産の販売代理店に多額の資金を支出させ、そのうちのおよそ5億6000万円をゴーン容疑者が実質的に保有している会社に送金し、私的に流用していた疑いが持たれています。一連の事件でゴーン容疑者が逮捕されるのは4回目です。

 ゴーン容疑者は去年11月、有価証券報告書に自らの報酬を少なく記載した金融商品取引法違反の疑いで逮捕され、その後、金融商品取引法違反や特別背任の罪でも起訴され、先月6日に保釈されていました。特捜部が一度保釈した被告を再逮捕するのは異例です。

 

引用以上

 

ゴーン被告の再逮捕を受けて、弁護人の弘中惇一郎弁護士は「暴挙」と憤り「人質司法」批判を行っている。

逮捕で身柄を勾留する場合の要件としては逮捕の理由が存在し、被疑者が逃亡するおそれ・被疑者が罪証を隠滅するおそれが存在する際に勾留決定がなされるものであり、本来は例外的な対応であるはずなのだが、我が国では基本的には逮捕されれば勾留決定がなされることがほとんどなので(最近は少し変わった様子もある)、「人質司法」とされ批判を受ける原因になっているのである。

ゴーン被告も、再逮捕についての勾留質問があり勾留の決定がなされるかが決まるわけだが、事前に弘中弁護士は意見書を東京地裁に提出し、現在保釈中であり10億円もの保釈金が預託されている、ゴーン被告に逃亡の恐れも無ければ、先の保釈決定でも認められたとおり証拠隠滅についても万全の対策を取っているのであるから、勾留の必要は無いと主張するであろうと思われる。万一、ゴーン被告に勾留決定がなされた場合は速やかに準抗告を行うことはすでに予告しているとおりである。

弘中弁護士が述べるとおり、このゴーン被告の再逮捕は「暴挙」なのであろうか?通常は弘中弁護士の述べるとおり「追起訴」すれば済むことであると思われるが、ゴーン被告がツイッターで情報発信を行ったり、フランス政府に擁護を求めていたことも報道されている事から、在宅捜査では埒が明かないと判断したのであろうと思われる。

筆者にはゴーン容疑者の逮捕が適切なのか、暴挙なのかを現時点では判断できないが、東京地方裁判所がゴーン容疑者の本件容疑についての捜査か特捜部で継続中である事を知りながらも、異例の保釈許可を行った事が最大の原因であると考えている。

保釈は権利であり、適切に保釈許可決定はなされるべきであると思われるが、裁判所は保釈の基準を国民誰にも理解できるような判断を行うべきであり、「人質司法」批判を避けるために保釈許可決定を認めるようなダブルスタンダードは国民の司法に対する信頼を揺るがすだけである事を理解するべきであろう。

弘中弁護士は積極的にメディアにゴーン被告の再逮捕を「暴挙」として発信しているようであるが、そんな事よりも自らの弁護活動でゴーン被告の再逮捕が「暴挙」である事を立証し、結果として報道がなされるようにするべきであろう。マスコミ利用の弁護士といえば、PC遠隔操作事件の片山被告の主任弁護人を務めた佐藤博史弁護士を想起してしまう。このPC遠隔操作事件においても片山被告が保釈中に真犯人を騙りメールを送信した事が発覚し片山被告の無罪主張は崩壊し、保釈は取消され、片山被告は有罪判決を下されたのであるが、片山被告への捜査においても「人質司法」批判がなされ、佐藤弁護士は積極的にマスコミに「片山被告は無罪」と発信していた。

上述のとおり弁護士は法廷で戦うべきであり、マスコミを利用して印象操作などしても意味が無いのである。まずはゴーン被告の勾留決定の帰趨に注目したい。

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