デタラメとしか言いようがない弁護士自治 公設事務所弁護士であった岡本吉平弁護士への懲戒処分の変更について

弁護士自治を考える会は、20日付で公設事務所である鴨川ひまわり基金法律事務所所属であった岡本吉平弁護士への戒告処分が「取消」となった事実について論評をしている。

 

【参考リンク】

岡本吉平弁護士(千葉)の懲戒処分の取消の公告 弁護士自治を考える会

 

上記の記事から、岡本弁護士への処分の取消の要旨を以下に引用する。

 

千葉県弁護士会が2016年11月8日に告知した同会所属弁護士 岡本吉平会員(登録番号40448)に対する懲戒処分(戒告)について同人から行政不服審査法の規程による審査請求があり本会は2017年8月23日弁護士法第59条の規程により、懲戒委員会の議決に基づいて、以下のとおり裁決したので懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第3号の規程により公告する。

 

          

1 採決の内容

(1)審査請求人に対する懲戒処分(戒告)を取り消す。

2 採決の理由の要旨

(1)被懲戒者は2012年9月20日懲戒請求者Aから医療過誤の損害賠償請求事件について病院との示談交渉に着手したが、2013年10月3日まで示談交渉に着手せず、Aからの問い合わせに対してその場しのぎの対応をした(以下「第1事案」という)また2014年3月14日別の懲戒請求者Bから社会福祉法人C(以下「C」という)に対する損害賠償請求訴訟を受任したが受任通知を行わず、同年10月27日頃、C代理人であるD弁護士から受任通知を受け、同年12月9日頃、D弁護士から年内解決を求めるFAXを受領した後も2015年1月16日にBから懲戒請求の申立てがなされるまで何の具体的応答をしなかった。(以下「第2事案」という)

(2)これらの行為はいずれも弁護士職務上規程第35条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

(3)千葉県弁護士会(以下「原弁護士会」という)は前記認定と判断に基づき被懲戒者を戒告処分とした。

(4)本件は第1事案及び第2事案の両事案が原弁護士会懲戒委員会に併合されたものである。

(5)原弁護士会綱紀委員会は、第1事案及び第2事案について、平成28年4月18日「懲戒委員会に審査を求めることを相当とする」との議決を行った。なお原弁護士会綱紀委員会は第1事案については平成27年10月19日、調査期日を開催して懲戒請求者から事情聴取を行ったが、第2事案については調査期日を開催せず、被懲戒者の事情聴取は行っていない。

(6) 原弁護士会懲戒委員会は第1事案及び第2事案を併合して審理をしたが、審査期日を開催せず、被懲戒者の事情聴取を行ないまま、平成28年10月28日、被懲戒者に対し『戒告を相当とする』との議決を行った。

同処分に対し第1事案及び第2事案については被懲戒者が原弁護士会の認定と判断には誤りがあり、その手続にも重大な瑕疵があるとして審査請求を行ったほか、第1事案については懲戒請求者も異議申出を行った。

原弁護士会懲戒委員会及び懲戒手続に関する会規(以下「原弁護士会懲戒手続会規」という)第24条第2項は「懲戒委員会は審査期日をした後でなければ、対象弁護士等を懲戒することを相当と認める旨の議決をすることができない」とし原弁護士会綱紀委員会及び綱紀手続に関する会規(以下「原弁護士会会規」という)第30条第2項は「綱紀委員会は調査期日における調査をした後でなければ、対象弁護士等を懲戒すること相当と認める旨の議決をすることができない」としている。

弁護士が所属弁護士に対して行う懲戒処分(弁護士法第56条)は行政庁の行う処分(行政手続法第2条第2号、行政不服審査法第1条及び第2条、行政不服審査法第3条第2項)にあたること、及び憲法第31条以下の「適正手続の保障」が行政手続全般に及ぶと解されていることからすると、第1事案及び第2事案について原弁護士会懲戒委員会が審査期日を第2事案について原弁護士会綱紀委員会が調査期日を開催せずに行った懲戒処分は、被懲戒者に懲戒処分を科すための原弁護士会懲戒手続会規第24条第2項及び原弁護士会綱紀手続会規第30条第2項の要件を満たさずに下された懲戒処分であり、当該懲戒処分(行政処分)は違法なものといわざるを得ない。

日本弁護士連合会懲戒委員会(以下「当連合会懲戒委員会」という)は被懲戒者の弁明書の提出等によって手続上の瑕疵が治癒したものとは到底認められず、仮に実体上、被懲戒者に懲戒事由相当の行為があったとしても、上記の重大な懲戒手続違背を看過することはできないので、原弁護士会懲戒委員会の懲戒処分を取り消さざるを得ない。なお、被懲戒者に対する原処分が取消しとなることについて、当連合懲戒委員会の委員2名から強い反対があったこと及び被懲戒者の行為は実体上違背行為にあたらないとする2名の委員の意見があったことを付言する。

3 採決が効力を生じた年月日 2017年8月25

  2017年11月1日 日本弁護士連合会

 

この内容を読めばお分かりになる通り、懲戒処分の原因である行為の認定以前に千葉弁護士会の手続きが違法であった事から、「仮に実態上、被懲戒者に懲戒相当の行為があったとしても」懲戒処分の手続きの瑕疵から、原弁護士会の懲戒処分を取り消さざるを得ないと日弁連は判断したのである。

この処分の取消から見えることは、なにより千葉弁護士会の懲戒処分手続きのいい加減さと、弁護士自治の信託者である国民を無視し、手続き上の瑕疵だけを問題として懲戒処分の懲戒事由を精査しない「弁護士の弁護士による弁護士ための弁護士自治」でしかないという事である。

弁護士自治を考える会が指摘しているとおり、この懲戒処分について杜撰な手続きをおこなった千葉弁護士会は何らの責任を岡本弁護士に対しても、国民に対しても取っていない事は明らかである。また、日弁連が審査請求の中で、懲戒処分の手続きについて、懲戒事由の精査を行わずに手続き上の瑕疵だけを問題にして、「懲戒せず」との裁決を行うことは、弁護士自治の信託者を裏切る行為であることも明らかであろう。

この懲戒処分取消の裁決について2名の委員から強い反対があったという事だが、当然のことであろう。千葉弁護士会で「戒告」処分が下された内容からすれば「職務懈怠」は明らかであるかだ。

それにしても気分の悪い懲戒処分の取消事案であり、いかに弁護士自治がデタラメであるかがよく理解できる事案であることは間違いないのである。

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