日弁連 オウム事件の死刑囚らへの死刑執行に強く抗議 抗議声明は無知蒙昧な国民を啓蒙するようなつもりの独善的な見解

日弁連は7月6日付でオウム事件の死刑囚ら7名に対する死刑執行に強く抗議する会長声明を以下のとおり公表した。

 

本日、東京拘置所において3名、大阪拘置所において2名、広島拘置所において1名及び福岡拘置所において1名の合計7名に対して死刑が執行された。そのうち6名が再審請求中であり、心神喪失の疑いのあるものも含まれている。昨年8月就任以降、上川陽子法務大臣による2回目の執行であり、第2次安倍内閣以降、死刑が執行されたのは、13回目で、合わせて28名になる。

犯罪により命が奪われた場合、失われた命は二度と戻ってこない。このような犯罪は決して許されるものではなく、犯罪により身内の方を亡くされた遺族の方が厳罰を望むことは、ごく自然なことであり、その心情は十分に理解できる。一方で、刑罰制度は、犯罪への応報であることにとどまらず、社会復帰の達成に資するものでなければならない。それが再犯の防止に役立ち、社会全体の安全に資することになる。人権を尊重する民主主義社会であろうとする我々の社会においては、犯罪被害者・遺族に対する十分な支援を行うとともに、死刑制度を含む刑罰制度全体を見直す必要がある。

特に日本では、1980年代に4件の死刑事件について再審無罪が確定しており、袴田事件も、東京高等裁判所で静岡地方裁判所の再審開始決定が取り消されたものの、弁護側の特別抗告により最高裁判所における審理が続くことになる。これらの事件は、誤判・えん罪の危険性が具体的・現実的であることを、私たちに認識させるものであった。死刑に直面している者に対し、被疑者・被告人段階、再審請求段階、執行段階のいずれにおいても十分な弁護権、防御権が保障されるべきであり、再審請求中の死刑確定者に対する死刑の執行はこの観点からも問題の残るものである。

また、今回執行された死刑確定者の中には、当連合会が、2018年6月18日付けで、心神喪失の状態にある疑いが強いので、死刑の執行を停止するよう、法務大臣に対し人権救済申立事件の勧告をしたものが含まれている。同勧告で述べたとおり、死刑確定者について、適正手続保障の観点から、法務省から独立した機関において、心神喪失の状態にあるか否かを判定する必要があるが、そうした法整備がなされないまま、法務大臣の命令により執行がなされた。

内閣府が2014年11月に実施した世論調査で、「死刑もやむを得ない」とした80.3%の回答者への追加質問では、そのうち40.5%が「状況が変われば将来的には死刑を廃止してもよい」と回答している。また、終身刑を導入した場合の死刑制度の存廃について、終身刑が導入されるならば、「死刑を廃止する方がよい」という回答も全回答者の37.7%に上っている。死刑についての情報が十分に与えられ、死刑の代替刑も加味すれば、死刑廃止を容認する国民世論が形成可能であることを認識しておく必要がある。

2017年12月現在、142か国が法律上あるいは10年以上死刑を執行していない事実上の廃止国であり、うち106か国が全ての犯罪について死刑を廃止している。OECD加盟国のうち、死刑を存置しているのは、日本・韓国・米国の3か国だけであるが、韓国は10年以上死刑執行をしていない事実上の死刑廃止国であり、米国は2017年10月時点で19州が死刑を廃止し、4州が死刑執行モラトリアム(停止)を宣言している。したがって、死刑を国家として統一して執行しているのは、OECD加盟国のうちでは日本だけという状況にある。

このように、国際社会においては死刑廃止に向かう潮流が主流であり、日本を含め死刑制度を残し、現実的に死刑を執行している国は、世界の中では少数になってきている。国連の自由権規約委員会(1993年、1998年、2008年、2014年)、拷問禁止委員会(2007年、2013年)及び人権理事会(2008年、2012年)は、死刑の執行を繰り返している日本に対し、死刑執行を停止し、死刑廃止を前向きに検討するべきであるとの勧告を出し続けている。今回の執行に対しても国際的な批判や懸念が表明される可能性がある。

2020年に開催されるオリンピック・パラリンピック及び国連犯罪防止刑事司法会議(コングレス)が近づくにつれ、多数の国家、国民の注目が日本に集まってきている。このような時期に死刑を執行することは、日本に対する国際評価に影響することも考慮する必要がある(この旨を含んだ2018年3月29日付けの「死刑執行停止を求める要請書」を法務大臣に提出している。)

当連合会は、2016年10月7日、第59回人権擁護大会において、「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を採択し、日本政府に対し、日本においてコングレスが開催される2020年までに死刑制度の廃止を目指すべきであることなどを求めてきた。

死刑が生命を剥奪するという刑罰であり、国家による重大かつ深刻な人権侵害であることに政府は目を向ける必要がある。当連合会は、本日の死刑執行に対し強く抗議するとともに、改めて死刑を廃止するまで全ての死刑執行を直ちに停止した上で、2020年までに死刑制度を廃止するよう求める次第である。

2018年(平成30年)7月6日

日本弁護士連合会      会長 菊地 裕太郎

 

引用元 

https://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2018/180706.html

 

オウム事件は、何らの罪のない人たちの生命を理不尽に奪った凶悪極まりない事件である。今回死刑を執行された麻原彰晃が動機などを語らなかった事から、事件の内容などが解明されていないとして、もしくは麻原を「殉教者」として聖化されることを危惧して刑の執行に反対するのであれば理解はできる。しかしながら、今回の会長声明は国民の約80%が死刑もやむなしと考えている事も理解しながら、冤罪という観点、世界においては死刑廃止が主流になっている事実、2020年の東京オリンピックの開催などから日本に注目が集まっているとして、死刑廃止を主張し今回の死刑執行に強く抗議する内容なのである。

死刑が、国家が生命を剥奪する刑である事は事実であり、冤罪などあってはならない事も事実である。しかしながら冤罪として出所した人間の残虐極まりない再犯行為が存在した事実もあり、死刑廃止の議論は簡単に決着するものではなく「世界の趨勢」だけで判断するものではないだろう。

今回のオウム事件は、国家転覆が目標であったような報道もあるが、国家転覆であれば首相などの政府要人を暗殺したり、武装闘争というのであれば自衛隊に信者を潜入させれば良いものを、自らへの捜査の目くらましのために騒ぎを起こすことを目的としてサリンで無差別殺人を図ったりした極めて悪質な事件なのである。日弁連の菊地会長は麻原に更生の可能性があると思っていたのであろうか?

死刑が、残虐な刑罰であることは事実である。しかし、オウム事件で罪のない人を殺めた死刑囚らのほうが残虐ではないのだろうか。被害者感情も複雑であり、死刑を望まない被害者らもいることも理解するが、国民の80%近くが死刑という刑罰を支持している中で「世界の趨勢」を気にして我が国の国民の意見を無視するような日弁連幹部の「前衛」としての思いあがりを快く思う国民は少ないであろうと思われる。

死刑制度についての議論はまだまだ浅い、そして死刑について一番重要な「哲学」「聖性」の問題を日弁連の幹部らが理解してない事が一番の問題であり、独善的に国民を無知蒙昧な野蛮な国民と思っているような思い上がった声明を出すよりも、なぜ「死刑」制度を国民の多くが支持しているのか考えて欲しいものである。

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