宮崎弁護士会 告訴の取下げを条件に犯行ビデオの処分を持ちかけた強姦事件の被告弁護人の谷口渉弁護士に懲戒せずの議決 市民感覚と乖離する宮崎弁護士会

23日付で弁護士ドットコムニュースは「宮崎マッサージ店強姦事件「盗撮ビデオ」めぐる交渉の弁護人、弁護士会から懲戒されず」として以下の記事を配信した。

 

宮崎市のマッサージ店で女性客に暴行したなどとして、強姦と強制わいせつの罪に問われた男性経営者の弁護人が「不適切な弁護活動」をおこなったとして懲戒処分を請求された問題で、宮崎県弁護士会が「懲戒しない」と議決していたことが3月23日、わかった。懲戒請求をおこなったNPO法人の代表が明らかにした。議決は2月3日付け。

議決書などによると、この弁護士は2014年3月下旬から4月初旬にかけて、ある被害者の代理人弁護士と示談交渉をおこなう際に、(1)男性経営者が被害者との性行為を盗撮したビデオの処分(2)金銭のやり取りなし(3)告訴の取り下げ、の3点を提案した。

  • 「ビデオは無罪の証拠になる」と弁護士が考えていたと認定

この事件をめぐっては、毎日新聞が<被害女性が「被告側弁護士から『暴行の様子を撮影したビデオがある。告訴を取り下げれば処分する』と脅された」と証言した>と報道したことをきっかけに、弁護士に対する批判の声が高まった。インターネット署名サイトでは、この弁護士に対する懲戒請求を求める約2万件の署名が集まった。

そのような流れを受け、性犯罪被害者を支援するNPO法人「しあわせなみだ」(東京)の中野宏美代表は2015年3月、この弁護士の言動が被害者に対する不当な圧力にあたり、弁護士法に定める「弁護士としての品位を失うべき非行」だとして、宮崎県弁護士会に対して、この弁護士を懲戒するよう請求した。

懲戒請求について検討した宮崎県弁護士会の綱紀委員会は、この弁護士の示談提案について、「やや慎重な配慮に欠ける部分も見られる」としながらも、「(弁護士は)ビデオが無罪証拠になり、告訴が取り下げられると考えていた」と指摘。「全体として、適切な弁護活動の範囲を逸脱しているとまでいえない」「弁護士としての品位を失うべき非行があったと認めることはできない」として、懲戒しないという判断を下した。

なお、男性経営者が強姦と強制わいせつの罪に問われた事件をめぐっては、宮崎地裁が2015年12月、懲役11年の実刑と、ビデオ原本4本を没収する有罪判決を下した。しかし男性経営者は合意の上だったと無罪を主張しており、地裁判決を不服として、福岡高裁宮崎支部に控訴している。

 

引用以上

 

筆者は、この件について以下の記事を掲載している。

弁護士が告訴の取下げを条件に犯行ビデオの処分を持ちかけた強姦事件の被告に懲役11年と犯行ビデオ没収の判決

 

この記事でも述べたが、筆者は盗撮行為自体が違法とは言えないにしても、社会通念上は到底許されざる行為であることは谷口弁護士も理解しているはずであり、法律に定めが無ければ何をしても良いという考えで弁護活動を行っているのであれば大きな間違いであることを指摘している。

しかし、宮崎弁護士会は谷口渉弁護士について(1)男性経営者が被害者との性行為を盗撮したビデオの処分(2)金銭のやり取りなし(3)告訴の取り下げ、の3点を提案した事を認め「やや慎重な配慮に欠ける部分も見られる」としながらも、「ビデオは無罪の証拠になる」と谷口弁護士が判断していた事は事実として懲戒処分は行わないという決定を下している。また、谷口弁護士が直接被害者と示談交渉を行ったわけでは無く被害者代理人との間で示談交渉を行った事も述べられ、直接被害者に犯行ビデオの処分を条件に金銭のやり取り無しの交渉を行ったわけではないと歪曲に表現している。

刑事弁護は被疑者・被告人の利益のために行う事は当然であるが、被害者への配慮に欠ける弁護活動は不適切である事は言うまでも無い事であるのと、いくら被害者代理人との間の交渉であっても『暴行の様子を撮影したビデオがある。告訴を取り下げれば処分する』と谷口弁護士が申し述べたのであれば、不適切どころではなく脅迫もしくは強要行為と看做すのが妥当であろう。このような交渉を正当化すれば、多くの犯罪者が選任した弁護士に「被害者を脅迫して被害届の取下げをさせたい」と依頼することになるのではないだろうか。

実際に被害者に告訴の取下げを強要した弁護士は昨年3月10日に逮捕され起訴されている。(但し、現在も弁護士登録は抹消されていないので、有罪が確定したわけではない)

また、昨年末にはヤメ検の湯澤昌己弁護士が証人威迫罪で在宅起訴されている。

【参考リンク】

弁護士が告訴取り下げを強要し逮捕-棚谷康之容疑者 被害者を脅す

暴力団・組織犯罪集団御用達のヤメ検 湯澤昌己弁護士(第二東京)を証人威迫罪で在宅起訴 所属の第二東京弁護士会は会として速やかに懲戒請求の提起を

 

 筆者の考えでは、逮捕・起訴された棚谷弁護士や在宅起訴された湯澤弁護士よりもよりも、谷口弁護士の弁護活動のほうが悪質だと考える。なぜなら、性犯罪を受けた被害者に、その犯罪行為を録画したビデオがあるとして、その処分を条件に示談の締結をせまるなど、被告人のための弁護活動であるにしても、被害者を大きく傷つけ、当該ビデオの流出を間接的に予告し、被害者を畏怖させる行動に他ならないからである。

宮崎弁護士会の判断は、市民感覚から大きく乖離し、「弁護士の弁護士による弁護士ための弁護士自治」を示すものでしかない。やりたい放題の弁護士自治への不満は今後も更に高まる事が予想されるが、当然の帰結であろう。

“宮崎弁護士会 告訴の取下げを条件に犯行ビデオの処分を持ちかけた強姦事件の被告弁護人の谷口渉弁護士に懲戒せずの議決 市民感覚と乖離する宮崎弁護士会” への2件のフィードバック

  1. どういう文章で懲戒なしの結論に導くのだろうかと考えていました。
    綱紀委員会がどんな議決書を発行しても、綱紀委員長が公安委員になっているので鬼に金棒ですよ。
    宮崎の弁護士は、交渉後、法を守らなくても行政処分は受けず、今のところ刑事責任を追求されもして、いません。弁護士にとっては、安全地帯です。市民にとっては、無法地帯です。

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  2. 宮崎地方裁判所での民事訴訟でも、ビデオ没収と慰謝料100万円の支払い命令がだされたそうです。
    女性の事件では不起訴処分になり、虚偽告訴罪だと提訴され、反訴していた判決で男性の請求は、棄却されたと。
    裁判所は、宮崎県弁護士会に同調はしません。と明確にされました。

    いいね

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