日弁連が弁護士による横領被害についての救済の検討を開始 それよりも、弁護士自治の抜本的な見直しを

時事通信は4月30日付で「弁護士横領、被害救済検討=成年後見人などで後絶たず―「信頼維持に必要」・日弁連」として以下の記事を配信した。

 

成年後見人として支援する認知症の高齢者や、訴訟の依頼者らの財産を着服する弁護士が相次ぐ中、日弁連は被害者に一定額を支払う救済制度の検討を始めた。

  会員の一部からは反対の声も上がるが、専門家は「信頼の維持には必要だ」と指摘している。

  ◇5億円着服も

 最高裁によると、弁護士や司法書士など「専門職」が成年後見制度に基づき管理していた財産を着服した事例は2015年の1年間で37件(被害総額約1億1000万円)。大阪地裁では今年3月、顧問先から預かった供託金など計約5億円を着服したなどとして、業務上横領などの罪で弁護士の男(63)に懲役11年が言い渡された。

  早稲田大の石田京子准教授(法曹倫理)によると、横領事件は業務歴の長い弁護士で多いという。「環境の変化に対応できず経済的に厳しい、弁護士倫理を順守する意識が低いなど、複合的な要因がある」と分析する。

  日弁連が検討しているのが、弁護士が納める会費を財源とした「依頼者保護給付金制度(仮称)」。着服した弁護士が弁済できない分について、300万~1000万円程度の上限を設けた上で、被害者に見舞金を支払うことを想定している。

  昨年11月に全国の52弁護士会にアンケートを行ったところ、「悪いことをした人のために、なぜ他人の会費まで使われるのか」といった意見も寄せられた。ただ、日弁連の中本和洋会長は今年2月、会長に選出直後の記者会見で「信頼維持のために救済策を設けることも必要ではないか」と述べ、任期(2年)中の制度導入に意欲を見せた。

  ◇司法書士は導入

  成年後見を行う司法書士らがつくる「成年後見センター・リーガルサポート」は、既に会費を財源とした救済制度を設けている。会員による着服があり被害弁償ができない場合、500万円を上限に見舞金を支払う。

  石田准教授によると、米国では1959年、バーモント州の弁護士会が横領被害を受けた依頼者を救済する基金を初めて導入。アメリカ法曹協会の働き掛けもあり、98年までに全州で同様の基金が設けられた。

  石田准教授は「国の指導監督を受けず、懲戒処分などは弁護士会が行う『弁護士自治』が認められている日本では、信頼を維持するための制度がより重要となる。弁護士会は救済策だけでなく、被害防止策も強化する必要がある」と話した。

 

引用以上

 

 この記事中で、早稲田大学の石田准教授は、横領事件は業務歴の長い弁護士で多いとして「環境の変化に対応できず経済的に厳しい、弁護士倫理を順守する意識が低いなど、複合的な要因がある」と分析しているようだが、確かに環境の変化などに対応できていないベテラン弁護士も多い事は確かであるが、過大広告としか言えないようなウェブサイトで集客したり、出会い系サイトと同様の衛星サイトやリスティング広告を駆使して集客を図る、新司法試験合格者が運営する弁護士事務所・弁護士法人なども「弁護士倫理」など遵守する意思は無いことに変わりはないだろう。単に目的は、「カネ」だけだからである。

資本主義社会において富を求める事について批難される謂れはないと主張する人々(新自由主義者に多いですね)も、相当数存在することも理解はするが、強欲な資本主義の行きつく先が「パナマ文書」である。富への執着は、富が増加すればするほど際限なくなるようであり、約束したカネを払わないとか、税金を支払わない事が「有能」であり、「頭の良さ」と考える風潮が前世界中を覆っているという事であろう。

本題に戻るが、弁護士への依頼者を救済しようとすること自体は評価するが、筆者が何度も述べているように「カルパ制度」(カルパについてこの記事を参照してください)を導入することが最善なのである。その上で、弁護士会費の中から被害者救済のための保険をかける事も良いかもしれないし、宅建業者のように営業補償金を用意させることも良いかも知れない。司法試験という難関を通過した優秀な弁護士たちが、なぜ筆者が提言するような内容ぐらい考えられない訳がない。日弁連・各単位弁護士会の幹部たちも「カルパ制度」を導入すれば弁護士不祥事が大幅に低下することは分かっているのである。しかしながら、「預り金」に相手方からの和解金などを入金させる理由は「弁護士報酬の担保」という理由である事を、建前上言えないから、こんなことになるのである。

各単位弁護士会には、所属弁護士に対する指導監督連絡権が認められている。しかしながら、適切に権利を行使している事は極めて稀にしかない。本ブログにも多数のコメントが寄せられている「泥棒」と呼ぶにふさわしい駒場豊元弁護士(債権者破産)についても、何度も述べるように弁護士法人フォーリーフ法律事務所の清算時に、適切に清算人や弁護士会が対処をしていたら被害者・被害額が増加することは無かったはずである。

弁護士による被害者に、わずかであっても弁済を行う事についてはしないよりはましと評価するしかない程度の事である。弁護士の使命である「基本的人権の擁護・社会正義の実現」「社会秩序の維持及び法律制度の改善」を果たすために、弁護士自治の信託者である国民の財産を守るために「カルパ制度」を早急に導入すべきなのである。

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