冤罪の防止も必要だが、犯罪の隠蔽を行う弁護士の取り締まりも必要です

日弁連は、8月10日に下された「東住吉事件」の再審無罪判決について会長声明をウェブサイトで公表し、「国の刑事司法制度が構造的な問題を抱えている」と指摘している。

 

【参考リンク】

東住吉事件再審無罪判決に関する会長声明

 

 確かに、会長声明で指摘しているとおり捜査側の「代用監獄における自白の強要」「不当な接見制限」「科学的知見の軽視や自白の偏重」という事は大きな問題であることは間違いない。

この事件は確かに「無罪判決」は下されたが、「無実」とは違うという事をしっかりと考察するのも弁護士の役割であろう。刑事弁護人らは、無罪判決を受けた両被告の利益の為に弁護活動を行う事は当然の事であり、違法な捜査手法の指摘や事実関係の整合などを行い無罪判決を勝ち得たわけではあるが、子供に多額の保険金を掛けていた事実や、保険金を支払うに当たっての経済状況などから、様々な疑問点が残っている事も事実である。

過去の再審無罪事件にしてもそうだが、「無罪」=「無実」ではないことは、再審無罪確定後に再び殺人事件を犯した男がいた事からも理解できるはずである。

何にしても冤罪の発生は防ぐべきであるし、捜査機関が強引な手法を取ることは許されるべきではないことは当然である。

冤罪も由々しき問題であるが、「社会正義の実現」を使命とする弁護士が犯罪の隠蔽の片棒を担いでいる事も大きな問題であろう。この問題も再審無罪と同じように是非とも会長声明で、問題点を指摘してほしいものである。人の事は指摘するが、「いかなる権力からも束縛を受けない」事を理由に、自分たちの悪事を自浄できない様では、捜査側を非難する資格など日弁連にあるはずもないと弁護士自治の信託者である国民は判断することになるはずだ。

筆者が何度も指摘している「特殊詐欺」関連の刑事事件に関しての、被疑者・被告人の為ではない、「犯罪組織」の為の刑事弁護を行うような弁護士に対して日弁連・各単位弁護士会は「指導監督連絡権」を行使して、指導を行うと同時に明らかに違法行為(犯人隠避・証拠隠滅)などを指示する弁護士に対しては積極的に会としての告発を行うべきなのである。

弁護士自治の大前提は弁護士法第1条に定められた、「社会正義の実現」「人権擁護」にあるのだから、この目的に背反する弁護士の取り締まりも指導も行えない「弁護士自治」は、自治の信託者である国民を愚弄する行為であることを、日弁連・各単位弁護士会の役員様方には、しっかりと理解してほしいものである。