日弁連発行の自由と正義9月号は特集の一つに「依頼者保護制度」を取り上げている。
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この特集の執筆者らが不祥事防止を真剣に考えていることや、この号の編集後記に「横領事案が自由と正義に載らない「普通の状態」が早期に実現することを願ってやみません」との記載もあり、心ある弁護士たちが現在の多発する不祥事を心から憂いている事は理解できる。
この特集の中の「弁護士会による預り金規制」という文章の中で以下のような内容が述べられている。
・被害防止のために預り金に対する規制強化策が検討された。その中にはフランスにおけるカルパ制度や信託制度を利用した預り金規制策もあったが、弁護士個別の業務に弁護士会が関与する事が弁護士の職務の独立を害しないかという理論上の問題があった。
・弁護士による預り金の横領を防止すべき、直接的な規制として2017年預り金規制が改正されたものであるが、これにより預り金の横領が完全に防げるものではない。
・2017年預り金既規程の改正の際には、同時に依頼者見舞金制度を導入したが、その際行ったアンケートにはわが国においてフランスのようなカルパ制度が導入を設けるべきであるとの意見もあった。わが国においてカルパ制度が導入できれば、弁護士による預り金の横領事件はほぼ根絶できることになろう。ただ、現実には弁護士会の事務負担の能力や金融機関の協力をどの程度得られるかという問題等を考えると、一朝一夕に実現する事は困難である。
このような内容から理解できることは、弁護士個人の裁量で常時引き出し可能な「預り金」制度では、横領事案の根絶が不可能である事を理解し、「カルパ制度」を導入すれば、ほぼ預り金の横領事案は根絶できることを認識しているのである。しかしながら、弁護士会の事務負担や金融機関の協力などが不明である事から、「一朝一夕」にカルパ制度の導入は困難としているのである。
このように日弁連・各単位弁護士会が考えているのであれば、弁護士自治の信託者である国民にきちんと内容を伝えるべきであろう。自らの財産を「預り金」の横領で奪われるのであれば、たとえば訴訟提起時に「カルパ制度負担金」をいくらかでも払う事で保全ができるのであれば国民も納得するのではないだろうか?また、弁護士の職務の独立を妨げるという議論は論外であり、預り金は弁護士の財産でないのであるから、その管理に第三者が入る事が職務の独立を妨害するとは全く理解不能の議論であろう。
何度も繰り返すが弁護士自治は国民の信託により成り立っているのである。国民の財産の保護のためには「カルパ制度」の導入が最善だと日弁連は分かっているのだから「一朝一夕」に行う事は出来ないだろうが、制度導入に向けての議論や、金融機関への協力の打診などを行い弁護士不祥事防止の方策を随時国民に公開していくべきであろう。
独立した弁護士会を結成してカルパ制度を作ることは出来ないのでしょうか。
また懲戒処分を厳罰化した会があれば所属弁護士の信頼感も増します。
現状の弁護士会は懲戒処分も甘い。
元日弁連xxと肩書きのついた弁護士の不祥事まで見かけます。
カルパ制度が出来ても弁護士会内部での不祥事も心配です。
弁護士の皆様は弁護士会の会計報告に納得しているのでしょうか。
カルパ制度ができても組織がダメで処分が甘いのなら使い込みが発生します。