刑事弁護のやっかいさ 犯罪者と向き合う常識人には大きな負担がある事を理解すべき

産経新聞WESTは18日「「歯を食いしばれ!」弁護士が冤罪に加担しないために…スペシャリストが説く〝いばらの道〟」として、以下のリンクの記事を掲載した。

 

【参考リンク】

「歯を食いしばれ!」弁護士が冤罪に加担しないために…スペシャリストが説く〝いばらの道〟

 

 この記事は神山啓史弁護士が、刑事司法改革を受けて、刑事弁護活動の中での弁護士の負担の増大や、弁護過誤などを防ぐためには「根性」が必要であり、「法曹資格を持ってしまったらしようがない。労力を負担したくないなら、そもそも資格を与えるべきではない。歯を食いしばれ、としか言えない」と述べている事が記載されている。

記事によれば、神山弁護士は私生活を犠牲にしてまで、弁護活動を行っているそうだが、誰にでもできるものでは無いだろう。はっきり言えば、そのような弁護活動を行っている事は、神山弁護士の「趣味」なのであろうと思われる。

最近の刑事弁護活動は、被疑者・被告人の「わがまま」に苦しめられている弁護士が多いと聞く。インターネットで得た、自分に都合の良い情報だけを頭に入れている被疑者・被告人や、事件の依頼者が弁護士に無理難題をいう事や、猜疑心の強い連中からの被害妄想的な内容の相談(これは特殊詐欺師に多い)から、「カネを払うから検事に話を付けるルートが無いのか」「警察の上層部に賄賂を贈り不起訴処分を受けたい」という事を言ってくる連中や、「被害弁償をしたいが、カネがないから貸してほしい、それが弁護人の仕事だろう」とか、「まだ捕まっていない共犯者を脅して、被害弁償金を確保してほしい」とか、「自分が服役中の犯罪収益をしっかりと確保しておいてほしい」などという事を平気で申し述べるそうである。保釈申請などでも、自分の意に沿う結果が出ないと「懲戒請求をする」とか「弁護過誤だ」などと騒ぐ被疑者・被告人も多いのである。

冤罪事件は、あってはならない事であり、防止に努める事は当然であろう。但し、刑事弁護の実務上の負担が増加する中で、弁護士に多くの役割を望むのであれば「根性」だけではどうにもならない事も現実なのである。

弁護士は「社会正義の実現」を使命とする役割であることは理解するが、一人の国民であり、一人の家庭人である。みな生活のために働いているのである。私生活まで犠牲にして弁護活動を行うのが弁護士のあるべき姿という考え方には筆者も反対であるし、多くの弁護士も、そのような考え方にはついていけない事は間違いないだろう。

最善の刑事弁護を行う事は、刑事弁護人の役割であることには間違いないが、「全人格労働」を行う必要性は無いはずである。

多くの刑事事件は、示談活動や情状面の立証が主であり、起訴事実を本当に争うような内容は少数である。よく特殊詐欺師が無罪の弁論を行うが、こいつらは自分自身のやった事を分かっていながら無罪主張をするのである。また、最近は違法な捜査による証拠収集・自白の強要をさせられたと述べる刑事被告人も多いが、その多くは適正な手続きである。警察官に怒鳴られたとか、検事に強く言われたという事を「脅迫」としてくれとか、「自供に任意性が無い」と主張してほしいと言ってくる連中が多いのである。

このような話を聞くとまさに「民免而無恥」としか言いようが無いなと筆者は考える。

司法制度改革はアメリカ型の訴訟社会を目指したのかもしれないが、幼少期より「法による支配」を家庭から実践されている社会と、我が国の社会は大きく異なる事ぐらい政治家のセンセイも、弁護士会の役員のセンセイも、大学のセンセイも理解していただろう。我が国の治安は「法の支配」と別のところで維持されていた事ぐらい分かるだろう。

そのような「法の支配」と別の所にあるものを排除し「カネ」だけを追い求める風潮を作った結果が今の社会なのである。

「法の支配」を厳正に行うのであれば、信賞必罰を徹底する必要がある。そのためには残虐な犯罪を行う連中や、特殊詐欺師に対しては基本的に「死刑」を与える事しかないのである。人権擁護と法の支配が両立しづらいことなど、偉いセンセイ方は百も承知ではないのであろうか?

話は逸れたが、刑事弁護という活動が一筋縄ではいかない事や、「無罪請負人」の言葉だけでは分からない事を理解して頂きたい。

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