日弁連会長の年頭あいさつ 弁護士自治のトップが政治的な発言を行う事への違和感

平成の御代もついに今年で30年、この30年の間に弁護士業界は大いに変化し、弁護士の社会的地位も大いに変化したのである。今後も、どのようにこの業界が変化するかを観察して行くつもりである。

さて、日弁連会長の年頭あいさつが本年の元旦付で、日弁連のウェブサイトに掲載されている。

 

新年あけましておめでとうございます。

本年が皆様にとって良い年になりますようお祈り申し上げます。

昨年は、世界各国で政権が変わり、世界各地で軍事紛争やテロが続発し、混沌とした不安定な一年でした。日弁連は、平和で安定した社会を目指し、平和と人権を守る取組に全力を尽くしてまいります。

昨年4月19日に裁判所法の一部改正法が成立し、12月に修習を開始した第71期司法修習生から、新しい給付金制度が創設されました。ご支援を頂いた皆様に対し心から感謝申し上げます。

市民生活に影響を与える内容を多く含む民法(債権法)の一部改正法が成立しました。日弁連では、2020年4月1日の施行に向けて、法務省ほか関係機関と連携し、本改正の内容の周知を図る取組を行っていきます。

日弁連は、いわゆる共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正案について、市民の人権や自由を広く侵害するおそれが強いものとして、一貫して反対してきましたが、昨年6月に、改正法が成立しました。成立後は、本法律が恣意的に運用されることがないよう厳しく注視していく必要があります。

昨年10月に行われた衆議院議員総選挙により、現在の与党が引き続き政権を担うこととなり、国会では、憲法改正問題が議論されることが予想されています。日弁連では、憲法9条の改正問題について、改正の立法事実、改正案に対する法的解釈、改正案から推測される事態等について、改正の積極・消極双方の立場から検討し、必要に応じて国民の皆様に情報提供できるようにしていきたいと考えています。

利用者から、司法アクセスの改善と権利救済の実効性の向上が求められています。司法予算を拡大し、裁判所の機能強化を図り、民事法律扶助制度や弁護士費用保険の拡充を図り、司法アクセスの改善を実現する必要があります。また、民事執行法の改正と証拠収集手続や損害賠償制度の改革検討等に取り組み、真に頼りがいのある司法を実現しなければなりません。

この他にも日弁連は、えん罪を生まない刑事裁判の実現と死刑制度廃止の実現に取り組んでいきます。また、広く有為かつ多様な方々に法曹を志望していただけるよう、法曹の魅力や弁護士の活動等について広く発信するとともに、引き続き法曹養成課程における各種の課題を克服する取組を行います。

日弁連は、利用しやすく頼りがいのある司法を築き、法の支配を社会の隅々に行き渡らせる社会の実現に向けて、今後も全力を尽くします。

皆様のご支援・ご協力を心からお願い申し上げます。

2018年(平成30年)1月1日              

      日本弁護士連合会会長      中本和洋

 

引用先 https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/organization/message.html

 

中本会長が年頭あいさつで述べた内容は、大変見識も高く崇高な理想をお持ちであることは理解できる。しかしながら、日弁連会長としては、崇高な理想の追求よりも国民が弁護士自治に求めている内容について述べるべきではないだろうか。

世界各国で政権が変わろうと、軍事紛争・テロが頻発しようと日弁連に何かできる事はあるのであろうか?空疎な声明を出すことはできても、内政干渉などできるはずもないのだから、こんな内容を述べる必要があるとは全く思えない。

民法改正については、日弁連が改正内容の周知を行うことは当然であろうが、学習意欲のない一部の欠陥弁護士に対して、法改正の内容をしっかりと理解させることを日弁連はしっかりと行うべきであろう。

共謀罪への反対や、憲法改正議論への懸念などは、弁護士の中にも日弁連会長と異なる意見を持つ者も多く、日弁連が公式見解を出すこと自体に違和感を覚えるとともに、弁護士自治の中枢である日弁連が政治的な発言をすることにも違和感を筆者は覚える。

司法修習生への給付金制度創設については、憲法改正を考える自民党の力でなしえたものであると筆者は考えており、市民の声などによるものではないと考えているが、日弁連会長はどうお考えなのかお教えして欲しい。

司法アクセスの改善や権利救済の実効性の向上などという問題は、果たして国民がそんなことを求めているのか確認をするべきであろう。裁判に期待をしない国民が多いからこそ、裁判の新受件数が減っているのではないだろうか。また、無理筋の事件を無理やり訴訟提起して、小遣い稼ぎをする弁護士の規制を考えなければ、民事法律扶助制度など単なる弁護士の「おさいふ」にしかならないだろう。

冤罪の防止は当然であるが、日弁連が冤罪防止について行う内容をしっかり国民に公表するべきであろう。また死刑廃止についても、本当に国民がそのような事を望んでいるか確認を行うべきであろう。自分たちこそが時代の前衛であり、国民を「善導」しなければならないというようなおごり高ぶった考え方は、いい加減にやめたほうが良いはずである。

弁護士自治制度は国民の信託により成り立っているものであることを本当の意味で日弁連・各単位弁護士会の幹部様方には理解して欲しいものである。

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