住民票・戸籍の職権請求に厳格なルールを 職務用請求用紙への虚偽記載で住民票取得した弁護士を書類送検

朝日新聞デジタルは8日付で「ウソの利用目的で住民票取得、容疑の弁護士を書類送検へ」として以下の記事を配信した。

 

ウソの利用目的を記入した申請書を使い、福岡県の30代男性の住民票を不正取得したとして、県警が月内にも、第一東京弁護士会所属の男性弁護士(72)を住民基本台帳法違反の疑いで書類送検することが、捜査関係者への取材でわかった。任意の事情聴取に容疑を認めているという。

 捜査関係者によると、弁護士は2017年2月、業務で住民票を取得する際に必要な「職務上請求書」に虚偽の理由を記入し、男性が住む福岡県内の自治体に提出。住民票を不正取得した疑いがある。

 男性によると、取得理由は「遺産分割調停申立」だったが、男性が相続人となって遺産分割される事実はなかったという。

 自治体が2月19日、県警に告発状を提出した。県警は今月5~6日に東京都内で弁護士らを事情聴取し、不正取得の経緯などを確認。弁護士は容疑を認めたという。

 

引用以上

 

 弁護士は所属会で職務用請求用紙を買ってくれば、自由に住民票や戸籍の取得ができるのである。まともな弁護士は、デタラメな職務上請求などしないのであるが、「カネに追われた」弁護士や、非弁屋やチンピラに「飼われた」弁護士らは、職務用請求用紙を売ったり、職務用ではなく個人や関係者の興味のために個人情報の取得を図るのである。

以前から欠陥弁護士が探偵業者と結託し、不正な職務上請求を行うことが多かったが、最近は様々な犯罪組織の依頼を受け身上調査を行うために不正な職務上請求を行う弁護士も多いようだ。

職務上請求については、弁護士が高度な倫理を持っている事が前提になっているからこそ成り立つことであり、倫理も何もない欠陥弁護士には行わせてはならないのである。日弁連・各単位弁護士会は、職務上請求についての厳格なルールを定めるべきであり、せめて職権請求について弁護士法23条の2と同じ程度の理由書の提出を行うようにさせるべきなのである。そうしなければ、不正な職務上請求は今後も増え続けるはずである。

「カネの亡者」の自称「KING」銅子正人ら10人を9400万円の詐欺容疑で再逮捕 「カネの亡者」の犯罪者を喰う自称「検察・警察」ブローカーに対しても徹底捜査を

中京テレビニュースは6日付で「巨額投資詐欺 ”KING”ら10人を再逮捕 9400万円だまし取った疑い 愛知県警など」として以下の記事を配信した。

 

投資コンサルティング会社「テキシアジャパンホールディングス」を巡る巨額投資詐欺事件で、すでに逮捕されていた10人が6日、別の詐欺容疑で愛知県警などに再逮捕されました。

 再逮捕されたのはテキシアジャパンHD会長の銅子正人容疑者(41)と暴力団幹部の中村外喜治容疑者(66)ら10人。

 警察によると、銅子容疑者らは2016ー17年、岡山県の男性ら6人に「1口100万円を預けると毎月3%が会員特典としてもらえる」などとウソの出資話を持ちかけ、現金9400万円をだまし取った疑いがもたれています。

 銅子容疑者らは別の男女から現金6400万円をだまし取ったとして先月逮捕されており、これまでに全国約1万3000人の会員から約460億円を集めていたとみられています。警察は10人の認否について明らかにしていません。

警察は先月、中村容疑者が所属する暴力団野内組本部を捜索、一部が資金源になっていた疑いもあるとみて調べています。

 

引用以上

 

銅子容疑者のような「カネの亡者」の最後は悲惨である、再逮捕を繰り返され長期勾留を打たれ、その間は接見禁止処分となり、面会可能なのは弁護士だけなのであるから、相当ふてぶてしい人間でなければ、どこかで「完落ち」することも多いのである。この手の事件は逮捕者らの罪の擦り付け合いになる事も多く、「おれはカネ貰っていない、あいつが持って行ったんだ」などと供述し、公判が始まれば分離になり、勝手な主張をそれぞれ行う事も多いのである。この事件がどこまで立件できるかは分からないが、各容疑者らが長期の実刑判決を受ける事になることは間違いないだろう。

この銅子容疑者が実質経営していたテキシアジャパンホールディングと関係者らに対しての民事訴訟は既に提起されていたようであり、テキシア社の代理人弁護士に藤田和史弁護士(第一東京)が就任している事が確認された。

 

【参考リンク】

 高松総合法律事務所の法律ブログ テキシアジャパンホールディングス関係者の逮捕

 

藤田弁護士は、確か田邉勝己弁護士のカイロス法律事務所に所属していた弁護士であったと思っていたが、独立なさっていたようである。刑事事件の弁護人になっているかは分からないが、関係者が逮捕された中で民事上の訴訟代理人を辞任せず継続するかが注目される。藤田弁護士は、テキシア社からどのぐらいの着手金をもらったのか気になるところだ。

さて、このテキシア社に群がっていた犯罪的ブローカーや、三崎のような「警察・検察」ブローカーについても徹底的に捜査をする必要があるはずだ。このテキシア社の摘発の際に、なぜか警視庁の刑事からテキシア社の周辺者に電話があったなどの情報もあり、地面師事件と同様に「情報漏えい」があった疑惑もある事や、この摘発において被疑者らの潜伏先を「チンコロ」した、両刀使いがいるような話もある。

捜査機関が捜査協力者の助力を得る事は問題はないが、自称「警察・検察」ブローカーなどに協力を依頼すれば、捜査機関への国民の信頼が低下するばかりでなく、捜査機関の威信にも関わる事であろう。

捜査機関は銅子容疑者をはじめとした、「カネの亡者」を摘発するだけでなく、「カネの亡者」の上前をはねる「警察・検察」ブローカーも根絶やしにすることが必要なのである。

カルロス・ゴーン被告を保釈するとの決定 弁護側が主張した保釈の指定条件の履行がなされると思えないとは筆者だけではないでしょう 「人質司法」は問題であるが法は貴賤貧富に関係なく運用されなければならないはずです。

5日付で朝日新聞デジタルは「ゴーン前会長、保釈は6日以降 10億円納付は難しく」として以下の記事を配信した。

 

会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)の保釈を認めた東京地裁の決定に対し、東京地検は5日、決定を不服として地裁に準抗告を申し立てた。今後、保釈決定をした裁判官とは別の裁判官が改めて判断する。準抗告が退けられ、前会長が10億円の保釈保証金を納付すれば、東京拘置所から保釈される見通しだ。ただし弁護人によると、保証金10億円の同日中の納付は難しいとしており、保釈されるのは6日以降になる。

 前会長側の3回目の保釈請求に対し、地裁は5日、認める決定を出した。前会長は一貫して起訴内容を否認。身柄拘束は昨年11月19日に逮捕されてから100日以上に及ぶ。東京地検特捜部の事件で否認のまま、裁判の争点や証拠を絞り込む公判前整理手続きの前に保釈されるのは極めて異例だ。

 弁護側によると、地裁の保釈許可決定では制限住居を都内とし、出入り口に監視カメラを設置することが条件とされた。関係者との接触や海外渡航も禁じられ、パソコンや携帯電話の使用も制限されるという。

 

引用以上

 

無罪請負人として名を馳せ、大物振り込め詐欺師らも最近は恃みにする弘中惇一郎弁護士は外国人記者クラブにおける会見で、無罪判決への自信を述べ保釈についても具体的な証拠隠滅と逃亡に関する独自の予防措置を保釈請求に盛り込んだことを述べていた。

引用記事中にあるとおり、否認事件において公判前整理手続が済む前に保釈されることは異例であり、外国人記者クラブにおける弘中弁護士の会見内容や、諸外国の「人質司法」への批判から「忖度」を行い保釈許可決定を東京地裁が下したのであれば事実上の「ダブルスタンダード」による裁量保釈だといえるだろう。

一般的に共犯者が存在する事件で、被告人が一部否認もしくは否認おこなっている事件であれば、第一回目の公判まで接見禁止処分がなされることが多く、保釈は第一回目の公判が終わったのちになる事が多い。このような判断がなされる理由は「証拠隠滅の虞」「逃亡の虞」を理由として保釈を不許可にするからである。今回のゴーン被告の保釈が今まで許可されなかった理由も同様であろう。今回、弘中弁護士が被告の制限住居を都内とし、出入り口に監視カメラを設置することが条件するだけでなく、関係者との接触や海外渡航も禁じ、パソコンや携帯電話の使用も制限する内容で保釈を勝ち取ったとすれば、今後はどの裁判所もいかなる否認事件であろうと同様の証拠隠滅・逃亡についての予防措置を執った保釈請求に応じなければ裁判所の「ダブルスタンダード」を認めることになる事を東京地裁の刑事14部は肝に銘じるべきであろう。

わが国の「人質司法」は確かに問題であり、改善を図る事は必要であろうが、法の運用は貴賤貧富に関係なくなされるべきであり、我が国の司法は諸外国に干渉されることなく運用されるべきなのである。

しかし、保釈の制限事項とされた関係者との接触や携帯電話の使用の制限をゴーン被告が素直に履行すると思えないのは筆者だけではあるまい。保釈の指定条件をゴーン被告が履行しない場合には、即座に保釈許可決定を取り消し、10億円の保釈金を没収する事が裁判所の役割である。法の平等な運用がなされなければ、法の存在価値は無いのであり、デタラメな法の運用をしていれば法律遵守をしようと思う国民はいなくなる事を法曹関係者全てが自覚するべきなのである。

裁判官の品位を貶めているのは、岡口基一裁判官ではなく傲慢な世間知らずの「お利口」な裁判官らのはずです

産経新聞は4日付で「ツイッター判事を聴取 国会訴追委」として以下の記事を配信した。

 

 国会の裁判官訴追委員会は4日、ツイッターの投稿をめぐり最高裁から戒告処分を受けた東京高裁の岡口基一判事(53)を事情聴取した。聴取内容を踏まえ、罷免の是非を判断する国会の裁判官弾劾裁判所に訴追するかを決める。

 終了後に取材に応じた訴追委委員長の田村憲久衆院議員によると、東京都江戸川区で女子高生が殺害された事件についての平成29年12月の投稿と、犬の返還をめぐる訴訟についての昨年5月の投稿に関して聴取し、事実関係や岡口氏の考えを確認。「相当な期間、慎重な検討をして(聴取を)実施する必要があると認めた」といい、今後、必要に応じて再聴取の可能性もあるとした。

 一方、岡口氏は弁護士2人と出頭し、「投稿は問題性のあるものではなく、表現の自由の一環として保護されるべきだ」などとする意見書を提出した。

 訴追委は衆参各10人の国会議員で構成され、衆参各7人以上が出席し、3分の2が賛成すれば訴追する。

 岡口氏は26~28年、裸の上半身を縄で縛られた男性の画像などを投稿し、高裁から口頭で厳重注意を受け、女子高生殺害事件の投稿についても昨年3月に高裁から厳重注意を受けた。犬の返還をめぐる訴訟についての投稿が裁判当事者の感情を傷つけたとして高裁が処分を申し立てた。

 最高裁は分限裁判で「裁判官の品位を辱める行為」に当たると判断、同年10月に戒告とする決定を出した。

 

引用以上

 

まぁ暇なのか、たまには裁判官訴追委員会を構成するべきと考えたのか、本当にくだらない内容である。

裁判官が世間に向けて情報発信をするなというのであれば、ツイッター・SNSにとどまらず、法律書などを著述することなども禁止するべきであろう。なぜなら現役裁判官の書いた判例解説や、法令解釈は多くの国民に裁判についての予断を与えることは確実であり、その判例に記載された当事者らは例え匿名であったとしても「傷つく」事は確実であるからである。そういう観点からいえば、判例集などの編纂も、多くの人を「傷つける」事になるだろう。

岡口裁判官のツイッター投稿による分限裁判によって戒告処分を受けた際に、筆者は「傷ついた」といえば通ってしまう恐ろしい世界として以下の記事を掲載したが、

 

【参考リンク】

「傷ついた」と苦情を言えば通ってしまう恐ろしい社会 岡口裁判官に分限裁判で戒告処分

 

裁判というのは当事者らの感情で判断されるものではなく、何らかの訴訟の判断が岡口裁判官のツイッター投稿などで左右されるわけでもないのであるから、特に問題にするべき事案では無いはずなのである。

法律の専門家である、岡口裁判官が様々なツイートを繰り返すのは何らかの信念があるのであろう。筆者も、上半身裸の男性の緊縛写真などは見たくもないが、今どきの性差別を無くせという世間のご意見からすれば、そんな事を問題にすることが問題であるという見方もできるだろう。

岡口裁判官が裁判官弾劾裁判所に訴追されるような事があれば、憲法の改正が必要であり、憲法で保障された「表現の自由」は裁判官に適用が除外されることを明記しなければならないはずだ。

岡口裁判官より問題なのは、要件事実をきちんと把握せずに、自分の心証を重視して判決を下したり、無茶苦茶な和解案を押し付けようとする世間知らずの「お利口」な裁判官たちであろう。そんな裁判官らこそ「品位」に欠けると思うのは筆者だけでは無いはずだ。

岡口裁判官には徹底的に闘って頂き、最終的には岡口裁判官を「戒告」処分に付した最高裁判所がいかに「品位」に欠ける組織であるのかを明らかにして欲しい。

卑劣極まりない「アポ電」強盗 「アポ電」自体を禁止し不招請勧誘を禁止しなければ、さらに「カネの亡者」らによる犯行は続くはず

朝日新聞デジタルは3日付けで「室内の状況、渋谷の緊縛強盗2件と類似 江東の女性殺害」として以下の記事を配信した。

 

東京都江東区のマンションの一室で住人の加藤邦子さん(80)が強盗に襲われ殺害された事件で、室内の固定電話やインターホンが壊されていたことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁は通報を遅らせたり訪問の証拠を隠したりする目的とみて調べている。

 警視庁への取材で、現場の詳細な被害状況が明らかになってきた。同様の被害は1、2月に渋谷区であった2件の緊縛強盗事件でも確認されている。事前に資産状況を尋ねる「アポ電」と呼ばれる電話が入った後に男3人組が押し入り、住人の高齢者を縛るという手口も共通しており、三つの事件の関連がさらに深まった。

 捜査1課によると、加藤さん宅は3階の1LDK。リビングにあった留守番電話機能付きの固定電話のコードは切断されていた。断面から鋭利な刃物が使われたとみている。内壁のインターホンはモニター部分が引きはがされ、室内から見つかっていない。実際には録画機能は付いていなかったが、同課は、押し入った男らが訪問記録を消すために持ち去ったとみている。

 

引用以上

 

「アポ電」はアポイントメント電話の略で、強引な営業を行う事務機器販売や、広告営業や不動産販売などで今も用いられる営業手法である。頼んでもいない事を営業され、喜ぶ人はいない筈であるが、超高齢化社会を迎えた我が国では、高齢者の孤独感などから「アポ電」などに引っかかり、高額なインチキ投資被害に遭ったり、「押し買い」と呼ばれる高価な貴金属などを買いたたく手法で利益を上げる連中の被害に遭う人も多いのである。

何度も繰り返し述べてきたが、ワンルーム屋などのしつこい勧誘なども「アポ電」から始まる事が多い、「アポ電」を行う社員に「夢」を語らせたりデスクに「目標」などを掲げさせ「集金マシーン」に洗脳するのが「カネの亡者」が経営する、悪徳悪質営業会社なのである。

今回の「アポ電」強盗殺人の犯人たちも、おそらくは「特殊詐欺」の経験者であろうことは想像に難くない。「特殊詐欺」に飽き足らない「カネの亡者」らが急ぎ働きに走ったのであろう。このような事件の発生を受け、同じような「カネの亡者」たちが同種の犯罪を起こす可能性も高いだろう。「カネの亡者」には倫理も良心もなく、あるのはカネへの執着だけなのであるから「特殊詐欺」より手っ取り早いと考え、躊躇なく人殺しを行う連中も発生するだろうから、捜査機関は高齢者などに注意を呼び掛けるべきであろう。

そもそも、不招請勧誘を全面的に禁止すれば特殊詐欺や「アポ電」強盗の多くを防げるはずである。不招請勧誘を行うような業者には何らかの刑事罰を与えられるようにしなければ、このような悲惨な事件が再度発生する可能性は高いのである。

日弁連・各単位弁護士会は、つまらない事に予算をかけるよりも、消費者保護のためにも不招請勧誘の禁止を実現するために最善を尽くすべきなのである。それが、弁護士自治の信託者である国民への義務であると筆者は考える。

芸術とは社会常識を逸脱するものです 会田誠の講義がセクハラならバルテュスやベルメールは犯罪でしょう

弁護士ドットコムニュースは2月27日付で「「会田誠さんらの講義で苦痛受けた」女性受講生が「セクハラ」で京都造形大を提訴」として以下の記事を配信した。

 

京都造形芸術大の東京キャンパスで公開講座を受けたところ、ゲスト講師から環境型セクハラにあって、精神的苦痛を受けたとして、受講していた女性が、大学を運営する学校法人「瓜生山学園」を相手取り、慰謝料など計約333万円の支払いをもとめる訴訟を東京地裁に起こした。提訴は2月22日付。

原告の大原直美さん(39)と代理人が2月27日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。大原さんは「講義内容が本当にひどいものだった」「セクハラを訴えたあとも、大学側の対応が、教育者としてあるまじき姿だった」「生徒を守ってくれないのは本当に残念だ」と心境を語った。

  • 会田誠さんの講義でショックを受けた。

代理人などによると、大原さんは2018年4月から6月にかけて、京都造形大・東京藝術学舎で開かれた社会人向け公開講座(全5回)を受講した。ヌードを通して、芸術作品の見方を身につけるという内容だった。大原さんは、第3回(2018年5月15日)のゲスト講師だった芸術家の会田誠さんの講義でショックを受けた。

講義は、涙を流した少女がレイプされた絵や、全裸の女性が排泄している絵、四肢を切断された女性が犬の格好をしている絵などをスクリーンに映し出すという内容で、会田さんはさらに「デッサンに来たモデルをズリネタにした」と笑いをとるなど、下ネタを話しつづけていたという。

大原さんは、会田さんのキャラクターや作風を知らなかったという。すぐに、大学のハラスメント窓口に苦情を申し立てたが、第5回(同年6月12日)のゲスト講師で、写真家の鷹野隆大さんの講義でも、勃起した男性の写真の投影などがあった。「講義を受けに来ただけなのに、どうしてこんな目に合うの?」

大原さんは、動悸や吐き気、不眠の症状がつづき、急性ストレス障害の診断を受けた。

  • 「作家の作品の是非ではなく、環境を作り出したことが問題だ」

大学側は同年7月、環境型セクハラについて、対策が不十分だったと認める内容の調査報告書をまとめたという。ところが、そのあとの話し合いで、示談にあたって、お互い関わり合いを持つことをやめる、という項目の要望があり、交渉が決裂。大原さんは同大通信教育部を卒業して、他の大学やカルチャースクールで美術モデルの仕事をしている。

 

代理人の宮腰直子弁護士は「大学は、セクハラ禁止のガイドラインをもうけており、公開講座を運営するにあたっても、セクハラ対策をすべきだった。作家の作品の是非や、セクハラ言動そのものでなく、そうした環境を作り出したことに問題があった」と述べた。講座の運営方法や告知の仕方、その後の対応について責任を追及していくとしている。

大学側は、弁護士ドットコムニュースに対して「訴状が届いていないので、コメントできない」とした。

 

引用以上

 

芸術が社会や常識に迎合する必要は全くないと筆者は考える。京都造形芸術大学を訴えた原告と弁護士は「芸術」は社会的な常識の枠内に存在するべきとかんがえているのであろうか?そう考えているのであれば、我が国の春画や、陰陽石などの民俗文化財もわいせつであろうし、バルテュスの「夢見るテレーズ」やベルメールの人形など児童ポルノにしか見えない筈だ。

澁澤龍彦は芸術とポルノグラフィーの境界線を「裸婦の中の裸婦」(巌谷國士と共著)の中で

どんな芸術的な裸体画にだって、ポルノグラフィーと変わらぬ催淫性の効果はあるんだよ。ただ芸術作品とポルノグラフィーとの違いは、前者が催淫効果だけにとどまってはいないということさ。

と述べており、筆者もこの見解に全面的に賛同する。そして生とは即ち性であり、性を否定して生は無いわけである。芸術を社会に迎合させればナチスの「退廃芸術展」や我が国でも先の大戦中に中原淳一が迫害されたような事と同様のことになるだけであろう。

芸術の公開講座なのであるから、不快ならトットと帰ればいいような気もするのであるが、何らかの事情もあるのかもしれない。しかし、芸術を評価するのは個人の感性でしかなく筆者のように会田誠の作品にセンス・オブ・ワンダーを感じる人間もいれば、この訴訟の原告のように不快感を感じる人間もいるのが芸術というものであり、少なくとも訴訟代理人は芸術の価値が社会常識と相反することを理解するべきなのである。潔癖主義からしたらナボコフの「ロリータ」などもトンデモないお話なのかもしれないし、丸尾末広の漫画なども言語道断なんだろうと思う。しかしながら、同性愛者を差別するなという昨今の論調からすれば稲垣足穂の「少年愛の美学」は非難される対象ではないという事になるのであろうか?

筆者の個人的な見解からすれば、「ヌードを通して、芸術作品の見方を身につける」という講義に参加するような人物であれば、ジョルジョ・バタイユの「エロティシズム」や同題名のロベール・デスノスの著作ぐらい読んでおくべきであり、ヘルムート・ニュートンの写真集も見ておくべきであろう。決して権威主義というわけではなく、どんな世界にも「基礎」というものがあり、その「基礎」を理解したうえで初めて実相が見えるというのはどんな世界でも同様である。会田誠の芸術論がセクハラであり、それを防止なしない大学に公開講座に対する何らかの善管注意義務があるというのは、芸術を理解しないものの戯言に過ぎないと筆者は考える。本気でこのような訴訟を起こすのであれば、チャタレイ裁判や悪徳の栄えのサド訴訟を研究したうえで起こすべきであろう。芸術とわいせつは、しかめっつらしい常識人にはいつでも大きな問題なのであろうが、「私たちは糞と尿のあいだから生まれるのだ」とうアウグスティヌスの言葉を理解するのべきなのだ。

会田誠氏と京都造形芸術大学には、三島由紀夫が澁澤龍彦のサド裁判の際に手紙で澁澤に送ったという以下の文言をささげたい。

「今度の事件の結果、もし貴下が前科者におなりになれば、小生は前科者の友人を持つわけで、これ以上の光栄はありません」

何も恐れることは無く京都造形芸術大学は芸術の反社会性と、芸術に関する講義がアカデミックであればあるほど、人間の本質である性に収斂されることをしっかりと主張し、受講者に退席が許されないわけでもない中での「環境セクハラ」など「笑止」であるとしっかりと主張して欲しい。