カルロス・ゴーン被告を保釈するとの決定 弁護側が主張した保釈の指定条件の履行がなされると思えないとは筆者だけではないでしょう 「人質司法」は問題であるが法は貴賤貧富に関係なく運用されなければならないはずです。

5日付で朝日新聞デジタルは「ゴーン前会長、保釈は6日以降 10億円納付は難しく」として以下の記事を配信した。

 

会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)の保釈を認めた東京地裁の決定に対し、東京地検は5日、決定を不服として地裁に準抗告を申し立てた。今後、保釈決定をした裁判官とは別の裁判官が改めて判断する。準抗告が退けられ、前会長が10億円の保釈保証金を納付すれば、東京拘置所から保釈される見通しだ。ただし弁護人によると、保証金10億円の同日中の納付は難しいとしており、保釈されるのは6日以降になる。

 前会長側の3回目の保釈請求に対し、地裁は5日、認める決定を出した。前会長は一貫して起訴内容を否認。身柄拘束は昨年11月19日に逮捕されてから100日以上に及ぶ。東京地検特捜部の事件で否認のまま、裁判の争点や証拠を絞り込む公判前整理手続きの前に保釈されるのは極めて異例だ。

 弁護側によると、地裁の保釈許可決定では制限住居を都内とし、出入り口に監視カメラを設置することが条件とされた。関係者との接触や海外渡航も禁じられ、パソコンや携帯電話の使用も制限されるという。

 

引用以上

 

無罪請負人として名を馳せ、大物振り込め詐欺師らも最近は恃みにする弘中惇一郎弁護士は外国人記者クラブにおける会見で、無罪判決への自信を述べ保釈についても具体的な証拠隠滅と逃亡に関する独自の予防措置を保釈請求に盛り込んだことを述べていた。

引用記事中にあるとおり、否認事件において公判前整理手続が済む前に保釈されることは異例であり、外国人記者クラブにおける弘中弁護士の会見内容や、諸外国の「人質司法」への批判から「忖度」を行い保釈許可決定を東京地裁が下したのであれば事実上の「ダブルスタンダード」による裁量保釈だといえるだろう。

一般的に共犯者が存在する事件で、被告人が一部否認もしくは否認おこなっている事件であれば、第一回目の公判まで接見禁止処分がなされることが多く、保釈は第一回目の公判が終わったのちになる事が多い。このような判断がなされる理由は「証拠隠滅の虞」「逃亡の虞」を理由として保釈を不許可にするからである。今回のゴーン被告の保釈が今まで許可されなかった理由も同様であろう。今回、弘中弁護士が被告の制限住居を都内とし、出入り口に監視カメラを設置することが条件するだけでなく、関係者との接触や海外渡航も禁じ、パソコンや携帯電話の使用も制限する内容で保釈を勝ち取ったとすれば、今後はどの裁判所もいかなる否認事件であろうと同様の証拠隠滅・逃亡についての予防措置を執った保釈請求に応じなければ裁判所の「ダブルスタンダード」を認めることになる事を東京地裁の刑事14部は肝に銘じるべきであろう。

わが国の「人質司法」は確かに問題であり、改善を図る事は必要であろうが、法の運用は貴賤貧富に関係なくなされるべきであり、我が国の司法は諸外国に干渉されることなく運用されるべきなのである。

しかし、保釈の制限事項とされた関係者との接触や携帯電話の使用の制限をゴーン被告が素直に履行すると思えないのは筆者だけではあるまい。保釈の指定条件をゴーン被告が履行しない場合には、即座に保釈許可決定を取り消し、10億円の保釈金を没収する事が裁判所の役割である。法の平等な運用がなされなければ、法の存在価値は無いのであり、デタラメな法の運用をしていれば法律遵守をしようと思う国民はいなくなる事を法曹関係者全てが自覚するべきなのである。

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