弁護士は社会生活上の医師ではないはず 日弁連会長の年頭挨拶への違和感

年も改まり今年は今上陛下の退位と皇太子殿下の即位と改元がなされる年になった。時代錯誤にも昨年はこのような流れを見据え死刑執行を多く行い、今年死刑執行などをしないような配慮をしてきたようであるが、こういうことは法治とかけ離れた行為であろう。

筆者は天皇制には賛成であり、今上陛下の平和への思いなどには深く心を打たれる者であるが、こういう法治とかけ離れた行為に対して日弁連は意見具申を行うべきであり、「死刑廃止」というドグマに囚われることなく「法治」の観点からの改元前の死刑執行への異論を述べるべき必要があったはずである。日弁連の述べる「自治」など所詮この程度であり、いかなる権力にも屈しないというのは口先だけでしかない事がよくわかる。

さて今年も以下のとおり日弁連会長の年頭挨拶が同会のウェブサイトに掲載されている。

 

会長からのご挨拶

 

明けましておめでとうございます

 

本年が皆様にとって良い年となりますようお祈り申し上げます。

昨年も世界各地で軍事紛争やテロの火種が絶えず、世界経済も社会も混沌とした不安定な1年でした。日本弁護士連合会(日弁連)は、平和で安定した社会の実現に向けて、その基盤となる人権擁護活動を中心に、諸活動にしっかりと取り組んで参ります。

 

昨年は、大阪北部地震、西日本の各県を襲った平成30年7月豪雨、相次ぐ台風に加えて北海道胆振東部地震と、大規模災害が相次ぎました。被災された方々に謹んでお見舞い申し上げます。日弁連は、被災地弁護士会や自治体等と連携して、無料法律相談を行うなど支援体制を整え、これまでの災害対応のノウハウを総動員して迅速に対応いたしました。今後とも緊張感をもって大規模災害に備えて参ります。

 

憲法改正問題について、日弁連は、憲法改正案の立法事実やその法的解釈、問題点などを国民の皆様に分かりやすく説明し、広く議論を呼びかけています。さらに、改正案発議に関する国民投票に関し、有料広告放送のあり方について議論を重ねています。資金力の格差に基づいて不公平な広告が行われることは、国民投票の公正に影響を及ぼしかねないという懸念があります。国民投票運動の自由、報道の自由とのバランスの中で、どのような対応があり得るかについて慎重に検討して参ります。

 

成年年齢18歳引下げを内容とする改正民法が成立し、2022年に施行されます。18歳・19歳の若年者の消費者被害など、引下げに伴う諸々の弊害が現実化することのないよう実効的な施策の実現に努めて参ります。他方、少年法の適用年齢を20歳から18歳まで引き下げることについて法制審議会で議論が続いており、日弁連は引下げに反対しています。保護処分を通じて少年の健全な育成を図る現行少年法の機能は高く評価されており、その適用年齢と民法の成年年齢と同じくしなければならない立法事実はありません。

 

「弁護士は敷居が高い」といわれて久しいですが、その言外に「弁護士費用が高い」という意味も込められているように感じます。市民が弁護士にたどり着く難しさを「司法アクセス障害」と言いますが、これを取り除くシステムの一つが日本司法支援センター(法テラス)です。創立12年目にして、その認知度は54.9%(法テラス白書平成29年度版)に上っていますが、まだまだ十分とは言い切れません。

ところで、皆様は、「弁護士費用保険」を知っていますか。市民の皆様が、弁護士費用を理由に泣き寝入りせざるをえなかった交通事故や近隣問題、離婚や相続など様々な事件において、弁護士費用の一部を保険で賄う保険商品が開発・販売されています。加入している損害保険に特約として付いていることを意外に知らない、または見落としていることがあります。弁護士費用の一部を保険でカバーすることによって費用面等でのアクセス障害が改善されるように更に努力します。

 

弁護士は「社会生活上の医師」とも言われています。しかし、お住まいの近くに弁護士がいない等、距離的アクセス障害のある「司法過疎」と言われる地域が点在することから、「ひまわり基金」という日弁連の基金で公設事務所をこれまで全国に累計119か所開設してきました。ひまわり基金法律事務所が所在する地元の皆様は是非お気軽に御相談ください。法律によって解決できる悩み事は実は多いのです。

 

日弁連は、数多くの重要課題を抱えており、しかも日々新しい課題が生起し、絶えることがありません。法科大学院制度の改革や民事司法改革の促進、死刑制度の廃止、弁護士の国際展開、活動領域の拡大など、昨年からの持ち越しの課題に一つひとつ全力で取り組む所存です。今年4月には副会長が交代しますが、課題とともに今年度の執行部の情熱と団結も引き継ぎます。この1年間変わらぬご指導・ご支援をお願いし、私の新年の挨拶といたします。

 

2019年(平成31年)1月1日 

 

相変わらずの憲法改正についての政治的な見解や、お題目のような各地の被災者対策を述べているわけであるが、弁護士費用の問題に対しての、弁護士費用保険の啓蒙や法テラスや公設事務所により法的に問題を解決することを勧め、弁護士を「社会生活上の医師」と位置付けている内容であるが、筆者には弁護士全てが社会生活上の医師であるとは到底思えない。

法テラスや公設実務所勤務の一部の弁護士による深刻な不祥事はすでに何度も発生している事は事実である。それに司法過疎とは言えない大都市圏に公設事務所を立ち上げること自体が問題であり、単位弁護士会主導の公設事務所開設などは、高額な弁護士会費を納めている弁護士らからしたら日弁連・単位弁護士会による民業の圧迫としか思えないだろう。また法テラスによる弁護士費用の扶助の基準などは、多くの弁護士らからしたら「割に合わない」価格である事は確かであり、法テラス利用の依頼者を避ける弁護士も多いことも事実である。

筆者の考えでは交通事故などについては法律的な解決のために、弁護士費用保険などは有効であると思えるが、離婚事件や親権に関する争いなどは法律による解決は困難であることは確かであり、うわべだけの法律的な解決だけで問題が解決などするはずもない事も事実だ。そのような観点からも弁護士費用保険をこの分野で使う事は大いに問題があると考える。

菊地会長は弁護士が社会生活上の医師であると本気で思うのであれば、かつて秋霜烈日バッジを付けて社会悪の摘発を行ってきながらも、弁護士に転身後は積極的に犯罪集団の犯罪行為を実質的に幇助し莫大な弁護士費用を懐に入れるような「ヤメ検」たちのバッジを取り上げる必要があるだろう。少なくとも、このような「ヤメ検」は社会秩序を混乱させ、治安の悪化を招く原因でしかないからだ。こんな奴らが「社会生活上の医師」ではない事は誰が見ても明らかなはずだ。

菊地会長は弁護士の敷居が高いのは弁護士費用が高いという意味も含まれているようにおっしゃっているが、弁護士費用をまともに払う意思もないクレーマーのような馬鹿どもを弁護士が相手にしてはいけないのである。弁護士の敷居を低くした結果が、無理筋の民事訴訟の増加や、「依頼者に寄り添い」「依頼者の心情を代弁する」要件事実を重視しない着手金詐欺的な弁護士らの増加である事を認識するべきであろう。弁護士の敷居は高くあるべきである。安易に何でも弁護士に依頼しても問題など簡単に解決しない事、裁判となれば長い時間が掛かる事が理解できる依頼者だけを弁護士は相手にするべきであり、チンピラの因縁代行業のような事を行うべきではないのである。

 

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