日弁連は、6月29日付で「依頼者見舞金支給申請に関する公告(6月29日~9月27日)」として以下の内容を同会のウェブサイトで公表した。
日本弁護士連合会は、窪田四郎元弁護士について依頼者見舞金の支給に係る調査手続を開始しましたので、依頼者見舞金制度に関する規程第7条の規定により、下記のとおり公告します。
なお、この手続において依頼者見舞金の支給を受けることができるのは、窪田四郎元弁護士が2017年(平成29年)4月1日以降に行った業務上の横領によって30万円を超える被害を受けた依頼者等です。
記
対象行為をした者の氏名 窪 田 四 郎
法律事務所の名称 うさぎ合同法律事務所
法律事務所の所在場所 東京都港区元赤坂1-1-15ニュートヨビル6階
支給申請期間 2018年(平成30年)6月29日から
同年9月27日まで(消印有効)
支給申請先 第一東京弁護士会
以上
2018年(平成30年)6月29日
日本弁護士連合会
引用以上 引用先 https://www.nichibenren.or.jp/news/year/2018/180629.html
このような公告は、日弁連のウェブサイトだけではなく、本来は新聞などでも告知するべきであろう。日弁連のウェブサイトをチェックしているのは筆者のような好事家しかいないことぐらい、日弁連も分かっているのであるから、弁護士自治の信託者である多くの国民に呼びかけるべきなのである。
この窪田弁護士は昨年10月に弁護士法の欠格事由に該当したとして弁護士登録を抹消しているが、刑事事件で逮捕されたという報道もないので、おそらく昨年の時点で87歳であった窪田弁護士に成年後見人が選任されたというのが事情であると思われる。
この窪田弁護士は、いわゆる「ヤメ検」であり、函館地検の検事正を務めていた立派なセンセイなのであるが、御年83歳になってから、非弁屋への「名義貸し」として業務停止4月の懲戒処分を受けていたのである。
【参考リンク】
弁護士自治を考える会 窪田四郎弁護士(第一東京)懲戒処分の要旨
この処分の後も窪田弁護士は「うさぎ法律事務所」に所属しているような弁護士登録がなされていたが、実際には「名義貸し」を継続し、実務は「非弁屋」が行っていた事は確実であり、窪田弁護士の弁護士登録が抹消されたことにより、非弁屋が自転車操業を糊塗できなくなり、「横領」の発覚とあいなったものと思われる。
日弁連にしても第一東京弁護士会にしても単に「横領」被害について、被害者見舞金の申請を呼びかけるだけではなく、この事案の内容もきちんと公表しなければ、窪田弁護士の名義を使った横領被害に気付かない方も多いはずである。この「横領の」態様や発覚の経緯を合わせて公表することで、多くの被害者が僅かでも救済されることをきちんと認識するべきなのであろう。
今回の件もそうだが、今年3月に依頼者見舞金についての公告が公表された荒井鐘司弁護士の件でも、背後の非弁屋が「仕事をかけた」事も事実であろうと思われる。
【参考リンク】
亡くなった荒井鐘司弁護士の依頼者見舞金申請に関する公告 これで被害者は救われるのか?
こんな非弁屋の泥棒集団を野放しにしていては良いはずは無いのである。今回の窪田弁護士の件において、第一東京弁護士会はしっかりと事実確認を行い、窪田弁護士の背後の非弁屋の告発を行うべきなのだ。そうすることでしか、このような「非弁カッパライ」事案の根絶は困難である事をよく認識して欲しい。そうしなければ、今後も同様に欠陥弁護士を「買って」「飼って」犯罪行為を繰り返す非弁屋は増殖することは間違いないのである。