神奈川新聞カナロコは25日付で「“幽霊ビル”解体完了 いわく付き再開発用地 伊勢原駅北口」として以下の記事を配信した。
5年近く入居店舗がなく“幽霊ビル”と呼ばれてきた小田急線伊勢原駅北口にある「つゆきビル」(伊勢原市伊勢原)の解体が21日に完了し、更地となった。所有権を巡って殺人事件も起きたいわく付きの建物で、都市計画道路と駅前広場に生まれ変わる。
市によると、ビルは1974年に完成。鉄筋コンクリート8階建てで、敷地面積約350平方メートルだった。
市は90年、ビル前の市道拡幅を含む再開発事業が都市計画決定されたことから、ビル購入の方針を決定した。ところが、買収話がトラブルとなり、96年、当時土地を所有していた組合の代表者だった市内の男性が失踪。
後に指定暴力団住吉会系元会長の男=別の殺人罪で死刑確定=が男性の殺害を告白し、昨年4月に市内の山中から遺体が発見された。
一方、ビルは2012年9月からテナントが撤退し、無人に。昨年10月、所有権を巡る訴訟で判決が確定し、市は土地所有者から、計2億5千万円で購入することになった。解体は7月に始まっていた。
24日の定例会見で、高山松太郎市長は「長い間、大勢の人が苦労してきた。ほっとしている」と話した。
引用以上
このビルの解体は必要であり、都市計画上は伊勢原市がこの「いわくつき」の土地を購入せざるを得ない事は理解するが、元々の所有者であった旭住宅建設協同組合の元々の代表であった津川静夫さんは、暴力団の手で殺されてしまったのである。代表者がいなくなった、この組合の清算人に事件屋の國井洪が突如登場し、所有権がエスケイコーポレーション株式会社(旧名TATホールディング 行政処分歴2回)に変更され、同社と伊勢原市が、「いわくつきの土地」の売買契約を締結したのである。
國井洪は以下の「エセ同和」団体の代表であり、2013年には劇物の酢酸カドミウムなど約400種類の薬品(およそ100リットル)を不法投棄して逮捕された人物である。
【参考リンク】
上記の各参考リンクをご確認いただければ、國井という人間がどのような人物であるか理解できるであろう。こんな「カネの亡者」に伊勢原市は2億5千万円もの大金を支払うのである。
同市の高山市長は「長い間、大勢の人が苦労してきた」と述べているが、本来の所有者の代表であった津川さんの遺族への配慮や、國井のような反社会的な人間にカネが流れることについての感想はないらしい。何とも残念な事である。
國井のような「カネの亡者」の犯罪常習者がのさばり、津川氏のように理不尽に殺される方がいることを思うと、史記の伯夷列伝を想起してしまう。
盜蹠は日に不辜を殺し、人の肉を肝にし、暴戻恣睢、党を聚むること数千人、天下に横行するも、竟に寿を以て終はる。 是れ何の徳に遵ふや。此れその尤も大いに彰明較著なる者なり。
近世に至り、操行不軌、専ら忌諱を犯すも、終身逸楽富厚に、累世絶えず、或いは地を択びてこれを蹈み、時ありて然る後に言を出し、行くに径に由らず、公正に非ずんば、憤を発せざるも、禍災に遇ふが若き者は、数ふるに勝ふべからざるなり。余甚だ惑へり。儻いは所謂天道、是か非か。
國井にとどまらず、カネの亡者と呼ぶべき、暴戻恣睢で操行不軌な特殊詐欺関係者が事業家面してのさばり、カネの為なら犯罪助長も犯罪行為も行う弁護士・司法書士が増加する「拝金」社会となってしまった我が国である。多くの国民が、司馬遷と同じ疑問を胸に抱いていることは間違いない。まともな人間が報われる国を作らなければ、今後も「カネの亡者」による犯罪行為や脱法行為は増加することは確かである。そのためにも詐欺関係者には徹底的な厳罰を下すことは必要であろうし、資格者が品位と倫理をしっかり保持できるような対策を国として行う必要があるだろう。