根拠なき大量懲戒請求の問題 弁護士会の負担を減らすためにも弁護士懲戒制度には抜本的な改革が必要

朝日新聞デジタルは16日付で「ネットであおられ弁護士2人に懲戒請求4千件 提訴方針」として、以下の記事を配信した。

 

東京弁護士会の弁護士2人が16日、東京都内で記者会見し、インターネット上で懲戒請求をあおられた結果、計約4千件の請求が出されて業務を妨害されていることを明らかにした。2人はこのうち一部の請求者に損害賠償を求める訴えを起こす方針という。

 2人は佐々木亮、北周士の両弁護士。2人によると、2016年4月、東京弁護士会が朝鮮学校への補助金支給をめぐる国の対応を批判する会長声明を出した。1年以上たった17年6月、声明による意見表明を「犯罪行為」などとして、佐々木弁護士を含む同弁護士会の10人に対して大量の懲戒請求が出された。ネット上で請求が呼びかけられ、昨年9月には佐々木弁護士の事務所に「懲戒請求者は90億人いる」「外患誘致」などと書かれた封書も届いた。

  同弁護士会の役員ではなかった佐々木弁護士には請求を受ける心当たりがなく、ツイッターで請求の動きを批判。北弁護士も佐々木弁護士を支援するツイートをした。すると、2人に対する懲戒請求が相次いだという。

  2人は今年4月、ツイッターでこのうち約960人の請求者に対して訴訟を起こす考えを表明するとともに、和解を打診。一部の請求者からは和解の申し出があった。2人に「これで日本がよくなると思った」と話す請求者もいたという。

  弁護士の懲戒請求は弁護士法で定められ、誰でも弁護士会に出すことができる。請求があると弁護士会は対象の弁護士に通知書を送り、処分の要否を判断する。佐々木弁護士は「懲戒請求制度を否定するつもりはないが、私の仕事内容も知らずに請求するのはおかしい」と話している。

  日本弁護士連合会によると、朝鮮学校の補助金問題を巡る弁護士への懲戒請求は昨年6月以降、急増。ネット上には請求のひな型もアップされていた。

 

引用以上

 

この問題については、筆者は以下の参考リンクのとおり既に意見を述べているが、改めて論じる事にする。

 

【参考リンク】

 弁護士懲戒制度の適切な運用とは 日弁連会長談話について

 

 上記のリンクで、今回の大量懲戒請求問題については「言いがかり」でしかなく「ネット右翼」の達の大量懲戒請求という行動が大きな間違いであり、懲戒請求をなされた弁護士らは、この「ネット右翼」たちを叩き潰すべきあるという意見を述べたが、今回懲戒請求を提起された弁護士らが損害賠償請求訴訟を提起することは、今後の同様の懲戒請求事案の発生に対しての抑止力にもなる事や、バカどもの目を覚ますためには必要な事であろうと思われる。

実際に懲戒請求を受けた弁護士は、どんな意味不明な懲戒請求に対しても「答弁書」を作成、提出し懲戒事由に該当する理由がない事を主張しなければならない。このような処理は基本全て郵送ベースで行われ、当該弁護士会にも大きな負担がかかる事も事実である。

しかしながら「弁護士自治」の観点からすれば、この負担は自治の運営を行う弁護士会にある事も明白であるので、どんなにくだらない懲戒請求であっても現在の制度では弁護士会としては1件ごとに誠実な対応をすることが求められるのも当然の事なのである。

今回の大量の懲戒請求の問題は何らも自分の頭で考えずに、テンプレートを元に懲戒請求書を作成した者らが多いようであるが、何らの懲戒事由も無い弁護士らに懲戒請求を行う事は、明らかに業務妨害でしか無い事はしっかりと自覚を持ってほしいものである。こんな事で、社会が変わると思ったのであれば「低能」と判断するしかなく、意味不明な懲戒請求を行った連中は「低能集団」と判断することが当然であろう。

弁護士懲戒制度には抜本的な改革が必要であり、そもそも誰でも申立ができるという制度自体を考え直すべきである。今回の大量懲戒請求問題のように懲戒事由が「外患誘致」などという、デタラメな懲戒事由の場合は懲戒請求自体を受け付けない対応も必要であろう。また、弁護士会の負担軽減と、懲戒処分の公正化・透明化のためにも、弁護士懲戒は第三者機関に委ねるべきであり現在の「同僚裁判」としか呼べないような状況を変化させなければ国民の理解は得られなくなることが予想される。

弁護士不祥事が多発する現状においては、懲戒請求に対する審議の速度も早める必要もあることから、弁護士懲戒制度の抜本的な改革が必要なのである。

“根拠なき大量懲戒請求の問題 弁護士会の負担を減らすためにも弁護士懲戒制度には抜本的な改革が必要” への2件のフィードバック

  1. 正にここに書かれている通りの請求制度の改革が早急に必要です。

    今回のようによくわからず、煽られ安易に懲戒請求を出す大馬鹿者の請求は
    棄却出来るようにするかわり、本当に請求事案に値する場合は、お仲間で構成される
    委員会ではなく第3者による委員会で速やかに、かつ適正・妥当な結論を出すように
    してもらいたいものです。 現在のお仲間委員会ではとても適正で妥当と言える
    処分が下されているとは思えません。

    過去には懲戒事案に値する請求で半年以上かかるものがザラと聞いてますし、
    速やかに結論(処分)を出さなかったが為に被請求者の弁護士による2次被害が
    拡大するという被害も発生しています。

    お仲間委員会である事から、わざとと思えるぐらい無駄に時間をかけて
    被請求者にギリギリまで弁護士でいるように温情をかけていると捉えられても
    仕方ないぐらい酷い物であり、被請求者が懲戒請求中に資格を失えば関係ないの
    一点張りでお終いという杜撰さも見直してもらいたいものです。

    いいね

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中